栽培ガイド

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最終更新日:2024/10/22

菊の栽培方法(小菊・スプレーギク・ガーデンマムなど)

キクは、美しい花を咲かせる人気のある園芸植物で、正しい栽培方法を理解することで、健康で美しい花を楽しむことができます。特に小菊やスプレー菊は、花壇に植えておけば毎年花を咲かせ、暑さ・寒さにも強く、切花用としてもとても便利です。剪定のタイミングを調整すれば、花の少ない夏場や晩秋に咲かせることも可能です。以下の方法で栽培を行うと、管理も簡単で美しい花を長く楽しむことができます。
1. 基本情報

学名: Chrysanthemum morifolium
科名: キク科
原産地: 中国
開花時期: 秋(品種によって異なる)
耐寒性: 中程度(品種による)

2. 準備

土壌: 水はけがよく、肥料もちの良い土壌が理想です。花壇では普通の庭土で植えられ、鉢植えなら市販の菊専用の用土を使うと簡単です。粘土質の赤玉土や赤土が適しており、ピートモス主体の軽い土は避けた方が良いです。
場所: 日当たりが良く、6〜8時間の直射日光を確保できる場所を選び、風通しの良い環境を整えてください。

3. 植え付け

春(4月下旬〜6月)または秋(9月中旬〜10月)が植え付けに適しています。品種によって異なりますが、30〜50cmの間隔で植え、根鉢が土の表面と同じ高さになるようにします。大きめの鉢(8〜9号)には3株ほど植えることができます。
4. 水やり

基本の水やりは「たっぷり水をやって、乾くまで待つ」です。特に植え付け時には、排水孔から水が出てくるほどの量を与えます。その後、土が乾くまで待つことで、根に酸素が行き渡り成長を促進します。冬季には水やりの頻度を減らし、1週間に1回程度が目安です。
5. 肥料

肥料は化学肥料や有機肥料が使えます。植え付け前に元肥として緩効性の化学肥料を使用し、必要に応じて油かすや魚かすなどの有機肥料を土に混ぜ込んでください。肥料は月に1回ほど施肥し、液体肥料は速効性があるため、必要に応じて週1回程度使用します。
6. 摘芯と剪定

1回目の摘芯: 苗が10cmほどに成長したら、芽先を1cm程度摘み取ります。摘芯後、20日ほどで脇芽が出てきますが、側枝が多すぎると花付きが悪くなるため、余分なものは取り除きます。
2回目の摘芯: 側枝が4〜5枚の葉を付けたら2回目の摘芯を行います。摘芯を調整すれば、花の少ない時期に咲かせることもできます。

7. 病害虫対策

キクに多い病気には「白サビ病」「うどんこ病」があり、害虫では「アブラムシ」「ハダニ」がよく見られます。これらの予防には、風通しを良くし、適度な肥料を与え、殺菌剤や殺虫剤を1ヶ月に1回散布します。8月にはハダニの発生が多くなるので、殺ダニ剤を併用します。
8. 花後の管理

花が終わった後は、茎を15〜25cm残して切り戻します。冬越しの際は、茎を残し、お礼肥えを施します。風通しが良く霜を避けられる場所に置き、週に1回水やりを行いましょう。
9. 植え替え

2年ごとに植え替えが推奨され、根鉢を傷つけないよう慎重に掘り起こし、適した新しい土に植え替えます。
10. その他のポイント

水やりの際には、植物の頭からかけず、土に直接与えるようにします。特に茎や葉を濡らすと病気になる恐れがあります。透水剤や吸放水剤を使うことも有効です。

このように、適切な管理と剪定、肥料や水やりのタイミングに気を配ることで、キクは毎年美しい花を咲かせ、長く庭を彩ることができるでしょう。

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