栽培ガイド

最終更新日:2026/06/02

シラン(紫蘭)


シラン(Bletilla)属は落葉性の多年草で、日本、中国、ベトナム、タイ、ミャンマーに5種が知られ、日本にはシランとアマナランが分布しています。
シラン属の中で栽培されるのは、シラン、アマナラン、黄花ショウハッキュウの3種で、近年は人工交配により交雑種も作られています。
シランは関東以西の本州、四国、九州の草地に自生し、古くから庭植えで栽培され、切り花にも利用されています。

【基本情報】


学名 Bletilla striata
分類(科名) ラン科
開花期 5月~6月
高さ 40㎝~60㎝
性状 多年草
水分 ふつう
耐寒性 強い(-15℃ぐらい)
日照 日向~半日陰
特記事項 鉢植え・庭植えともに可


【栽培史】


中国ではシランを「白及」とよび、根茎から「白及」という生薬をとるために古くから栽培されてきました。
日本では寛文4(1664)年に水野元勝が著した日本最古の園芸書『花壇綱目』に「紫蘭」の名で掲載され、古くから鑑賞用に栽培されてきたことがわかります。
江戸後期になると、文政12(1829)年に水野忠暁が著した『草木錦葉集』に「紫蘭布」という斑入り(縞)の奇品が掲載され、今日も栽培される白花や覆輪の品種についても言及されています。

青花の品種は、1980年代に突然変異の青花個体から選抜された「紫式部」という品種から広まりました。
1980年代後半以降、黄花ショウハッキュウなどとの交雑で、花弁や唇弁の色に変化が生まれ人気が高まっています。

【見どころ・人気種】


ラン科のなかではとくにつくりやすく丈夫な種類です。
庭植えでは草丈が1m近くにもなり、繁殖力も旺盛なので切り花にも最適です。

シランの花色には、紅、桃、白、口紅、青があり、花形には一重と三蝶咲きがあります。

シランと黄花ショウハッキュウの種間交雑は「ブレティラ・ブリガンテス(Bletilla Brigantes)」とよばれ、赤系、桃系、口紅(丹頂)系、黄系、青系など多彩な花色があります。
シランとナリヤランとの交雑種は「ナリヤシラン(Bletundina)」と呼ばれ、「都紅」「都白雪」「都若菜」などの品種があります。
「チャボシラン」はシランとアマナランの交雑で鉢植え向きの小形種です。

【育て方】


■栽培環境:
日当たりと風通しの良い場所を好みます。
鉢植えの場合は、真夏だけ直射日光の当たらない半日陰の涼しい場所に移動させましょう。
寒さには強いですが、冬は鉢が凍らないよう棚下などに移動して土の表面が乾いたら忘れずに水やりをしましょう。
ナリヤシランは寒さに弱いので鉢植えで育てます。霜に当てないようにビニールハウスの中で越冬させましょう。

■用土:赤玉土(小粒)1に硬質鹿沼土(小粒)1の混合など、水はけがよく雑菌のない用土で植え付けます。

■水やり:■植え替え:
10月から3月の休眠期が植え替えの適期です。
生育が旺盛なので鉢植えは1~2年おきに植え替えをしましょう。露地植えの場合も3~4年おきに植え替えと株分けをすると花がつきやすくなります。
掘り上げた株はバルブが3個つながるように割って植え付けます。
鉢植えではバルブの頭が隠れるぐらいの浅植えにします。露地植えの場合はバルブの上に3~5㎝覆土します。

■肥料:
露地植えでは油粕、骨粉、たい肥など有機質の肥料を2~3月ごろに施します。鉢植えではマグアンプなど緩効性の化成肥料を用土に混ぜます。
4月~6月ごろまでハイポネックスなどの液肥を10日に1回ぐらいの間隔で与えるのも効果的です。

■病気害虫:
春ごろ葉と花にアブラムシがつくことがあります。高温多湿の時期にはナメクジも発生するので捕殺します。
7月と10月ごろ葉に橙色の病斑を生じるさび病が発生するので殺菌剤を散布して防除します。

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