栽培ガイド

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5月のお手入れ

○5月の庭木と管理

常緑樹にも新しい芽が出て、5月は緑の色がもっともバラエティに富む季節です。春の花はあらかた終わり、新しい葉や芽が出始めます。花の後、剪定やお礼肥えが必要なものもあります。
また、挿し木やとり木ができる季節でもあり、気に入ったものを増やすとよいでしょう。ただ、病虫害の被害も出始める頃でもあり、細心の注意が必要です。


○マツの新芽つみ(みどりつみ)

マツの徒長を防ぎ、葉が密生するように整えて、全体がバランスのよい枝ぶりになるようにする作業です。ろうそくのような新芽が出てきて、まだ葉を広げないうちに行います。新芽は枝先に数本出ます。小さいものは元から折り取り、その他のものを同じ長さに短く整えましょう。丈を伸ばしたくないなら、上の方の枝は新芽を根元からすべて摘みとってしまいます。


○ツツジなどは花後すぐに剪定を

ツツジの仲間やシャクナゲ、ブラシノキなどの剪定をし樹形を整えます。ツツジ類はこれから伸びる枝に花芽がつきます。花が終わったらすぐに切らないと、せっかくの花芽をつんでしまうことになり、来年は花が見られないことになりかねません。


○常緑樹、針葉樹は植え替えできます     

落葉樹はまだ葉が十分に充実していないので、植え替えは秋まで待ちましょう。常緑樹は根と土をよく密着させて根鉢をつくります。根鉢の大きさは根元の幹の太さの2倍ほどの径にします。根が浅いものは扁平な根鉢でよいのですが、まっすぐに深く伸びるタイプは深めに掘りあげましょう。この時、どうしても根を切りますから、その分負担を少なくするために、枝や葉を切り、減らしておかないといけません。切った根はもう一度切り戻し、植えつけ後はたっぷりの水を与えます。
また、元肥は深めに入れて土をかけ、根に触れないようにします。いずれも、これから気温が高くなるので、活着するのに大切なポイント。支柱を立てることも忘れないでください。


○さし木、とり木の季節です    

常緑の針葉樹や広葉樹を増やすのに一番適した季節です。さし木は先月説明しましたので、5月はとり木について…。

アジサイ、クチナシ、ボケ、ユキヤナギ、オウバイなどの枝の下側にナイフで切り傷をつけ、たわめながらこの部分を土の中に埋め込むか、土をかぶせておきます。割った竹などで押さえておくと枝がはねたりしません。こうして放置しておくだけで、この部分から根が出て、1,2ヶ月もすれば切り離すことができるのです。


○病虫害が発生しやすい季節です

ツツジ類にはグンパイムシ、ツバキ科にはチャドクガが発生しやすい季節です。サクラやカキなどにもケムシが発生し出します。とくにチャドクガはかぶれるとたいへんです。葉の裏をよく観察して、見つけ次第、枝ごと切りとって、処分してください。グンパイムシは風通しをよくすることで予防できます。