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苗の植えつけのコツ

園芸店の店先にいろとりどりの花苗がたくさん並ぶ季節ですね。
プランターや大き目の鉢、ハンギングバスケットなどに、色合いやテクスチャーを考えながら寄せ植えする品種を選ぶのはとても楽しいものです。
今回は寄せ植えの植付けのコツをご紹介。

鉢を用意し、鉢底土を敷いて、緩効性肥料を少し混ぜた培養土を3分の1から2分の1入れます。ビニールポットに入っている花苗をここに植え付けるのですが、まず大切なポイントはポットのまま、鉢の中に並べてレイアウトを決めること。色合いや草丈のバランス、それから、よく見ると苗にもそれまでの生育状況により、植え付けたときにきれいに見える方向がありますので、少しポットを回してみて、位置決めをします。

レイアウトが決まったら一旦ポットは外に出し、背景や中心になるものから順に植え付けます。
ポット苗の枯れた葉は事前に摘み取ってきれいにしておきましょう。
ポットから苗を抜くときは、少しポットを横倒しにして指を鉢底穴に入れてそっと押し出し、もう片方の手で迎えるようにして抜き取ります。茎や葉を上から引っ張ると傷みますので、特に繊細な苗は必ずこうしましょう。

苗を抜いたら根鉢(ポットから抜き取ったままの根についた土)の状態を観察します。白い細かな根が根鉢の周囲にびっしりついていたり、底の部分にとぐろを巻くようになっていたら「根づまり」を起こしています。側面の白い根は指でかきとり、底面は園芸用鋏で数箇所、十文字に切れ目を入れます。こうすると、植え付けてから根がのびのびと育つようになります。
土が固くしまっているものは、ちょうど鉢底穴あたりの位置から根鉢に指を入れて、根の中心部が抱いている土を少しほぐし落とし、新しい培養土が入る場所を作るようにします。

また、根鉢の「肩」に当たる部分の土も少し落とします。ポットは逆台形になっていますので、そのまま植え付けると一番上の周縁部(肩)のところが隣の苗同士でぶつかり、底面の方があいてしまうのです。特に、密に寄せ植えをしたい場合は多めに落として、収まりをよくします。植え付ける際は、1本ずつ丁寧に。まず1本を鉢に入れたら、周囲にしっかりと培養土を入れて根を落ち着かせます。特に根鉢の下の方にもしっかりと土を入れ、指で押しこんで根と密着させておくこと。ここは意外に隙間ができがちで、そのままだと植え付けてから根の生育不足・水不足を起こして弱ることがあるからです。こうして1本を植えたらまた次の1本という具合に、土を入れながら植え付けていきます。

植え込む植物の土からの生え際の高さを揃えることも大切なポイントです。
高さが違うと水枯れや逆に過湿を起こしますので、しっかり高さをチェックしながら植えましょう。

さて、植え付けが完了しました。たっぷり水やりし、しばらく風通しのよい半日陰で養生させます。根がついて茎がぐっと上に伸びてきたらもう大丈夫。
あとは水遣りと咲き終わった花柄つみをこまめに行って、きれいな寄せ植え鉢を楽しみましょう。