栽培ガイド

ジャスミン

今週の『ハーブの横顔』は「ジャスミン」をお送りします。

「ジャスミン」といえば、すぐに連想するのが「ジャスミン・ティ」。
中華料理のレストランでポットにたっぷり供されて、いつもついつい飲みすぎてしまいます。脂肪の分解を助ける働きがあるので、中華料理にぴったりのお茶ですね。
このお茶に使われているのは、「マツリカ(茉莉花)」とも呼ばれる「アラビアン・ジャスミン」です。

ジャスミンを育てていらっしゃる方は、きっと「ジャスミン・ティ」よりも、すばらしい香りのお花のほうをすぐに思い出されるでしょう。
香水の材料となるジャスミンオイルを抽出する花がひとつ開くだけで、甘い香りがあたりいっぱいにただよいます。鉢植えをひとつお部屋に置けば、お花の季節にはいつもよい香りが家じゅうに広がります。
花束に少し加えるだけで、香りのよい贈り物に変身します。

このジャスミンオイル(エッセンシャルオイル)には、女性に嬉しい効能がたくさんあります
月経痛、産後の虚弱・鬱、緊張、不安、恐怖感、筋肉のこりなどをやわらげ、また、過敏肌、乾燥肌の方のお肌のお手入れにぴったり。
(エッセンシャルオイルは、薄めてマッサージしたり、お風呂にたらして使いますが、決して飲まないようご注意ください。
また、妊娠初期の方のご使用は避けるようにしてください。)

育てている方は、お花と葉っぱをドライにしてティにしても、上記のような効果を期待できます。香りのよいお花をそのまま一輪お茶に浮かべたり、お風呂に散らして優雅な時間を楽しむのもよいですね。リラックス効果があります。

気分が高まったときにはそっと鎮め、落ち込んだときには高揚させてくれる働きをもつジャスミンの香り。気持ちのリズムを整えてくれるこのお花がお部屋でいつも香り豊かに咲いてくれていたら、心強いですね。

では、育て方を。

日あたりと水はけのよい場所を選び、肥沃な土に植えます。耐寒性は少し弱いので、冬は-10度以上で管理します。お部屋に入れてもよいでしょう。
日光が大好きなのでお部屋の中でも必ず日の当たるところに置きます。

水を与える時は鉢底から流れるほどたっぷり与えます。
湿度が高いのは苦手です。根ぐされに気をつけてください。
鉢植えで、水をあげてもすぐに乾いてしまうようになったら、鉢の中で根がいっぱいになっている可能性があります。ひと回り大きめの鉢に植え替えてあげましょう。

春の成長時期から10月ごろまでは、肥料を与えます。薄めた液肥を1ヶ月に2回ほど、お花や葉っぱにかからないように株元へたっぷりと与えます。

増やし方は、夏に挿し木するか、伸びたつるを取り木して増やします。
朝早く咲いたばかりの花を摘んで収穫して、乾燥させたり、オイルにつけて保存します。

マダガスカル・ジャスミンをご存知ですか?
おととし、ジャスミンのよい香り!お花が大きい!と、すぐに飛びついて購入した私。自慢げに母に見せると、『あら、それはジャスミンじゃないのよ。ガガイモ科よ』と言われ、『ガガイモ?!』と少しがっかりしたことがあります。
でも、丸い大きな葉がついたつるがどんどん伸び、大きなお花はよい香り。
マダガスカル生まれのこの植物はなんだか愛嬌があります。
白くて大きなお花がジャスミンに似た香りなので、この名がついているそうです。

黄色いお花のカロライナ・ジャスミンも、本当はジャスミンではありませんが、香りがジャスミンに似ているところからこの名前がつきました。
元気いっぱいに咲く黄色いお花が明るい気持ちにしてくれる、アメリカのカロライナ州出身の植物です。