栽培ガイド

最終更新日:2026/08/28

室内観葉の定番!フィカス(ゴムの木)の育て方


つややかな葉を楽しむもの、ハート形の葉を広げるもの、個性的な斑が入るものなど、豊富な種類がそろうフィカス。樹形や葉色の違いを選べる、室内観葉植物の定番です。

丈夫で生長が早く、基本のお手入れを覚えれば初心者にも育てやすい植物です。小さな鉢植えとして飾るだけでなく、大きく育ててお部屋のシンボルツリーにしたり、剪定して好みの樹形に仕立てたりする楽しみもあります。

フィカス(ゴムの木)とは



フィカスは、熱帯から亜熱帯を中心に分布するクワ科フィカス属の植物です。日本では、フィカス・エラスティカをはじめ、同じフィカス属の観葉植物を広く「ゴムの木」と呼ぶことがあります。

種類によって葉の形や色、枝の伸び方は異なりますが、暖かく明るい環境を好む点はほぼ共通しています。室内では鉢植えで管理し、剪定によって大きさや樹形を整えます。

主なフィカス6種


◯フィカス・ウンベラータ<

大きなハート形の葉と、明るくやさしい雰囲気が魅力です。枝をのびやかに広げ、ひと鉢置くだけでお部屋の印象を華やかにしてくれます。

生長が比較的早く、剪定すると切り口の下から新しい枝が伸びます。自然な枝ぶりを楽しみたい方や、シンボルツリーを育てたい方におすすめです。

◯フィカス・ベンガレンシス

丸みのある厚い葉と、白っぽくなめらかな幹が美しいフィカスです。葉の表面には細かな毛があり、落ち着いたマットな質感を楽しめます。

明るい室内で育てると枝葉がよく茂り、堂々とした樹形になります。ナチュラルなインテリアにもモダンな空間にも合わせやすい品種です。

◯フィカス・アルテシマ

明るいグリーンの葉に、黄緑色から黄色の斑が入る華やかなフィカスです。葉色が明るく、お部屋を軽やかで開放的な雰囲気に演出します。

きれいな斑を保つには十分な明るさが必要です。ただし、強い直射日光に急に当てると葉焼けするため、レースのカーテン越しの光で育てます。

◯フィカス・エラスティカ・バーガンディ

黒に近い深緑色の葉と、赤みを帯びた新芽が印象的なゴムの木です。厚く光沢のある葉には重厚感があり、シックなインテリアによく合います。

比較的丈夫で耐陰性もありますが、暗すぎる場所では葉色や樹形が乱れやすくなります。できるだけ明るい室内で管理しましょう。

◯フィカス・リラータ(カシワバゴム)

カシワの葉を思わせる、大きく波打つ葉が特徴です。英名ではフィドルリーフフィグとも呼ばれ、個性的な葉姿と存在感のある樹形を楽しめます。

環境の急変や水の与えすぎにやや敏感です。一度置き場所を決めたら頻繁に移動させず、水は土が乾いてから与えます。

◯フィカス・ベンジャミナ

小さな葉をたくさん茂らせる、繊細で涼しげなフィカスです。自然な樹形のほか、幹を編み込んだ仕立てや、枝葉を丸く整えたスタンダード仕立ても流通しています。

置き場所が急に変わったり、日照が不足したりすると葉を落とすことがあります。明るく暖かい場所を選び、環境をできるだけ安定させることが大切です。

栽培のポイント


レースのカーテン越しに光が入る場所で育てます
土の表面が乾いてから、たっぷり水を与えます
冬は暖かい室内で乾かし気味に管理します
葉水を行い、乾燥とハダニを予防します
生育期に剪定して、好みの大きさや樹形に整えます
置き場所・日当たり

年間を通して、レースのカーテン越しに日が当たるような明るい室内が適しています。

日照が不足すると、枝が細長く伸びたり、葉色が悪くなったり、下葉が落ちたりすることがあります。反対に、室内で育てていた株を急に強い直射日光へ当てると葉焼けすることがあります。

春から秋に屋外へ出す場合は、明るい日陰から始め、少しずつ日光に慣らしてください。冷暖房の風が直接当たる場所も、葉の乾燥や落葉の原因になるため避けます。

水やり


春から秋

土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。受け皿にたまった水は根腐れの原因になるため、必ず捨ててください。

夏は土が乾きやすくなりますが、毎日決まった量を与えるのではなく、土の乾き具合を確かめてから水やりします。



気温が下がると生長が緩やかになり、水を吸う量も少なくなります。土の表面が乾いてから数日待ち、暖かい日の午前中に水を与えましょう。

冬に鉢土が常に湿っていると根腐れしやすくなるため、乾かし気味に管理します。

葉水と葉のお手入れ



霧吹きで葉の表裏に水をかける「葉水」は、年間を通して行えます。空気の乾燥を和らげ、ハダニの予防にも役立ちます。

フィカスの葉にはほこりがたまりやすいため、ときどき湿らせた柔らかい布でやさしく拭き取ります。葉がきれいになるだけでなく、光を受けやすくなります。

温度と冬越し



フィカスは暖かい環境を好み、寒さを苦手とします。種類によって耐寒性に多少の差はありますが、冬はできるだけ10℃以上を保つと安心です。

最低気温が10℃前後になる前に室内へ取り込みます。夜間の窓辺は冷え込むため、寒い夜は窓ガラスから離してください。

肥料



生育が活発になる春から秋に、観葉植物用の緩効性肥料を規定量与えます。または、薄めた液体肥料を定期的に施してもよいでしょう。

真夏に株が弱っているときや、生長が止まる冬は肥料を控えます。根が傷んでいる株に肥料を与えると、さらに負担をかけることがあります。

植え替え



鉢底から根が出ている、水が土に染み込みにくい、以前より土が早く乾くといった場合は、根詰まりの可能性があります。

植え替えは気温が十分に上がる5~9月頃に行えます。なかでも、植え替え後の回復期間を確保しやすい5~7月が適期です。低温期は生育が鈍く、根を傷めると回復しにくいため避けます。

現在よりひと回り大きな鉢と、水はけのよい観葉植物用培養土を使用します。植え替え後はたっぷり水を与え、直射日光の当たらない明るい場所で休ませます。

剪定と樹形の整え方



剪定の適期は5~7月頃です。伸びすぎた枝、込み合った枝、内側に伸びた枝などを切り、風通しと樹形を整えます。

幹や枝を切り戻すと、切り口の下にある節から新芽が伸びてきます。好みの高さで切り戻せるため、大きくなりすぎた株をコンパクトに仕立て直すこともできます。

葉や枝は光が入る方向へ伸びます。樹形が一方向へ偏らないよう、1~2週間に一度を目安に鉢の向きを少しずつ変えましょう。



挿し木でふやす方法



剪定した枝は挿し木に利用できます。枝を10~15cmほどに切り、下部の葉を取り除きます。

切り口から出る白い樹液を水で洗い流し、清潔な挿し木用土に挿してください。直射日光の当たらない明るく暖かい場所に置き、発根するまで土を乾かしすぎないよう管理します。

病害虫



室内では、ハダニ、カイガラムシ、アブラムシなどが発生することがあります。

葉の裏や枝の付け根をこまめに確認し、見つけたら早めに取り除きます。風通しを確保し、葉の裏まで葉水を行うとハダニの予防に役立ちます。

よくあるトラブル


◯葉が黄色くなって落ちる

水の与えすぎ、日照不足、低温、環境の急変などが考えられます。土の湿り具合と置き場所を確認してください。

購入後や置き場所を変えた直後は、環境に慣れるまで一時的に葉を落とすことがあります。

◯葉が垂れて元気がない

水切れ、根腐れ、寒さなどが考えられます。土が乾いていればたっぷり水を与え、湿った状態が続いている場合は水やりを控えます。

◯枝が細長く伸びる

日照不足による徒長が考えられます。急激な移動は避けながら、今より明るい場所へ少しずつ移してください。

◯葉に茶色い斑点ができる

強い日差しによる葉焼け、空気の乾燥、水切れ、根傷みなどが考えられます。発生状況と土の状態を確認し、置き場所や水やりを見直します。

白い樹液に注意



フィカスの幹や葉を切ると、白い樹液が出ます。肌につくとかぶれることがあるため、剪定や植え替えの際は手袋を着用してください。付着した場合は、すぐに水で洗い流します。


個性豊かな葉を室内で楽しみましょう

フィカスは、葉の形や色、樹形のバリエーションが豊富な観葉植物です。明るい場所に置き、季節に合わせて水やりを調整すれば、長く育てられます。

お気に入りの一鉢を選び、日々広がる新しい葉や、少しずつ変化していく樹形を楽しんでください。