栽培ガイド

最終更新日:2026/08/13

カキ(柿)


カキノキ属はアジアとアフリカの熱帯・亜熱帯地域を中心に約480種があり、日本にはヤマガキ、トキワガキ、リュウキュウガキなど7種が知られています。

東南アジアの熱帯に分布するコクタンは用材、銘木として利用されます。日本や中国で栽培されるカキノキと、北米東部原産のアメリカガキ、フィリピン原産のケガキは果実を食用にするために栽培されます。マメガキは渋をとるために栽培されます。

カキノキの原産地は中国で、奈良時代にモモ、アンズ、ウメなどとともに日本に渡来したと考えられています。日本各地に野生化したヤマガキの果実は直径4~5㎝ですが、カキの栽培品種は8~12㎝まで変化があります。

カキには甘柿と渋柿がありますが、甘柿は鎌倉時代に突然変異で生まれたといわれています。カキノキの花には雄花、雌花、両性花の3種類がありますが、単為結果性のため受粉しなくても雌花だけでも実がなります(受粉しなかった実は種なしになる)。

もともと熱帯・亜熱帯にルーツがある植物なので耐寒性はサクランボやリンゴにくらべると弱く、北海道ではほとんど栽培されていません。

カキの果実はビタミンC、カリウム、βカロテンなどの栄養素を豊富に含みます。渋み成分のもとであるタンニンは抗酸化作用素のあるポフェノールで成人病予防に効果がある機能性食品としても注目を集めています。

【基本情報】


学名 Diospyros kaki
分類(科名) カキノキ科
開花期 5月
収穫期 9月~11月
高さ 5m~15m
性状 落葉高木
水分 ふつう
耐寒性 強い(-10℃ぐらい)
日照 日向
結実性 自家結実性あり


【栽培史】


カキがもっとも古くから栽培されていたのは中国で、紀元前2世紀ごろにはすでに栽培されていました。日本には奈良時代に渡来し、平安時代にはすでに重要な果樹のひとつでした。

江戸時代には全国に栽培が普及し、地域に特有な品種が生まれました。日本にはカキの品種が1、000品種以上ありますが、ほとんどの品種が地域に根づいたローカルな品種で、全国的に栽培される品種では「富有」が最も多く、次いで「平核無」「刀根早生」「松本早生富有」が多く栽培されています。

中国や韓国にはもともと甘柿はほとんどありませんでしたが、近年は日本から導入して甘柿も栽培されるようになりました。

【見どころ・人気種】


カキの品種は、大きく分けると甘柿と渋柿があります。
甘柿には種の有無にかかわらず樹上で自然に甘くなる完全甘柿と種があるとその周辺部の果肉にごまを生じて甘くなる不完全甘柿があります。
渋柿には種の有無にかかわらず渋柿となる完全渋柿と種があるとその周辺部の果肉にごまが入りその部分だけ渋がぬける不完全渋柿があります。

甘柿も未熟なうちは渋味があり、秋の成熟期までに渋味が消えます。渋がぬけて甘くなるには夏と秋の温度が高いことが必要になるので、東北地方や内陸部、高冷地では渋味が残ります。

渋柿は着色した果実を収穫し炭酸ガスやエチルアルコールで処理すると渋味がなくなり甘柿と同じように食べられます。また、果皮を剥いて吊るし乾燥させると渋味がなくなり干し柿として利用されます。

秋に紅葉したカキの葉は日本料理の飾りとして利用されています。あまり知られていませんが「錦繡」「丹麗」など果実ではなく葉を利用する紅葉専用品種もあります。

完全甘柿の主力品種である「富有」は雌花だけをつけますが、他品種の花粉を受粉して種が入らないと落果しやすいとされます。近年、農水省で育成された「麗玉」「太雅」「太豊」は受粉しなくても落果しずらく、種なし果がつくりやすい最新の完全甘柿です。

日本古来の品種で、果皮が黒色の「黒柿」、細長い形の「筆柿」、果実の上のほうにこぶができる「いぼがき」、六角形の「蓮台寺柿」なども家庭栽培にはおすすめです。




【育て方】


■植え付け:
植え付けの最適期は落葉期の11月~3月上旬。日当たり・水はけ・通気性のよい場所で栽培します。
接ぎ木1年生苗は1本棒です。植え穴は深さ50㎝ほど掘り、腐葉土や完熟堆肥を土によく混ぜたら接ぎ木部分が地上に出るように植え付けます。
植え付けたあとはたっぷりと水を与え、乾燥防止のために藁などでマルチングを施し、株がぐらつかないように支柱を立てます。
地面から50~60㎝の高さの芽の上で切り戻します。

■鉢植え栽培:
カキは鉢植えでも栽培できます。
高木性で幹が上へと伸びるので8~10号の中深鉢を用い、用土は赤玉土(中粒)7に腐葉土3の混合で植え付けます。
早ければ3年目から実がなりはじめますが、あまり実をつけすぎないようにしましょう。

■水やり:
露地植えの場合は雨が降らず高温乾燥が続くとき以外は必要ありません。
鉢植えの場合は土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをします。

■肥料:
2~3月に堆肥などの有機質肥料と化成肥料2㎏を元肥として施します。
追肥は6月に化成肥料を1㎏、10月にも化成肥料を1㎏施します。
鉢植えの場合は3月・6月・10月に果樹用の配合肥料を与えます。

■剪定:
1年目の冬に1年枝を半分ぐらいの長さに切り戻します(この枝を主枝にして仕立てていきます)。
2年目の冬は前年枝から枝分かれした側枝の先端を半分の長さに切り戻します。
側枝の先端に花芽がついているときは切り戻さずにおくと翌年に開花し秋に実が収穫できます。
カキは夏に茎の生長が止まったあとその先端部に花芽がつくので秋以降に枝先を剪定すると花芽が失われるので注意します。
成木の剪定は、枝が込んでいるところの間引き剪定と伸びすぎた枝の切り戻し剪定にとどめます。

■人工交配:
「富有」は受粉しないと落果が多いので雄花を多くつける「禅寺丸」などの品種を混植するか雄花をつける品種から花粉をとって人工受粉をおこないましょう。
不完全甘柿も種が少ないと渋味が消えないので人工受粉をおすすめします。

■摘蕾:
開花前におこないます。1本の枝に複数の蕾がついているときは小さい蕾を摘蕾します。

■摘果:
6月上旬ごろ生理落果で実の数は減りますが、それでも多いときは摘果をします。
残す実の数は葉20枚にたいして1果を目安にしてください。

■袋かけ:
摘果後に袋かけをします。虫や病気がつきにくく雨や風による傷がつきにくくなります。

■収穫:
果皮の色が橙~朱色になったころに収穫します。

■病害虫対策:
葉に斑点状の病斑が出て落葉する落葉病と果実に黒い病斑が出て落果するたんそ病の被害が秋ごろに発生します。発生してからでは手遅れなので病気に感染する5~7月にベンレートを10日おきぐらいに散布して予防につとめます。病気で落葉した葉は翌年の発生源になるので必ず処分しましょう。
若い果実を落果させるヘタムシの被害が6月と8月に発生するのでスミチオンを散布して防除します。ほかにもスリップス、イラガ、ハマキムシ、カメムシなどがつきやすいので殺虫剤を散布して防除します。







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