栽培ガイド

8月の観葉植物のお手入れ

8月の観葉植物と管理

だいたいが暑い地方が原産の観葉植物ですが、熱帯産のでさえ、日本の夏は暑すぎます。少しでもいいから涼しく過ごせるよう工夫しましょう。
かといって、冷房があまりよくないのは人間も同じです。
冷風が直接当たったり乾燥しないよう、気配りを。
でも、どうも株のまわりに打ち水する、葉水をうつ、という昔ながらの涼のとり方が、植物にはよいようです。
とにかく、人間ともども、夏ばてしないようにしましょう。 

置き場:
風通しのよい、昼まではともかく西日のあたらない場所が最適。
少し調子の悪そうな株は、日当たりを好むものでも、30%程度は遮光したほうが無難です。
万一風通しが悪い場所なら、さらに50%くらい遮光しておきましょう。
地面やコンクリートの床にはじかに置かないように。
夕方には床に散水して周辺の温度を下げ、湿度を高くしてあげるといいでしょう。 

水やり:
パキラ、ユッカ、アナナス、ペペロミアなど除くと、大体が湿り気味にしたいものです。
朝、水を与えたのに夕方には乾いているような場合は、朝夕2回の水やりにしますが、鉢皿には水をためないように。根ぐされにつながります。
うっかりしてカラカラにしてしまったら、バケツの水の中に鉢をドボンと浸けてしまって吸水させます。    

肥 料:
生育中ですので、10日から2週間に1度、液肥を水の代わりに与えますが、間違っても濃度をこくしないように。植物だってこの時期消化不良気味なのです。
ただ、夏ばてしている株に肥料は根を傷める原因になります。新芽が動いているようなら施肥してOK。
こういうふうに株ごとに対処するのが大切です。
ゴールドクレストなどコニファーは施肥はお休みです。


○オリヅルランの子株分け

オリヅルランは株元からランナーを出し、その先端や途中に子株をつけます。そのたれ下がった様の涼しげなこと。
この子株の葉が7、8枚以上であれば切り離して、小さい鉢に植えてかんたんに増やすことができます。この時期は生長が早いので鉢は大きめにしておく方がいいですね。
10月にもなれば、十分鑑賞に値するすがた形になります。
オリヅルランは直射に耐えますが、夏の間は日陰のほうが葉の色が美しく、乾燥で葉先が枯れるということもありません。
それ以外の季節は日に当てて充実した株にするとステキです。 


○カボック(シェフレラ)のとり木

観葉植物は夏の間なら挿し木、とリ木でかんたんに増やせるのがうれしいですね。なかでも、始めから鑑賞にたえる形で増やせるのがとり木。元の木だってそのまま鑑賞できます。
シェフレラで一度試してみませんか。
新しく鉢あげしたときにかっこうのいい枝に、ナイフで斜め上に向けて茎の太さの1/3~1/2程度の切れ込みを入れ、切り口に湿ったミズゴケを少々はさみこみます。さらに、ミズゴケで周囲をつつみ込み卵~握りこぶしくらいにして上からビニールでつつみます。下はしっかりとしばり、上は
少しゆるめにしばって、上のビニールのすき間から水をやります。枝が折れないよう、添え木か支柱をしておくと安心。
そのあとは、ミズゴケが乾かないように水をやります。
今の季節なら、もう10月には鉢上げすることほどになります。


○カイガラムシに注意

7月にはハダニ注意報を出しましたが、8月はカイガラムシと参りましょう。どうしても体力の劣るころに害虫がのさばるようになりがちですが、カイガラムシは、目に見えるようになる今時分には成虫がからを被ってしまい、薬剤では退治することができません。
やっかいなことに、すす病などを誘発するのでぜひ根治したいものです。手で触りたくなくても、歯ブラシなどでていねいにこそげ落としましょう。そのあと、オルトラン(アセフェート)水和剤を散布しておきます。鉢植えなら粒剤を株元にまいておいてもかまいません。