栽培ガイド

最終更新日:2026/08/26

夏から秋まで次々と咲く ムクゲ(木槿)の魅力と育て方


夏の強い日差しの中でも、涼やかな花を次々と咲かせるムクゲ。白やピンク、紫など花色が豊富で、一重咲きから華やかな八重咲きまで、さまざまな品種があります。丈夫で育てやすく、庭木や生垣として長く花を楽しめるのも大きな魅力です。

ムクゲは、中国原産とされるアオイ科フヨウ属の落葉低木です。「ハチス」や「モクゲ」という別名もあり、日本へは古い時代に大陸から渡来したと考えられています。日本の夏の風景になじみ深い花木となっています。

一つ一つの花は一日ほどでしぼみますが、夏から秋にかけて新しいつぼみが次々と開き、株全体では長い期間にわたって花を楽しめます。暑い時期にも元気に咲き続ける、頼もしい庭木です。

韓国では「ムグンファ(無窮花)」の名で古くから親しまれ、国花にもなっています。「無窮」には、いつまでも絶えることなく続くという意味があり、次々と花を咲かせるムクゲの性質によく合った名前です。

ムクゲが属するフヨウ属には、熱帯・亜熱帯地域を中心に約200種があり、華やかな花を咲かせるハイビスカスも同じ仲間です。日本ではフヨウやハマボウなどが見られますが、庭木として特に広く栽培されているのがムクゲです。

南国らしい大きな花を咲かせながら、暑さや多湿環境に強く、さらに比較的寒さにも強く、温帯地域で育てられるのがムクゲの優れたところ。日本や韓国、中国だけでなく、欧米をはじめ世界各地の庭園で親しまれています。

剪定にもよく耐えるため、初めて花木を育てる方にもおすすめです。好みの花色や咲き方を選び、夏の庭に次々と花が開く楽しさを取り入れてみてください。

【基本情報】


学名 Hibiscus syriacus
分類(科名) アオイ科
開花期 7月~9月
高さ 3m~4m
性状 落葉低木
水分 ふつう
耐寒性 強い(-25℃ぐらい)
日照 日向
特記事項 鉢植え・庭植えともに可


【栽培史】


日本には奈良時代に渡来し寺院の庭などに植栽されていましたが、江戸時代に栽培が盛んになり、日本独自の園芸品種が作り出されました。
ヨーロッパには1596年に中国から渡来しました。中国原産種の交雑により「紫盃」(紫色底紅一重)や「雉鳩」(桃紫色一重大輪)などの品種が育成されています。
暑さ・寒さに強い丈夫な花木で、花色が豊富で育てやすいため、今もヨーロッパやアメリカで盛んに育種されています。海外で作られた品種が日本に導入され、大輪で鮮明な花色のもの、バイカラー、斑入葉種で花が良く咲くものなど、多くのバリエーションが楽しめるようになりました。

【見どころ・人気種】


ムクゲの園芸品種は花形により、一重、半八重、八重に大別されます。

一重は花弁の広さで細弁タイプ、中弁タイプ、広弁タイプに分類されます。
細弁タイプは「玉兎」、中弁タイプは「宗旦」、広弁タイプは「日の丸」が代表的です。

半八重咲きはおしべが花弁化したもので、内弁が少ない祇園守タイプ、内弁が多い花笠タイプ、内弁が大きいバラ咲きタイプに分類されます。
祇園守タイプには「赤祇園守」、花笠タイプには「光花笠」、バラ咲きタイプには「スペシオーサス・プレナス」などがあります。

八重咲きはおしべ・めしべともに花弁化したもので、内弁・外弁がともに不規則に並ぶ乱れ咲きタイプ、内弁・外弁がやや規則的に並ぶ菊咲きタイプ、内弁・外弁が短く密について重なり合うポンポン咲きタイプがあります。

乱れ咲きタイプは「小乱」「白乱」、菊咲きタイプは「ビカラー」、ポンポン咲きタイプは「紫玉」が代表種です。



欧米ではイギリスのロデリック・ウッズ博士が育成した「シフォンシリーズ」の品種群が人気です。7月から10月にかけて鮮やかで大きな半八重咲きの花を咲かせます。



フランスのミニエナーセリーが発表した「ファーストエディションズシリーズ」も人気です。中でも、「ハワイ」はもっとも濃い青色の一重咲きで日本でも大変人気となっています。

こうした海外導入品種を国内で多く紹介しているのが、埼玉県の中島園芸さん。
シフォン各種やファーストエディションシリーズのほか、ヨーロッパ各国やアメリカで作られた様々な品種をとりまとめ、接木仕立てで「ローズオブシャロン」シリーズとして生産しています。年々新品種が増え、バラエティ豊富で楽しみの多いシリーズです。




【育て方】


■栽培環境:
日当たりと風通しが良く水はけの良い場所で栽培します。

■植え付け:
真夏と真冬以外はいつでも行えますが、落葉している休眠期が最適期です。
植え穴は深さ20~30㎝ぐらい掘り、ピートモスや腐葉土を土によく混ぜ、根鉢を3分の1ぐらい崩し土とよくなじませるようにして植え付けます。


■鉢植え栽培:
鉢植えの場合は、中深の鉢を使い赤玉土(小粒か中粒)7に鹿沼土(小粒か中粒)3の割合で混合して植え付けます。
生育が旺盛で根詰まりしやすいので毎年植え替えをしましょう。

■水やり:
露地植えの場合は活着したあと水やりは不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥しすぎた場合は潅水しましょう。
鉢植えの場合は土の表面が乾いてきたときにたっぷりと与えます。

■肥料:
露地植えの場合は、元肥として冬に緩効性の有機質肥料を施します。7月~9月ごろ即効性の化成肥料を追肥しましょう。
鉢植えの場合は、植え替え時に元肥としてマグアンプを土にまぜ、7月~9月ごろ発酵油粕の固形肥料を置き肥します。開花期にハイポネックスなどの液肥を10日に1回ぐらい与えるのも効果的です。
3月上旬と開花後の5月下旬~6月上旬に固形の発酵油粕や緩効性の化成肥料を施します。

■整枝・剪定:
剪定は落葉後から春までが適期です。春に芽が伸びはじめてからも可能ですが、遅くても花芽ができる5月中下旬ごろまでに終わらせるようにします。
剪定には強いので垣根など刈り込んで樹形を整えることができます。

■病気害虫:
春から夏にうどんこ病が発生することがあります。殺菌剤を散布して防除しましょう。
4月ごろ新芽にアブラムシや蛾の幼虫がつくことがあります。捕殺するか殺虫剤で駆除しましょう。








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