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落葉樹の剪定 道具の使い分け

2月は落葉樹の移植や剪定の適期です。
樹形を大きく決めるような強い剪定もできますので、思い切って形を整えるにはよい季節。また、ふところ枝や混み合ったところなどをすっきりさせるのも、葉のないこの季節に行っておくといいですよ。今回は剪定の道具の使い分けをご紹介します。

○太い枝を切る場合
はさみでは切れない太い枝はのこぎりを使います。
といっても、木材を切る大きなのこぎりではなくて、剪定専用のものを使いましょう。小ぶりで片刃、刃の部分が細く、枝の込み合う場所にも差し込みやすくできています。
柄も握りやすく工夫されており、操作しやすいのでおすすめです。
切り方ですが、太い枝をいきなり切ると、切っている途中で枝の重みがかかり、枝が裂けてしまうことがあります。ちょっと手間ですが2回に分けて切るのがコツ。
まず、枝の下から、のこぎりで3分の1くらい切り目を入れます。次に少し離れた上から同じように3分の1くらい切り目を入れ、枝を折り取ります。これで枝の重みがかからなくなりますので、それからもう一度残った枝にこぎりを入れて切り口をきれいに切りなおします。また、太い枝を切ったあとは必ず切り口癒合剤を塗って枝を保護しましょう。

○細い枝を切る場合
剪定バサミを使います。いろいろなタイプのものがありますが、女性用には軽いものが腕に負担がかからず、使いやすいと思います。
残す芽の1cmくらい上を平らに切るようにします。はさみを切る枝にかけたら、枝の先端の方をぐっと下に押し下げると簡単に切ることができます。
細い枝を切って形を整える場合や、コニファーなどの葉先を傷めず枝だけ切る場合(コニファー類は葉を切ると葉先が茶色く変色するものが多いのです)は、刃が細長く先端のとがった花ばさみが便利です。

○生垣などの刈り込み
美しい面を作るには、刈り込みばさみを使います。でもこれが大変。広い面や大きな樹木を刈り込むのはとても腕が疲れるんですよね。翌日は二の腕が筋肉痛でイタタ…なんてことにもなりかねません。
利き腕の反対の腕を脇につけて固定し、利き腕だけを動かして刈り込むと、長時間作業してもあまり疲れません。
刈り込みばさみや剪定バサミには左利き用の製品も販売されていますので、利き手にあわせた道具を使いましょう。
また、鉢植えのトピアリーなど小さなものを美しく刈り込むには、柄の長い刈り込みばさみは不向き。小型のトリミングはさみが便利です。


○高い枝を切る
高木など手が届かない枝の剪定には高枝切り鋏を使います。いろいろなタイプがありますが、長いポールを手で支えて切るので、なるべく軽くて使いやすさの工夫のあるものがよいでしょう。充電式のものは力が要らず、太い枝も軽く切ることができます。

刃物は使用後のお手入れが大切です。プロの庭師さんは使用の都度砥石で研ぐそうですが、家庭ではなかなかできないですよね。
剪定後、刃には樹液がついていますので、少なくとも固く絞ったふきんでよくふき取り、完全に乾かしてからケースに収納します。
はさみを砥石で研ぐのも刃物やさんにお願いしたほうが無難。下手にやると、かえって切れ味を悪くしてしまいます。
のこぎりは昔と違い、目立てなどもしませんので、ほとんどの製品が使い捨てか替え刃式となっています。 

刈り取った枝の処分も、結構量が出るもので大変なのですが、家庭用粉砕機があれば、腐葉土や堆肥作りにリサイクルできます。