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最終更新日:2026/09/07

冬の庭を彩る ミニシクラメン・ガーデンシクラメンの魅力と育て方


ミニシクラメンは、一般的なシクラメンよりも花や株がコンパクトなタイプで、鉢植えや寄せ植えなどで楽しみやすいのが特徴です。秋から春にかけて長く花を咲かせ、赤やピンク、白、紫、複色など、花色も豊富にそろいます。

ガーデンシクラメンは、ミニシクラメンの中でも比較的寒さに強く、屋外で楽しみやすいタイプです。冬の花壇や寄せ植えに取り入れやすく、寒い時期にも鮮やかな花を楽しめることから、冬のガーデニングに欠かせない植物のひとつとなっています。近年は品種改良が進み、花色や花形のバリエーションも増えています。

シクラメンは地中海沿岸を原産とする植物で、現在流通している園芸シクラメンの多くは、シクラメン・ペルシカム(Cyclamen persicum)をもとに改良されたものです。室内で楽しむ鉢花だけでなく、屋外で育てやすいミニシクラメンやガーデンシクラメンも多く登場し、さまざまな場所で楽しめるようになっています。


【基本情報】


学名 Cyclamen
分類(科名) サクラソウ科
開花期 10月~5月
高さ 10㎝~20㎝
性状 球根
水分 ふつう(夏は少なめ)
耐寒性 強い(-2℃ぐらい) ※通常のシクラメンは5℃ぐらい
日照 ひなた(夏は半日陰)
特記事項 鉢植え向き(露地植えも可能)



【栽培史】


シクラメンは、19世紀後半からヨーロッパやアメリカで本格的に品種改良が進み、花色や花形が少しずつ豊富になっていきました。日本では明治時代に導入され、昭和に入ると栽培が広がり、戦後には温室栽培の発達とともに冬を代表する鉢花として定着していきました。日本では当初、赤系の品種が中心でしたが、1950年代以降は海外からさまざまな品種が導入され、1970年代にはパステル系の花色も広く普及しました。F1品種の利用も進み、花がそろいやすく、生育のよい品種が増えていきました。

一方で、よりコンパクトで扱いやすいミニシクラメンも発達しました。1950年代にはオランダで小型のシクラメンが作出され、その後、屋外で楽しめる耐寒性のあるタイプの育種も進められました。1991年には、オランダのバート・カイヤー氏が耐病性に優れ、屋外栽培にも適したF1ミニシクラメン「ミニメイト」シリーズを発表。日本ではこれをもとにしたミニシクラメンが「ガーデンシクラメン」として1996年に販売され、冬の花壇や寄せ植えで楽しむスタイルが広がっていきました。

現在では、ミニシクラメンやガーデンシクラメンにもさまざまな花色・花形の品種が登場し、従来の鉢花だけでなく、花壇や寄せ植えなど、冬の屋外を彩る植物としても親しまれています。


【魅力・人気種】


ガーデンシクラメンは、ミニシクラメンを中心に、花色や花形、葉の色や模様など、さまざまなタイプがあります。定番の赤やピンク、白だけでなく、ワインレッドや紫、複色など個性的な花色も多く、寄せ植えや花壇の雰囲気に合わせて選べるのも魅力です。

「イリュージア」は、上向きに咲くユニークな花姿が特徴のミニシクラメン。花弁の中心部分が盛り上がった個性的な花形で、次々と花を咲かせ、株を華やかに彩ります。2023年にはジャパンフラワーセレクションのフラワー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。

「タキシード」は、シルバーリーフに濃いワインレッドの花を咲かせるミニシクラメン。気温が低くなると花色がより濃くなり、シックな雰囲気を楽しめます。

「ドラゴン」は、青色系の花が特徴的なミニシクラメン。ディープブルーとライトブルーがあり、従来のシクラメンには少なかった青系の花色が魅力です。

「ヴァンパイア」は、濃い紫色の花を咲かせるミニシクラメン。気温が低くなるとさらに深みのある色合いになり、落ち着いた寄せ植えにもよく合います。

「ゴブレット」は、白とワインレッドのコントラストが美しいミニシクラメン。丸みを帯びた花弁が外側にカールする、個性的な花形が特徴です。

また、近年は大輪系のガーデンシクラメンも登場しています。「カーニバル」「フュージョン」「友禅」などがあり、ミニタイプとはまた違った存在感のある花姿や、鮮やかな複色・グラデーションの花色を楽しめます。



【育て方】


●栽培環境


冬のあいだは、霜・雪・雨・寒風が直接あたらない、日当たりのよい場所で育てます。最低気温が5℃ぐらいあれば花が咲き続けます。日中の最高気温は15℃ぐらいが理想です。温室や暖房の効いた室内など、日中の最高気温が20℃以上になる場所では、草姿が乱れたり、花が長もちしにくくなります。
ガーデンシクラメンは比較的寒さに強いですが、寒冷地では凍結や強い寒風を避け、必要に応じて防寒しましょう。

夏は休眠するため、鉢植えの場合は雨の当たらない棚下などで水を控えて球根だけの状態で夏越しさせる方法があります。葉を残して夏越しする場合は、直射日光の当たらない涼しい場所で管理します。

●用土


赤玉土(小粒)6に、腐葉土または硬質鹿沼土(小粒)4の割合で混ぜるなど、水はけのよい用土を使用します。

●水やり


土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えます。多湿を嫌うため、水のやりすぎには注意しましょう。水やりの際は、球根に直接水をかけないようにします。夏の休眠期間中は水やりを控え、月に2回程度、軽く与えるようにします。

●植え付け・植え替え


秋が植え付け・植え替えの適期です。球根の上部が土から少し出るように、浅めに植え付けます。

●肥料


鉢植えの場合は、植え付け時にマグアンプなどの緩効性化成肥料を用土に混ぜます。開花中は、ハイポネックスなどの液体肥料を10日に1回程度の間隔で与えるのも効果的です。

●病気・害虫


ハダニがつくと、株の中心部分の葉が萎縮したり、葉の色が白っぽく脱色したりします。発生した場合は、適用のある殺ダニ剤などで対処しましょう。
株の中心が蒸れたり、枯れた葉や咲き終わった花を放置したりすると、灰色かび病が発生しやすくなります。枯葉や咲きがらはこまめに取り除き、株を清潔に保ちましょう。