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5月の果樹のお手入れ

○五月の果樹と素の管理
                                                           花の終わったウメやモモ、ナシ、リンゴなどは小さな実をつけています。たくさんの実をならせると1つ1つが美味しく大きい実にはなりません。よい実をならせるために、ほどよい数に調整する摘果をする季節です。
これから花を咲かせるカキやキウイフルーツはつぼみの数を調整します。
ブドウも同様に房の大きさを調整(房づくり)しましょう。
4月に引き続き、ウメは芽かきをしてください。
 
                                                           
○ブドウの枝の誘引、房づくり、ジベレリン処理
  
枝の誘引:ブドウは葉に十分日が当たらないと実がおいしくなりません。つるをうまく誘導し、どの葉にもたっぷり日が当たるようにします。つるの伸びる4月末から9月初めまで、この作業は欠かせません。
1年目は自由に伸びるままにして、ところどころ止めてやります。
2年目以降は棚やフェンスへ枝どうしが重なったりしないように誘引して枝を止め、ひげを切ります。芽を傷めないように、留める位置に注意しましょう。

房づくり:
たねなしにするジベレリン処置をしやすくするためにも行います。花が咲き始めた頃、房の先端1cmほどを切り落とし、枝に近い方の根もとの花穂を取り除いて、もとの3分の一ほどの長さに整えます。

ジベレリン処置:
花が満開の頃とその10日~2週間後の2回行います。
1回目はたねをなくし、2回目は実を大きくする効果があります。房づくりした房を、コップに入れた適当な濃度のジベレリン液に浸すだけですが、品種で回数や時期、濃度が異なりますので、注意しましょう。
処理後すぐに雨が降ったら効果がなくなるので、めんどうですがもう1度やりなおしてください。ジベレリン液は園芸店で手に入ります。

                                                         
○キウイフルーツの摘蕾、人工受粉、新梢の誘引

つぼみの数を調整するのは雌株の花だけです。雌株の花(雌花)が咲く前に、枝の根元や枝の先端の花をつみとっておきましょう(摘蕾)。

人工受粉:
雌花が3分咲きから満開にかけて、雌しべの先端が光っているころに花粉の出ている雄花をとって、雌しべ(柱頭は放射状に広がっている)に直接くっつけて受粉を助けます。

新梢の誘引:
キウイフルーツはとても元気でどんどん新しい枝が伸びます。葉が茂りすぎ、棚の下が暗くなるとおいしい実がならないので、棚に水平になるよう枝を誘引をするとともに、整理をする必要があります。
株元から出てきた芽(台芽)、まっすぐ上に伸びだした枝は、元から切り捨てます。伸び出したらすぐに切ってしまいましょう。ブドウと違って枝がふとくて固いので、むりをすると折れます。軽く誘引してしばらくしてから、もう1度誘引しなおしましょう。

                                                         
○カキの摘蕾、人工受粉

カキは同じ木に咲く雌雄異花です。雄花は小さいので区別がつきます。
雄花はそのままにして、1枝に1,2個の雌花を咲かせるように、雌花を取り除きます(摘蕾)。カキは一般的にはそのままでも受粉しますが、富有、次郎など品種により雌花しか咲かないものがありますし、実つきをよくするために人工受粉をするとよいでしょう。
方法は簡単で、雄花をとって雌花にくっつけるだけですが、雄花の咲かない品種では、雄花をつける他品種と混植しておくといいでしょう。                                  

○ウメ、アンズ、ナシ、モモなどの摘果
 
種類や品種で、時期や残す実の数が違いますが、花が咲いてから1ヶ月ほど後、基本的には小さい実、形の悪いもの、病虫害にかかっているもの、日が当たりにくいところの実をとりのぞき、1ヶ所に1個だけ残します。
個数については、例えばリンゴのように葉30~40枚に1つ、というふうに、葉の数と実の数のバランスを取るようにします。