栽培ガイド

9月の観葉植物のお手入れ

1. 9月の観葉植物と管理のポイント

9月は夏と秋、2つの顔があります。上旬は残暑が厳しく、管理は8月の真夏並みですが、秋雨前線が停滞し始める中旬以降になると、気温も日照時間も秋の対応を必要とするようになります。
とくに、熱帯地方を自生地とする種類が多い観葉植物は、生長しなくなってきます。夏の管理のままを続けていると、ちょっとしたミスで取り返しのつかないダメージを与えかねません。
観葉植物には要注意の季節です。

置場所:
日ざしも和らぎ気温も下がってきますから、真夏の太陽をさけていた株は今までよりも明るい場所に替え、できれば太陽に当てて引き締まった株にして寒さを迎えるようにしましょう。遮光していた場合も彼岸には外します。
雨が続くときは、雨のあたらないところに。
気温低下とともに、根が傷みやすく腐ったりしますから。 

水やり:
真夏に比べ植え込み材料の乾きがぐんと遅くなっています。
水やりのまえに土の乾き具合を確認します。
過湿になると、根ぐされしてしまいます。

施 肥:
薄めにしていた液体肥料も規定通りに戻し、10日~14日に1度与えます。
遮光をしたり、日陰においているのはチッソ分を少なく、徒長をしないようにしましょう。


2. 日照についての注意点

管理のポイントにも述べましたが、9月は気候が変化するときで、とくに日照に注意のいる季節です。
観葉植物は葉の美しさを愛でるものですから、日やけが起きないようにしないといけませんが、かといって徒長したひ弱なものでは冬の寒さを乗り越えられません。
夏の間は日陰においたり寒冷紗で遮光をしていたものも、少なくも中旬までにはより明るい場所に移します。
ひなたでも大丈夫な種類で、真夏だからと日陰においていたもの(オリヅルランなど)は、急にひなたに出すと日焼けしますから、曇りの日から徐々に慣らして、日あたりにだすようにしましょう。
中旬には梅雨と似た長雨があります。これが長引くと、陰においているものが日照不足となる場合があります。
この場合も予め明るい日陰に移動しておくことが大切です。 


3. 室内へ取り込む前にしておくこと・いろいろ

10月も半ばになると、室内に取り込まなければならないものもあります。夏の間に戸外で大きく育ったり、根詰まり状態になった鉢もありますから、気温の高い今のうちに植え替えや株分けをして、室内に取り込む準備をしておきましょう。
株分けや植え替えは中旬までに済ますのが無難です。寒くならないうちに十分根を張らせておくためです。

 <整枝、剪定>
大きくなりすぎたり込み合っている不要な枝を切り落とします。
ゴムノキなどは思いきって剪定し、こじんまりとさせておくと、冬越しも楽になります。

 <薬剤散布>
病害虫を室内に持ち込んで他の植物に感染したり蔓延しないよう、屋外に置いているうちに薬剤散布をしておきましょう。
10日おきに2~3回、数種類の薬剤をかけておくと万全です。

<植え替え、株分け>
鉢底から根が出ている場合は、根を切っておきます。
根詰まりしているようなら、一回り大きな鉢に植え替え、室内に取り込む前に根が張るようにします。
ただし、高温を好むクロトンやサンスベリア、アンスリウム、ディフェンバキアなどは春まで待ちます。

<挿し木>
可能ですが、できるだけ早くに済ませておきましょう。
剪定した枝を使います。


4. 台風対策

戸外に置いた鉢は、できれば室内に取り込んだり、台から降ろしてあげます。取り込みが無理な場合は、気象情報から風の向きをよく考え風の当たらないところに移します。
大型のものは鉢を寝かせ、寒冷紗などをかぶせて保護しておきましょう。