栽培ガイド

ベランダ・ガーデニング(1)

マンションのベランダで園芸を楽しんでいらっしゃる方も多いですよね。
春から始められる演出のコツを連載でご紹介します。

まずはベランダの特性を把握して。
東・南・西向きのベランダはほぼ1年中日当たりもよく、壁面の輻射熱で結構暖かいものです。雨がかからないので花もちがよくなります。園芸には適した環境といえます。草花は庭植えよりも早く開花し、たくさん花をつけます。
反面、高層マンションではビル風が強い場合もあり、下の階にも吹き降ろします。こうした場所では植物を保護する風除けが必要です。
また乾燥しがちなため、うどんこ病やアブラムシ、ハダニが発生しやすいので、こまめに防除する必要もあります。
ベランダの床面は冬の凍結、夏の照り返しと寒暖の差が激しいので、鉢を置く場合はなるべく底面を直接つけないようにしましょう。

品種選びですが、今回はいちばんポピュラーな草丈の低い草花について。絶え間なく花を咲かせたい場合は、花期の長いものを選びましょう。ベランダ向きの品種を挙げてみます。
冬~晩春に開花:
パンジー、クリサンセマム、プリムラ、ポインセチア
初夏~秋に開花:
ペチュニア、ゼラニウム、インパチェンス、ニコチアナ(タバコ)、コリウス、マリーゴールド

みな「定番」的な花ですが、どれも4~5ヶ月は花が咲き続けるので便利です。

ただ毎日眺める場所ですから、ずっと同じ花では飽きてしまいます。花期の長いもの1~2種に、開花は短くてもきれいなものや、多花性のものを蕾のついたポット苗で購入して組み合わると、新鮮なベランダガーデンなります。これなら、これまで試したことのない品種や新種にも気軽にチャレンジできますよね。花期の長いベースの品種と一緒に植えこみ、花が終わったものだけ入れ替えるようにしましょう。

飾り方ですが、草花をプランターに植えこんで手すりにかけることが多いと思います。上記のような定番草花は上方向に伸びて花を咲かせるものが多く、リビングに座って眺めたときに、目線の高さでは花がよく見えなくて、プランターの側面とホルダーばかり目立つ…という状態になりがちです。高い場所に飾るものには、トレーリング(垂れ下がる)タイプのペチュニアやバーベナ、ネメシア、スケボラなどを縁に植えこんで容器を隠すときれいですよ。