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4月の果樹のお手入れ

○4月の果樹

多くの果樹、とくにモモ、ナシ、リンゴなどのバラ科の果樹が花を咲かせます。ウメなどの芽かきや、これから咲く果樹の摘蕾の作業、人工受粉の時期です。暖かになるとともに、害虫や病原菌もさかんに活動するようになるので、病虫害は今のうちに防除することが肝心です。
 

○芽かき、摘心、摘蕾     

新芽が動き出す頃になりました。その新芽が適切でないところにあるものは早めに芽をかきとっておきましょう。とくにウメでは芽かきがよい実をならせるのに大切な作業です。新芽が伸びすぎる場合は、芽の先を切り、伸びを調整します(摘心)。モモやリンゴ、かんきつ類の花芽がたくさんつきすぎているようなら、少しつぼみがふくらんできたころに、適当なものを残して取り除きま
しょう(摘蕾)。たとえば、リンゴでは1つの花房に5個つぼみがつくのが普通ですが、中央のつぼみを残して他はつみとります。


○リンゴやナシは人工受粉をしましょう

モモはほとんどが自分の花粉で実を結びますが、リンゴやナシでは、たいていは自分の花粉で実を結びません。そのため、相性がよく花の咲く時期が同じ品種をいくつか混ぜて植えておき、他の品種の花粉を人工的に受粉させる必要があります。花の時期がずれる場合は先に咲いた花の花粉を採り、冷蔵庫で保存しておきます。
人工受粉は3分咲きから満開の間にするのがよく、五分咲きの時と満開の2回、人工受粉すると確実です。一番簡単なのは、その日の朝に開いた花を、他の花に直接くっつける方法ですが、綿棒の先に花粉をつけて他の品種のメシベの柱頭を触れるのが、一般的です。


○4月の管理

置き場所:
鉢植えは十分に日に当たるところへ置きます。 
   
水やり:
鉢土が乾いたらたっぷりと与えます。乾燥に弱いナツミカンなどには原則として1日1回与えます。
庭植えにはとくに必要はありません。
  
肥料:
花の咲いたあとのウメには、緩効性化成肥料か、有機肥料を株の回りにまき、軽くすきこんでおきます。


○病虫害対策

芽が動き出すと、アブラムシが発生します。
けれども、果物にはとくに殺虫剤を使わないようにしたいですね。そのために毎日葉の裏や芽の先などをこまめに点検、観察して、発生に気付いたら手でアブラムシをこすり取ってしまうか、その芽は思いきってかきおとしてしまうことです。万一カイガラムシが見つかったら、これはやっかいですからすぐに歯ブラシなどでこそげ取っておきましょう。害虫退治は早期発見・早期駆除がなにより大切です。