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最終更新日:2024/05/24

8月の庭木のお手入れ

8月の庭木と管理


夏の盛り人間が汗をいっぱいかくように、植物も強い日差しを浴びてどんどん水分を蒸散させます。庭植えでも水切れに注意してましょう。
ことに、根の浅いツツジの仲間や、地表の乾燥を嫌うアジサイ、ボタン、ボケなどは日照りが続くと立ち枯れしかねません。
株元のマルティングも大切です。ツツジ類は乾燥するとハダニ、グンバイムシが発生しやすいので、その予防にも水を十分に。

水やり:
水やりは必ず朝夕に。日中にやると葉やけを起こすことがあります。
夕方、シャワーのように水をかけて温度を下げてやることもいいですね。ただし、このときは半端にしないこと。半端にすると、かえってむれてしまいますから。
施 肥:
花が咲きつづけているサルスベリやムクゲにはチッソ、リン酸、カリ同比率の化成肥料を少し施しましょう。
肥料切れすると花つきがわるくなったり、花が咲きにくくなります。

刈りこみで、密できれいな生垣を


紡垂型や丸、四角と、仕立てあげた生垣などが、新芽が伸びて形が乱れてしまっていませんか。
新しく伸びた枝葉を刈り込んで形を整えましょう。
針葉樹の生垣などは刈り込みの回数を増やすほど、密にしあげられます。
針葉樹を刈り込むのにハサミを使うと、枯れ込むことがありますから、ことに、カーブした形の場合は指先でつまむようにするのがいちばんです。
カイズカイブキの生垣でスギのような葉が出てきたら、勢いがよすぎるからで、少し根を切っておきましょう。

切らないで! 花芽がもうできてます


新梢の伸びが一段落する今の季節になると、もう来年の花芽の準備完了、という花木があります。コブシや、ハクモクレン、ミズキ、レンギョウ、サンシュユなど、早春を飾る花々です。
サクラ、ウメ、モモ、カイドウなどは7月中旬から8月にかけ花芽の分化を始めます。
ですからこの時期に不用意に剪定をすると、来年の花が見られなくなることもあるわけです。

花芽のつき方には大別2種類あって、枝の先端に花芽のつく、ツツジやモクレンのようなものと、葉柄の付け根につくウメ、モモ、ミズキ、レンギョウのようなものがあります。
前者は今、枝を切ると、来年は花がなくなってしまいます。

ただし、アジサイなど枝の腋芽から開花枝が出るものは、今、徒長した枝先を切り詰めると、充実した花芽ができます。

移植は避けて、できるだけ静かに


ジッとしていても汗の噴出すこの季節、庭木もひたすら耐えています。日差しがきつい今の時期はそっとしておくに限ります。
モッコクやキョウチクトウ、クスノキなどの暖地性のものは、移植や植えつけもできなくはありませんが、避ける方が無難。
鉢植えのクチナシが根づまりを起こしているようなら、暑さが峠を越す下旬にでも植え替えするとよいでしょう。

病害虫の防除


サクラの仲間に大きな被害をもたらす、コスカシバの羽化が最盛期になります。樹の皮の割れ目などに卵を産み付けます。
かえった幼虫はそこから樹の中に入り込み、食害するのです。
入りこんだ場所から出るふんや分泌された樹脂を取り除いてスミチオン乳剤などを注入し、やっつけましょう。
成虫の予防には枝や幹にサッチューコートS剤などの溶液を塗っておきます。

針葉樹の葉を食害するモモノメイガの成虫が現れる季節です。
果樹にも被害を及ぼします。ツバキ類のチャドクガと同様、スミチオン乳剤やディプテレックス乳剤などで駆除します。

ツツジ類にはツツジグンパイムシが現れます。これもスミチオン乳剤が有効です。