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最終更新日:2026/08/28
春は可憐な花、秋は鮮やかな紅葉!季節を彩るドウダンツツジ(灯台躑躅)の育て方

春にはスズランを思わせる小さな花を咲かせ、秋には葉を鮮やかな赤色に染めるドウダンツツジ。季節ごとに異なる表情を楽しめる、日本原産の落葉低木です。
枝分かれがよく、刈り込みにも強いため、生垣や庭木、玉仕立てなどに広く利用されています。自然な樹形で育てても美しく、和風・洋風を問わず庭になじみます。
丈夫で育てやすく、大きくなりすぎたときは剪定で高さを調節できることも魅力です。
ドウダンツツジとは
ドウダンツツジは、古くから日本の庭園で栽培されてきたツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木です。
春、新しい葉が開く前から葉が展開する頃にかけて、枝先に白い壺形の花を下向きに咲かせます。小さな花がいくつも垂れ下がる姿は愛らしく、春の庭に清楚な彩りを添えてくれます。
秋になると葉は黄色から橙色、そして鮮やかな赤色へと変化します。日当たりのよい場所では特に美しく色づき、庭全体が華やかになります。
名前の由来
「ドウダン」の名は、枝分かれする様子が、昔使われていた照明器具「結び灯台」の脚に似ていることから「灯台」が転じたものといわれています。現代の海辺にある灯台ではなく、室内で明かりをともすための道具に由来する名前です。
江戸時代には「ヤシホ」または「ヤシホツツジ」とも呼ばれていました。
◯日本に自生するドウダンツツジ
ドウダンツツジは、本州の静岡県、愛知県、岐阜県、和歌山県、四国の徳島県、高知県、九州の鹿児島県などに隔離して分布します。
高知市土佐山の群生地をはじめ、蛇紋岩地帯に多く見られることから、蛇紋岩植生の指標となる植物としても知られています。
自生地は限られていますが、花と紅葉の美しさや刈り込みへの強さから、庭木としては全国で広く栽培されています。
◯東アジアに分布するドウダンツツジ属
ドウダンツツジ属は、東アジア、ヒマラヤ、東南アジアなどに分布する低木です。多くは落葉性ですが、一部には常緑性の種類もあります。
日本には、6種が分布しています。
庭木として主に栽培されるのはドウダンツツジとサラサドウダンです。ほかの種類は自生地で見られることが多く、一般に栽培される機会は多くありません。
ドウダンツツジは、葉が開く前から葉の展開とほぼ同時に花を咲かせます。一方、サラサドウダンなどは葉が展開したあとに開花します。
【基本情報】
| 学名 | Enkianthus perulatus |
|---|---|
| 分類(科名) | ツツジ科 |
| 開花期 | 4月~5月 |
| 高さ | 1m~3m |
| 性状 | 落葉低木 |
| 水分 | ふつう |
| 耐寒性 | 強い(-25℃ぐらい) ホンコンドウダンは0℃ |
| 日照 | 日向 |
| 特記事項 | 鉢植え・庭植えともに可 |
【栽培史】
ドウダンツツジは、江戸時代にはすでに庭木として親しまれていました。
江戸・染井の植木屋、伊兵衛三之丞が元禄5年(1692年)に著した『錦繡枕』は、世界最古のツツジ専門書とされています。その中に、ドウダンツツジが「やしほ」の名で掲載されています。
白い花の美しさ、よく茂る葉、朱色のように鮮やかな紅葉が紹介されており、当時から花と紅葉の両方が高く評価されていたことがわかります。
枝がよく分かれ、刈り込みにも耐えるため、生垣や球状の刈り込みに仕立てられ、武家屋敷の庭などにも多く植えられました。1870年には日本からヨーロッパへ導入され、海外でも観賞樹として知られるようになりました。
【主な種類】
◯ドウダンツツジ
春に白い壺形の花を咲かせ、秋には葉が鮮やかな赤色に染まります。枝が細かく分かれ、刈り込みに強いため、生垣、低い植え込み、玉仕立てなどに適しています。自然な枝ぶりを生かして、単独の庭木として育てても美しい種類です。
◯黄花ドウダン
咲き始めに薄い黄色の釣鐘状の花を咲かせ、次第に淡い桃色へ変わる珍しいドウダンツツジです。
◯サラサドウダン(更紗)
淡い黄色の花に紅色の筋が入り、その模様を更紗染めに見立てて名づけられました。釣鐘形の花を下向きに咲かせることから、「フウリンツツジ」とも呼ばれます。ドウダンツツジよりやや大きな花を房状に咲かせ、秋には美しく紅葉します。
◯ベニサラサドウダン(紅更紗)
サラサドウダンのうち、赤みの強い花を咲かせるタイプです。深みのある紅色の花がよく目立ち、新緑との美しい対比を楽しめます。
◯岩しだれ
サラサドウダンの選抜種です。クリーム色の花に淡紅色の縁どりがほんのりと入リます。大輪房咲きです。
◯口紅錦(口紅更紗)
サラサドウダンの一種。淡い黄色がかった白地に花びらの先端が紅色となる美しい品種です。
◯緋乙女
紅更紗ドウダンの園芸品種で、濃い紅色の花を咲かせます。
◯ホンコンドウダン
中国南部からベトナムを原産とする常緑性の種類で、「コヤスドウダン」とも呼ばれます。淡い桃色から赤色を帯びた華やかな花を咲かせます。日本原産のドウダンツツジに比べて耐寒性が弱いため、寒冷地では温室や暖かい室内での管理が必要です。

【育て方】
■栽培環境
日当たりと風通しがよく水はけの良い場所で栽培します。
半日陰の場所では花つきや紅葉が悪くなります。
ツツジ科なので根は浅く張り、酸性土壌を好みます。
■植え付け
休眠中の10月~3月上旬が適期です。根鉢の2倍ぐらいの直径と深さの植穴を掘り、ピートモスや腐葉土を混ぜ、根鉢を3分の1ぐらい崩して土とよくなじむように植え付けます。
根鉢の上の部分が地面より低くならないようにしましょう。
■鉢植え栽培
中深鉢を用い赤玉土(小粒)1に鹿沼土(小粒)1の混合で植え付けます。
根詰まりを防ぐため1~2年ごとに植え替えをしましょう。
■水やり
露地植えの場合は活着したあと基本的に水やりは必要ありません。
鉢植えの場合は土の表面が乾いてきたときにたっぷりえます。水切れすると葉がちりちりになってしまうので乾燥しやすい真夏はとくに注意しましょう。
■肥料
2~3月に緩効性化成肥料か有機質肥料を施します。
花後の5~6月にも緩効性化成肥料か有機質肥料を追肥します。
■整枝・剪定
刈り込みをする場合は新梢の生長が止まった6月中~下旬におこないます。
夏以降に伸びた枝は落葉したあと11月ごろに剪定し樹形を整えます。
花芽は夏ごろにできるので来年花を楽しみたいときは秋以降の剪定は控えます。
■病気害虫
葉に炭そ病やペスタロチア病が発生することがあります。ベンレートやトップジンなどの殺菌剤を散布して防除します。
アブラムシやグンバイムシはオルトランなどの浸透性の殺虫剤で駆除します。
幹が太くなってくるとカミキリムシの幼虫に食害されます。地際の部分に木くずがたまったときは幹の中に幼虫がいるのでエアゾールタイプの殺虫剤で駆除しましょう。
