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最終更新日:2026/09/02
咲きながら豪華に育つ!セロシア(ケイトウ)の育て方・楽しみ方

セロシアは、炎や羽毛、サンゴなどを思わせる個性的な花が魅力の一年草です。「ケイトウ(鶏頭)」の名でも親しまれ、赤やピンク、オレンジ、黄色の鮮やかな花色から、ベージュやアプリコット、グリーンなどのシックな色まで、多彩な品種があります。
暑さに強く、夏から秋の花壇や鉢植えで長く楽しめるのも大きな魅力です。花が咲き始めた苗を植えると、その後も株の成長とともに花穂が伸びたり、花の幅や厚みが増したりして、しだいに豪華な姿へと変化します。購入時に花が小さく見えても、それはまだ咲き始め。育っていく姿も含めて、長く観賞できる植物です。
セロシアの基本情報
科名:ヒユ科
属名:ケイトウ属(セロシア属)
分類:春まき一年草
開花期:夏~晩秋
草丈:約20~100cm(品種により異なります)
用途:鉢植え、プランター、花壇、寄せ植え、切り花、ドライフラワー
日照:日なた
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
花の形も色も多彩
セロシアの花は、大きく分けると次のようなタイプがあります。
◯羽毛ケイトウ
細かな花が集まり、羽毛や炎のような花穂を作ります。咲き進むにつれて花穂が長く大きくなり、ふんわりとした華やかな姿になります。
◯トサカケイトウ
花の上部が波打ち、ニワトリのトサカのような形になります。成長とともに花の幅や厚みが増し、迫力のある姿へと変化します。
◯久留米ケイトウ
花が球状や扇状に大きく発達するタイプです。存在感があり、花壇だけでなく切り花にも適しています。
◯ノゲイトウ・ヤリゲイトウ
細長い花穂を次々と立ち上げる、軽やかなタイプです。自然な雰囲気があり、ナチュラルガーデンや寄せ植えにもよく合います。
長く楽しめるセロシアの魅力
セロシアは、一輪の花が咲いてすぐに終わる植物ではありません。小さな花が集まってできた花穂は、咲き進みながら少しずつ大きくなり、色を保ったまま長く観賞できます。
花が咲き始めた苗を夏から初秋に植え付けた場合も、購入した時が完成した姿ではありません。日当たりのよい場所で育てると、株が大きくなるのに合わせて花も育ち、ボリュームのある豪華な姿になります。気温が保たれていれば秋まで開花が続き、地域や品種によっては霜が降りるころまで楽しめます。
種から育てる場合
種まきの時期
発芽には十分な暖かさが必要です。一般地では4~6月ごろ、寒冷地では5~6月ごろが種まきの目安です。気温が低い時期にまくと発芽しにくいため、最低気温が安定して高くなってからまきましょう。
◯種のまき方
育苗箱やポットに種まき用土を入れ、種が重ならないようにまきます。セロシアの種は小さいため、覆土は種が隠れる程度にごく薄くします。
種が流れないよう、霧吹きや細かな水流でやさしく水を与え、発芽するまでは土を乾かさないように管理します。ただし、常にびしょびしょの状態にすると傷みやすいため、過湿にも注意してください。
◯発芽後の管理
発芽後は、明るく風通しのよい場所に置きます。苗が混み合っている場合は、早めに間引いて丈夫な苗を残しましょう。
セロシアは直根性で、根を強く傷めると生育が止まりやすい性質があります。本葉が2~3枚ほどになったら、小さなうちにポットへ植え替えます。植え替えの際は根鉢を崩しすぎないようにしてください。
本葉が5~6枚になり、気温が十分に上がったら鉢や花壇へ植え付けます。
花付き苗を購入して育てる場合
夏から初秋に販売される苗は、花が咲き始めた状態で届くことがあります。届いた時の花が小さくても、生育不良とは限りません。植え付け後に株が根付き、枝葉が成長するのに合わせて、花穂も長く伸びたり、大きく広がったりします。
◯苗を選ぶポイント
茎がしっかりしており、葉色がよく、株元まで元気な苗を選びます。花の大きさだけで選ばず、枝数や株全体のまとまりも確認しましょう。
すでに大きく完成した花が付いている苗よりも、咲き始めの若い苗のほうが、植え付け後の成長と花の変化を長く楽しめます。
◯植え付け方
購入後は、できるだけ早めに植え付けます。鉢植えは、苗より一回りから二回り大きな鉢を使用してください。複数の苗を植える場合は、品種の大きさに応じて15~30cmほど間隔を取ります。
根鉢は無理にほぐさず、元の土の表面と植え付け後の土の高さが同じになるように植えます。深植えにすると株元が蒸れて傷みやすいため注意しましょう。
植え付け直後はたっぷりと水を与え、数日間は強い西日を避けて管理します。株が落ち着いたら、日当たりのよい場所へ移します。
栽培場所
一日を通してよく日の当たる、風通しのよい場所が適しています。日照が不足すると茎が間延びし、花が小さくなったり、花色が薄くなったりします。
暑さには強い植物ですが、鉢植えは真夏の強い西日で極端に乾燥することがあります。朝から日が当たり、午後は西日がやや弱まる場所なら管理しやすくなります。
用土
水はけがよく、適度に保水性のある土を好みます。鉢植えには、市販の草花用培養土を利用できます。
花壇では、水がたまりやすい場所を避けます。粘土質の土には腐葉土や堆肥などを混ぜ、土をよく耕して水はけを改善してから植え付けてください。
水やり
鉢植えは、土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えます。暑い時期は乾きやすいため、朝に土の状態を確認しましょう。
水切れすると葉がしおれ、生育や花の発達が止まることがあります。一方、土が常に湿っていると根腐れや株元の蒸れを起こします。決まった回数で与えるのではなく、土の乾き具合を見て判断することが大切です。
花壇では、根付いた後は極端に乾燥した時を除き、頻繁な水やりは必要ありません。
肥料
植え付け時に、草花用の緩効性肥料を土へ混ぜておきます。その後は生育の様子を見ながら、液体肥料を1~2週間に1回程度与えるか、緩効性の置き肥を定期的に施します。
肥料を与えすぎると、茎葉ばかりが茂って花付きが悪くなることがあります。特に窒素分の多い肥料の与えすぎには注意してください。
病害虫
高温多湿で風通しが悪いと、立枯病や灰色かび病などが発生することがあります。株を密植しすぎず、花や葉に水をかけ続けないように管理してください。
害虫では、アブラムシ、ハダニ、ヨトウムシなどが付くことがあります。葉の裏や新芽をこまめに確認し、見つけたら早めに取り除くか、適用のある薬剤で防除します。
花を長く楽しむためのお手入れ
花色が悪くなった花穂や、傷んだ花は早めに切り取ります。花の付いた茎を少し下の節の上で切ると、わき芽が伸び、次の花を楽しめることがあります。
ただし、大きく育つトサカケイトウや久留米ケイトウは、一つの花を時間をかけて大きく育てる品種もあります。まだ花色がきれいで成長している花を、早く切り取らないようにしましょう。
高性品種は、風雨で倒れないよう早めに支柱を添えます。花が大きくなるほど上部が重くなるため、茎が傾き始める前に支えておくと安心です。
切り花やドライフラワーにも
高性品種や花の大きな品種は、切り花としても楽しめます。花穂が十分に色づいたら、朝の涼しい時間に切り取り、下葉を取り除いて水に生けます。
ドライフラワーにする場合は、花色がきれいなうちに切り、数本ずつ束ねて、風通しのよい日陰に逆さにつるします。セロシアは乾燥後も形や色が比較的残りやすく、秋らしいリースやスワッグの素材にも向いています。
主な品種シリーズ
園芸ネットのセロシア商品一覧の中から、掲載品種数の多いシリーズを中心にまとめました。
◯ライオンハートシリーズ
燃え上がる炎やライオンのたてがみを思わせる、力強い花穂が魅力です。レッド、オレンジ、クリームホワイト系の「ホワイトの鬣」、アンティークサーモン系の「亜麻色の鬣」、「紫の鬣」、複数の色が混ざる「キメラの鬣」などがあります。
花色の幅が広く、単色でまとめても、異なる色を組み合わせても華やかです。花壇の主役や切り花に向いています。
◯アクトシリーズ
幅と厚みのある、ボリュームたっぷりの花を咲かせるトサカケイトウです。オレンジ系の「ザラ」、ピンク系の「ジバ」、ベルベットピンクの「ダラ」、グリーンの「ベルデ」、レモン色の「ビダ」などがあります。
フリルのように波打つ花が成長とともに大きくなり、豪華さを増していきます。個性的な色を生かした寄せ植えや、存在感のある鉢植えにもおすすめです。
◯コリーシリーズ
「霧島の秋」の系統を受け継ぐシリーズで、8月ごろから降霜期まで長く楽しめます。ベージュ系、アプリコット系、レッド、複数の色が入り混じるキメラなどがあります。
やわらかな中間色や複雑な花色が特徴で、秋の草花やカラーリーフとよく調和します。咲き進むにつれて花の表情が変化するのも魅力です。
◯ホットトピックシリーズ
フリルのような独特の花形が目を引く、コンパクトなセロシアです。レッド、ピンク、イエローなどの花色があり、葉色も含めて楽しめるタイプがあります。
背丈が低めで、小鉢や寄せ植えの前方、花壇の縁取りなどに使いやすいシリーズです。複数色を並べると、明るく楽しい雰囲気になります。
◯霧島の秋シリーズ
ベージュ系、レッド系、複数の色が現れるキメラ系など、秋の景色になじむ深みのある花色が魅力です。シックで落ち着いた色合いは、鮮やかな花とは違った大人っぽい印象を作ります。
一株ごとに色の出方や花姿が異なる場合があり、その個性も楽しみのひとつです。
◯カラフルセレクト・メリダシリーズ
ホワイト、ピンク、パープルなどがあり、細長く伸びるカラフルな花穂を楽しめます。花穂が伸びながら咲き続けるため、軽やかな姿を長期間観賞できます。
自然な草姿を生かし、寄せ植えやナチュラルガーデンに取り入れるのがおすすめです。

セロシアは寒さに弱い一年草です。気温が下がり、霜に当たると枯れていきます。
花後に種ができる品種では採種も可能ですが、園芸品種は親株と同じ花色や花形にならないことがあります。翌年も確実に好みの品種を楽しみたい場合は、新しい種や苗を用意するのがおすすめです。
小さな花から、驚くほど豪華な姿へ
セロシアの楽しさは、美しい花色だけではありません。咲き始めの小さな花が、株の成長とともに伸び、広がり、しだいに存在感のある花へと育っていきます。
種からじっくり育てるのはもちろん、夏から初秋に咲き始めの苗を植えても、秋まで十分に変化を楽しめます。鉢植えや花壇、寄せ植え、切り花など、好みのスタイルで、華やかなセロシアを長く楽しんでください。