栽培ガイド

霜よけ(防寒)


毎年きれいな花を咲かせる宿根草や、秋に植え付けた草花・花木の苗は、来年たくさんの花を楽しむために、上手に冬越しをさせましょう。冬越しに欠かせないのが霜よけですね。半耐寒性の品種は霜にあたると地上部が枯れてしまうものが多いです。耐寒性の強い品種でも苗のうちは寒さに弱い場合がありますし、霜柱が立つと根が引き抜かれたり、凍結したりする場合もあり、枯れや傷みの原因になりますから、十分手当てをしておきましょう。

霜よけの基本は植物の根元を保温材で覆うことです。マルチングとも言います。耐寒性のある植物ならほとんどこれで十分。敷き藁をする、ビニールで覆う、などが一般的ですが、ほかにもバークや落ち葉を敷くのも効果的で、美観の面でもおすすめです。
お庭や街路樹の落ち葉を今のうちにかき集めておいて、植物の株元に少なくとも厚さ5センチ以上、たっぷり敷いておきましょう。
寒さの厳しい場所、寒さに弱い植物には株全体にカバーをかぶせます。木枠にガラスのカバーがついたフレームを使うと効果的に植物を守ることができますので、特に寒い場所には最適です。ほかにも透明プラスチックの半球形のカバーも市販されています。手作りなら、支柱を植物の周囲に立てて、ビニールで囲ってもいいですね。いずれにしろ、あまりぴったりさせると蒸れてしまいますので、日光とある程度の通風を妨げない形にしましょう。

ちょっと意外ですが、単にかごをかぶせるだけでも十分霜よけになります。
欧米の園芸書などに登場する「クロッシュ」がそれで、竹製の半球状のかごですが、通気性があり、雨も通り、鳥害も防ぐことができる、という優れものです。
網目になっていても霜は中に通りません。厳寒地ではこれだけで防寒するのは無理ですが、見た目も美しく、フロントガーデンにはおすすめです。
かごや網目状のものなら何でも同様に利用できますよ。
さらに、植物の北側に葉のついた笹の枝を斜めにさしかける方法もあります。
前にお借りしていた畑のおばあちゃんに教えてもらったのですが、これだけで、霜にあたればあっという間に枯れてしまう春菊が冬中元気に育ちました。
もっと寒い場所では植物の北側に戸板をななめに立ててありました。美観はちょっと、よくないんですが、北風と霜を防ぎ日あたりを確保できるので、これはたいへん効果的です。

冬の初めや春が近づくと、暖かい日が続いている、と思っても突然冷え込むことがありますね。
霜よけ、防寒は早めにしておきましょう。

春は八重桜が散るまでは「遅い霜」がある可能性があるので注意します。