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5月のお手入れ~夏に向けて。日差しと乾燥に負けない植物

日当たりの良いお庭がないという方が多い昨今の住宅事情ですが、今月は逆に、日当たりが良すぎて困る…というお宅向けのおすすめ品種のお話です。


日当たりが良すぎて手間がかかる


日当たりの悪いお宅からするとうらやましい限りの気もしますが、日当たりが良すぎるのもまた大変。夏は朝晩水遣りしてもすぐ乾燥してしまうし、強い日差しで葉やけを起こしてしまう植物も多くて、もうガーデニングはあきらめた。そんなお宅もあるようですね。
そんな環境でも、たくさん花が咲き植物が生き生きとしている庭をつくりたい、という方におすすめの植物をご紹介します。




まず、日差しに強いのは、葉が小さいものや細いもので、固め、革質のものが多いのです。(オリーブやローズマリーなど)
逆にやわらかくて大きな葉の品種は強い日差しに弱いですね。(ギボウシなど)
また、葉が肉厚のものは水分をためこめるので、乾燥に強いです。(多肉植物やセダム、花スベリヒユなど)
ざっくりした傾向ですが、以上のような点をひとつの目安として植物を選んでいただくとよいかと思います。



寒さに強い温帯・熱帯系の潅木


熱帯系で寒さに強い、というのは矛盾しているようですが、関東以南の太平洋側なら庭植えのまま冬越しできる程度、それより北なら鉢植えで室内に入れれば冬越しできる程度に耐寒性のある植物、という意味。一定以上の温度があれば、絶え間なく花を咲かせ、暑さにはとても強いので、暑い季節には重宝します。



まずおすすめなのは、小さな花が集まって咲くバーベナのような花序がカラフルで、4月下旬頃から霜が降りる頃までずっと花を咲かせてくれる、ランタナ。
一般的なランタナはランタナ・カマラという葉茎にとげがあるタイプで、庭木にもなる程大きくなりますが、3度以下では枯れることがありますが、コバノランタナは普通のランタナよりもより寒さに強く、ほふく性で茎が細く繊細な印象です。鉢植えや壁面の上から垂らすとすてきです。花色が豊富で、咲き進むにつれて変化する品種や、斑入り葉があるのも魅力です。


ランタナ同様、花色が豊富なアブチロン。春から秋まで本当に絶え間なく花がつきます。冬の間は室内に入れても、明るい場所で室温があれば花を咲かせ続けるほど強健。つる性品種もあります。




熱帯系なのに、日本人好みのしっとりした雰囲気のあるルリマツリは、半つる性で、つり鉢やトレリスに向いています。これも、10度以上なら絶え間なく花が咲きます。きれいなブルーの花があるのも魅力です。


大きな花を春から秋まで切れ目なく咲かせる、エンゼルストランペット。下向きに花をさかせるものと、上向きに花が咲くもの(最近は上向きをダツラと呼びます)の2系統があります。花色が豊富で、八重咲きもあり、香りのよい品種が多いのも魅力です。


小さな朝顔のような花を切れ目なく咲かせ、枝が枝垂れる宿根草のコンボルブルス。細い茎がしなやかで、高さのある場所や寄せ植えにすると美しいです。暑さにはとても強いので、夏は頼れる品種。逆に暗い場所では花が閉じたままになってしまいます。


ほかにもハナスベリヒユ、ゲラニウム、ミクルマスデージー、エリゲロンカルビンスキアヌス、ダリア、マダガスカルジャスミン、ビンカミノールとビンカマジョール、ラナンキュラスゴールドコインなどは、みな暑さと乾燥に強いです。
今年の夏は、砂漠のようなお庭から、一転してお花が咲き乱れる美しいお庭を作るのも夢ではありませんよ。さぁ今からがんばってください。