栽培ガイド

アメリカあじさい(アナベル)



■繰り返し咲くように改良されたアナベルです。
※アナベルジャンボは繰り返し咲きしません
■新枝咲きのため、剪定期を選びません。
※通常のアジサイとは異なり、7月に剪定の必要はありません。
■茎が強く倒れにくくなりました。
■耐寒性に優れ、日本全国で冬越し可能です。
■コンパクト品種は鉢植えにもおすすめです。
■切り花やドライフラワーにも。

分類:アジサイ科アジサイ属
学名:Hydrangea arborescens
開花期:初夏~秋
タイプ:落葉性
最低温度:約-40℃まで
耐寒性ゾーン:3a~
置き場所:日なた、半日陰
土壌:水はけのよい土 花の色は土質のpHに影響されません。
用途:プランター・鉢植え、地植え
剪定期:品種により異なります。
※強剪定をした場合には、強い枝が出て大きな花が咲きます。弱剪定の場合は枝数が多いですが、花が小さくなります。
※栽培環境や植物の状態によっては、実際の花や葉色が異なる場合があります。

●ライムのアナベル


PVP:SMNHALR
樹高:120-150cm
樹幅:120-150cm
剪定期:初夏・花後-落葉休眠期

●アナベルジャンボ


Bronze Medal、 Plantarium 2011 受賞
PVP:Abetwo
樹高:120-150cm
樹幅:120-150cm
花色の変化:ホワイト-グリーン
剪定期:落葉休眠期
●ピンクのアナベル2


PVP:NCHA2
樹高:120cm
樹幅:120cm
花色の変化:鮮やかなピンク-やわらかいピンク-グリーン
剪定期:初夏・花後-落葉休眠期

●アナベルコンパクト


2018 Direct Gardening Association Green Thumb award 受賞
PVP:NCHA5
樹高:30-90cm
樹幅:30-90cm
花色の変化:ホワイト-薄ピンクか薄みどり
剪定期:初夏・花後-落葉休眠期

●ルビーのアナベル


Bronze Medal、 Plantarium 2016 受賞
Green Thumb award、 Direct Gardening Association 受賞
PVP:NCHA3
樹高:90-120cm
樹幅:60-90cm
剪定期:初夏・花後-落葉休眠期

●ライムのアナベルコンパクト


PVP:NCHA8
樹高:90-120cm
樹幅:90-120cm
花色の変化:鮮やかなピンク-やわらかいピンク-グリーン
剪定期:初夏・花後-落葉休眠期




<日当たり・置き場所>
1日中日光がよくあたる場所、もしくは午前中に日光がよくあたり午後は木陰のような日陰になる場所で育ててください。
※急に強い直射日光に長時間あてると、環境変化に適応できず花が傷む場合があるので、徐々に慣れさせてから移動するようにしてください。

・初夏の日当たり・置き場所
日光があたる時間が短かったり、日光量が十分でない場合には、アナベルの花色が薄くなってしまうことがあります。ピンクのアナベル2やピンクのアナベルやルビーのアナベルの発色を濃くするには、なるべく日当たりが良い場所で育てるようにしてください。

・真夏の日当たり・置き場所
夜温が15℃程度で最もきれいな発色を魅せます。近年の日本では、夏の夜温のせいで花色が抜けてしまうことがあります。そのため真夏は半日陰で育てた方がいい花色を保つことができます。また、一般的な白いアジサイは直射日光で花色が日焼けしてしまうことがありますが、アナベルジャンボやアナベルコンパクトは、性質上白い花色が日焼けする心配はありません

・鉢植えの場合
鉢植えで育てる場合、室内で鑑賞を楽しむのは一週間程度を限度としましょう。ベランダでもお庭でも、鉢は台の上に乗せて風通しをよくしてください。また、真夏の直射日光を避けた日当たりのよい場所に置くようにしてください。
・地植えの場合
地植えする場合は、半日以上日があたる場所が望ましい(日陰では花つきが悪く、株が徒長しやすくなります)のですが、夏の直射日光は、葉が日焼けするのでおすすめしません。植えつけてから1年目は特に直射日光に敏感になっているので、気をつけてください。

<アナベルの植えつけ>
真夏と真冬を除いて周年植えつけ可能です。春と秋の植えつけ適期以外は根を傷めないように十分注意してください。

・鉢植えの場合
初めは二回り大きな鉢に植えつけ、根が張ってきたら30㎝前後の鉢に植え替えましょう。マグァンプKの中粒(効き目1年)か大粒(効き目2年)を、予め元肥として培養土に混ぜておきます。

<水のあげ方>

・鉢植えの場合
土の表面が乾いたら、たっぷり水をあげてください。目安として春、秋は1日1回。夏は水枯れしないように1日2回程度、最低でも1日1回はあげてください。真夏は特に水切れに注意します。鉢の土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりとあげてください。 冬は2週間に一回程度、土が乾いていないか確認してください。

・地植えの場合
根が張れば特に水をあげる必要はありませんが、植えつけてから2年程度は土が乾いていたら水やりをするようにしてください。植えつけてから2年以上経っている場合は、夏に土が乾いているようであれば適宜水をあげてください。

<肥料のやり方>
・鉢植えの場合
鉢植えの培養土の量には限りがあるので、生育期(3月頃新芽が動き出してから開花するまで)や開花期には肥料をあげるようにしてください。緩効性の置き肥を1カ月に1回程度、液肥(1、000~2、000倍)を1~2週間に1回程度あげてください。生育期にしっかりと肥料をあげると立派な株に成長します。

・地植えの場合
アメリカあじさい(アナベル)は、植えつけ時に元肥を施し、年2回1~3月と花が咲き終わった後に肥料をあげてください。
1~3月にあげる寒肥(かんごえ)は、翌年の花を立派に咲かせるためのもので花の成長の決め手となる重要な肥料です。寒肥(かんごえ)には、緩効性の有機肥料をあげましょう。
花が咲き終わった後にあげるお礼肥(おれいごえ)は、新芽を生長させるためのものです。


<病害虫の予防と対策>
アメリカあじさい(アナベル)は、病害虫に強い植物です。

・害虫
植えつけ時に害虫防除のためにオルトラン粒剤等の殺虫剤を撒き、害虫の発生状況により市販のスプレータイプの殺虫剤または粒剤を使用してください。コガネムシの幼虫が根を食害することがあります。

・病気
葉がたくさん茂り蒸れると、うどんこ病に感染することがあります。葉が白く粉がついているような状態になったらうどんこ病の可能性があります。うどん粉病にかかった葉はすぐに取り除きましょう。また、枝をすきこんで剪定をし風通しをよくしてください。

<花がら摘み>
二番花や三番花を楽しむには、初夏の花が咲き終わり全体的に花の色が褪せてきた頃に、花茎の2~3節目下~半分ぐらいで切り取りましょう。すると45日後くらいには次のつぼみが上がってきて、霜が降りるまで繰り返し花を咲かせます。
アナベルジャンボは返り咲きしにくいです。初夏の花が咲き終わっても、ドライフラワーになるまで花を切り取らずに長く楽しむこともできます。

<剪定>
新枝咲きのアジサイなので、花の開花が終わり葉が落葉する休眠期に枝を切り戻す剪定をすれば、また翌年初夏に花が開花します。新枝咲きのアジサイはだいたいの剪定時期さえ守れば、剪定位置を気にしなくても毎年開花する剪定が簡単なアジサイです。

全ての葉が枯れたら休眠期の合図です。新芽が動き出す前(3月頃)には休眠期の剪定を終わらせましょう。積雪地方では、雪が積もる前に剪定を終わらせておきましょう。すると、雪によって枝が折れる心配が少なく済みます。

・強剪定
アメリカあじさいは大きな花を咲かせるので、丈夫な茎の生育を促すためにも休眠期には強剪定することをおすすめします。
強剪定とは、大きくなり過ぎた株をコンパクトな樹形にするために、株元で切る剪定です。強剪定をする場合は、地表から2~3節で剪定します。強剪定をすると、翌年花数は減りますが強い枝が出て大きな花が咲きます。枯れ枝や細い枝も枝元から切り落としましょう。
枯れ枝とは、昨年枝が生えて来なかった枝や茶色に変色した枝です。枝芽から枝が分かれて2本生えてきた枝元に、昨年剪定した枝が残っています。その枝を枝元から切り落としましょう。混み合った枝を間引く際には、細すぎる枝を枝元で切り落とすようにしてください。
強剪定をして冬越しをしたアメリカあじさい(アナベル)は、春になるとたくさんの葉を生い茂らせます。ただ、一般的なシュラブ(低木)は3月頃から芽吹いてくるのに比べて、アメリカあじさい(アナベル)は4月頃から芽吹いてきます。春の生長の始まりがゆっくりなので気長にお待ちください。

・弱剪定
弱剪定をすると、翌年花は小さくなりますが花数や枝数は多くなります。最後の花が咲き終わったら、花茎の半分ぐらいで弱剪定しましょう。弱剪定とは、樹形のサイズを保ち枝先を切り取る程度で、剪定によって植物が受けるストレスが少ない剪定です。弱剪定をする際も、枯れた枝や細すぎる枝などの不要な枝を枝元から切り落としてください。


<アナベルが