栽培ガイド

最終更新日:2025/04/11

アメリカあじさい(アナベル)


アメリカアジサイはアメリカ原産の落葉低木で、正式名称はアメリカノリノキ(Hydrangea arborescens)です。花茎は細く、大きな花房を咲かせ、一般的なアジサイよりも開花期が長いのが特徴。1株でたくさんの花を咲かせ、また格段に耐寒性も強いので、全国的にポピュラーとなっているアジサイです。一般的なアジサイは7月に選定しないと翌年花が咲きませんが、アナベルは新枝咲き(春に新しく伸びた枝の先に花を咲かせる)ので、アジサイに詳しくない方でもきれいな花が楽しめるのもうれしいポイントです。

2024年からPWシュラブとしてシリーズ化された、アナベルのプティ・ミニ・ミディ・グランデの各品種は、下記のような特徴も兼ね備え、さらに魅力が倍増しました!
■初夏から秋にかけて繰り返し咲きます。
■茎が強く倒れにくくなりました。
■耐寒性に優れ、日本全国で冬越し可能です。
■コンパクト品種は鉢植えにもおすすめです。
■切り花やドライフラワーにも利用できます。

分類:アジサイ科アジサイ属の耐寒性落葉樹
学名:Hydrangea arborescens
開花期:初夏~秋
最低温度:約-40℃まで
耐寒性ゾーン:3a~
置き場所:日なた、半日陰
土壌:水はけのよい土 花の色は土質のpHに影響されません。
用途:プランター・鉢植え、地植え

★PWアナベルの品種紹介★

PWアナベルグランデピンク



PVP:NCHA4
樹高:120-150cm
樹幅:120-150cm
花色の変化:ピンク-グリーン
剪定期:落葉休眠期

PWアナベルグランデクリーム(旧名:アナベルジャンボ)



Bronze Medal、 Plantarium 2011 受賞
PVP:Abetwo
樹高:120-150cm
樹幅:120-150cm
花色の変化:ホワイト-グリーン
剪定期:落葉休眠期

PWアナベルミディライム(旧名:ライムのアナベルコンパクト)



PVP:NCHA8
樹高:90-120cm
樹幅:90-120cm
花色の変化:ライムグリーン-グリーンかかった白-グリーン
剪定期:初夏・花後-落葉休眠期

PWアナベルミディピンク(旧名:ピンクのアナベル2)



PVP:NCHA2
樹高:120cm
樹幅:120cm
花色の変化:鮮やかなピンク-やわらかいピンク-グリーン
剪定期:初夏・花後-落葉休眠期

PWアナベルミニモーベット



出願中:NCHA7
樹高:75-90cm
樹幅:75-90cm
花色の変化:ピンク-グリーン
剪定期:初夏・花後-落葉休眠期

PWアナベルミニルビー(旧名:ルビーのアナベル)



Bronze Medal、 Plantarium 2016 受賞
Green Thumb award、 Direct Gardening Association 受賞
PVP:NCHA3
樹高:60-90cm
樹幅:60-90cm
花色の変化:ピンク-グリーン
剪定期:初夏・花後-落葉休眠期

PWアナベルプティガーネット



出願予定品種
樹高:75cm
樹幅:75cm
花色の変化:ピンク-グリーン
剪定期:初夏・花後-落葉休眠期

PWアナベルプティクリーム(旧名:アナベルコンパクト)



2018 Direct Gardening Association Green Thumb award 受賞
PVP:NCHA5
樹高:30-75cm
樹幅:30-75cm
花色の変化:ライムグリーン-薄ピンクか薄みどり
剪定期:初夏・花後-落葉休眠期





日当たり・置き場所


1日中日光がよくあたる場所か、午前中に日光がよくあたり午後は木陰のような日陰になる場所で育てます。
※急に強い直射日光に長時間あてると、環境変化に適応できず花が傷む場合があるので、徐々に慣れさせてから移動します。

  • 初夏の日当たり・置き場所
  • 日光量が十分でない場合には、ピンク系の花色が薄くなることがあります。なるべく日当たりが良い場所で育てます。
  • 真夏の日当たり・置き場所
  • 夜温が15℃程度で最もきれいな発色を魅せます。近年の日本では、夏の夜温のせいで花色が抜けてしまうことがあります。そのため真夏は半日陰で育てた方がいい花色を保つことができます。また、一般的な白いアジサイは直射日光で花色が日焼けしてしまうことがありますが、アナベルは白い花が日焼けする心配はありません
  • 鉢植えの場合
  • 鉢植えの花を室内で鑑賞するのは一週間程度としましょう。ベランダでもお庭でも、鉢は台の上に乗せて風通しをよくしてください。また、真夏の直射日光を避け、それ以外の季節は日当たりのよい場所に置くようにしてください。
  • 地植えの場合
  • 地植えする場合は、半日以上日があたる場所を選びます。日陰は花つきが悪く、株が徒長しやすくなります。但し夏の直射日光は、葉焼けするので、夏場は半日陰となる場所が最適です。


植えつけ


真夏と真冬を除いて周年植えつけ可能です。植えつけ適期以外は根を傷めないように注意してください。

  • 鉢植えの場合
  • 初めは二回り大きな鉢に植えつけ、根が張ってきたら30㎝前後の鉢に植え替えましょう。マグァンプKの中粒(効き目1年)か大粒(効き目2年)を、予め元肥として培養土に混ぜておきます。


水のあげ方


  • 鉢植えの場合
  • 鉢土の表面が乾いたら、たっぷり水をあげてください。目安として春、秋は1日1回。夏は水枯れしないように1日2回程度、最低でも1日1回はあげてください。真夏は特に水切れに注意します。冬は2週間に一回程度、土が乾いていないか確認してください。
  • 地植えの場合
  • 根が張れば特に水をあげる必要はありません。土がかなり乾く場合は水やりをするようにしてください。


施肥


  • 鉢植えの場合
  • 生育期(3月頃新芽が動き出してから開花するまで)や開花期に肥料を与えます。緩効性の置き肥を1カ月に1回程度、液肥(1、000~2、000倍)を1~2週間に1回程度あげてください。生育期にしっかりと肥料をあげると立派な株に成長します。
  • 地植えの場合
  • 植えつけ時に元肥を施します。その後は、1~3月に寒肥えを施し、花が咲き終わった後にお礼肥を与えます。
    1~3月の寒肥(かんごえ)は、翌年の花を立派に咲かせるためのもので、花の成長の決め手となる重要な肥料です。緩効性の有機肥料をあげましょう。
    花後のお礼肥(おれいごえ)は、新芽を生長させるためのものです。


病害虫の予防と対策


基本的には病害虫に強い植物ですが、状況に応じて対策してください。

  • 害虫
  • 植えつけ時に害虫防除のためにオルトラン粒剤等の殺虫剤を撒き、害虫の発生状況により市販のスプレータイプの殺虫剤または粒剤を使用してください。コガネムシの幼虫が根を食害することがあります。
  • 病気
  • 葉がたくさん茂り蒸れると、うどんこ病に感染することがあります。葉が白く粉がついた状態になったらうどんこ病の可能性があります。うどん粉病にかかった葉はすぐに取り除きましょう。また、枝をすきこんで剪定をし風通しをよくしてください。


花がら摘み


二番花や三番花を楽しむには、初夏の花が咲き終わり全体的に花の色が褪せてきた頃に、花茎の2~3節目下~半分ぐらいで切り取ります。45日後くらいには次のつぼみが上がってきて、霜が降りるまで繰り返し花を咲かせます。
アナベルジャンボは返り咲きしにくいです。初夏の花が咲き終わっても、ドライフラワーになるまで花を切り取らずに長く楽しむこともできます。

剪定


新枝咲きのアジサイなので、花の開花が終わり葉が落葉する休眠期に枝を切り戻す剪定をすれば、また翌年初夏に花が開花します。新枝咲きのアジサイはだいたいの剪定時期さえ守れば、剪定位置を気にしなくても毎年開花する剪定が簡単なアジサイです。

全ての葉が枯れたら休眠期の合図です。新芽が動き出す前(3月頃)には休眠期の剪定を終わらせましょう。積雪地方では、雪が積もる前に剪定を終わらせておきましょう。すると、雪によって枝が折れる心配が少なく済みます。

  • 強剪定
  • アメリカあじさいは大きな花を咲かせるので、丈夫な茎の生育を促すためにも休眠期には強剪定することをおすすめします。
    強剪定とは、大きくなり過ぎた株をコンパクトな樹形にするために、株元で切る剪定です。強剪定をする場合は、地表から2~3節で剪定します。強剪定をすると、翌年花数は減りますが強い枝が出て大きな花が咲きます。枯れ枝や細い枝も枝元から切り落としましょう。
    枯れ枝とは、昨年枝が生えて来なかった枝や茶色に変色した枝です。枝芽から枝が分かれて2本生えてきた枝元に、昨年剪定した枝が残っています。その枝を枝元から切り落としましょう。混み合った枝を間引く際には、細すぎる枝を枝元で切り落とすようにしてください。
    強剪定をして冬越しをしたアメリカあじさい(アナベル)は、春になるとたくさんの葉を生い茂らせます。ただ、一般的なシュラブ(低木)は3月頃から芽吹いてくるのに比べて、アメリカあじさい(アナベル)は4月頃から芽吹いてきます。春の生長の始まりがゆっくりなので気長にお待ちください。
  • 弱剪定
  • 弱剪定をすると、翌年花は小さくなりますが花数や枝数は多くなります。最後の花が咲き終わったら、花茎の半分ぐらいで弱剪定しましょう。弱剪定とは、樹形のサイズを保ち枝先を切り取る程度で、剪定によって植物が受けるストレスが少ない剪定です。弱剪定をする際も、枯れた枝や細すぎる枝などの不要な枝を枝元から切り落としてください。


アナベルが倒れてしまったら


ボリュームある花サイズのため、葉や茎が充実するまでは花の重みで茎が倒れてしまうことがあります。地面についてしまうと蒸れて病気にかかる心配があるので、支柱を立てるなどしてください。丈夫な茎なので、枝や茎が倒れることはあっても、折れる心配はありません。二年目以降は、休眠期に強剪定をすればさらに丈夫な茎が生まれます。

アナベルの冬越し


最低温度はー40℃です。日本全国屋外で冬越し可能です。

アナベルの植え替え


  • 鉢植えの場合
  • 生育旺盛な植物なので、鉢植えの場合は2年に一度は植え替えすることをおすすめします。休眠期に二回りほど大きな鉢や地植えに植え替えるようにしてください。
    植え替えは、葉を落とした後の休眠期に行います。関東以西の暖地では、落葉して休眠期に入る11月下旬から翌年の3月頃までが植え替え時期です。寒冷地では、寒さで株が傷まないように、11月下旬から翌年の立春(2月上旬)までに植え替えをするといいでしょう。
    鉢増しすることが難しい場合は、以下の植え替え方法を参考にして来年も同じ鉢サイズでお楽しみください。
  • 地植えの場合
  • 地植えの場合は、植え替えの必要はありません。


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