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心地よい庭をつくろう~bySOYプラン越智さん~

いよいよ中心となるの庭のプランです。
庭は、住む人にとって「気持がいい庭」が一番だと思います。
自分流の「気持いい」を家族みんなで考えてみてください。
といっても人の想いは千差万別です。
土地の形、土壌の性質やゾーニング、動線に合ったプランを考えて、等々よく書かれていますが、なかなかピンとこないと思います。
そこで、具体的な例を見ていきましょう。

A邸は南側に庭があり、奥行き2.5m、東西に長く12m位の広さです。
ダイニング、リビング、和室が南に面していますが、前の家の陰になり日当たりがよくありません。A邸からは、前の家の台所のゴミを包んだビニール袋、室外機が2台見えています。
そして作動している室外機からは風がでます。
20年前、造園屋さんがたった1日で作った庭で、ほとんど外へ出る気がしなかったそうです。カシやツゲ、キャラなどの常緑樹を一列に植え、その足下に花の咲かないツツジが一列に植えてありました。
暗くて湿っぽい庭でした。北川の玄関から西側の狭い通路を通って南側の庭まで、風情のない飛び石が置かれていました。
楽しい庭ではありませんでした。
日陰の庭の場合、どうしても暗い感じになるので、「暗い」を「しっとり、落ち着いた」感じに変えれば、素敵な庭になります。
狭いので花壇やテラスなどの構造物を作らず、玄関の横から石の小径を南側の庭まで作り、和室、リビング、ダイニングの前を通り、さらに奥へつながるように作って行きました。
カーブあり、高低差ありの小径の両側に既存のアラカシやツゲに混ぜて日陰を好む落葉樹のエゴノキ、ヒメシャラ、クロモジ、甘茶などを植えていくと、花などは地味ですが、四季の変化の感じられるしっとりとした雑木の中を歩いているような気分になります。
その足下に、カキドオシ、ユキノシタ、ヤブラン、フッキソウ、アカシダなどのシダ類といった下草、ギボウシ、トキワイカリソウ、ニオイスミレ、エビネラン、アスチルベ、シュウカイドウ、クリスマスローズなどの草花類を植えたところ、ほんのりと明るい日陰の庭になりました。

たった一本の小道を作るだけで、変化に富んだ楽しい庭になりますから、ぜひ取り入れてみてくださいね。