栽培ガイド

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9月の果樹のお手入れ

1. 9月の果樹と管理のポイント

いよいよ味覚の秋、実りの秋がやってきます。
この1年の努力が実るのです。
かんきつ類ではスダチやカボスは熟していませんが、調味料として収獲利用できます。ちょうど脂の乗ったサンマが出回る時期です。
相性抜群の味を楽しみましょう。
 
水やり:
カリン、キウイ、ナシには多めを心がけ、これから甘味ののるウンシュウミカンなどはむしろ乾燥気味にする方が甘くなります。

施 肥:
収穫後のお礼肥えが必要なものがあります(別項参照) 


2. 収穫期を迎えて

夏の暑さが一段落して秋の風が感じられるころになると、果樹の多くが収穫期を迎えます。既に8月から収穫期を迎えているものもあります。十分に熟させてから収穫しますが、熟した後は早めに収穫するようにしましょう。 
また、りんごは収穫の1ヶ月前くらいに、色をつけるためかぶせていた袋を取りはずします。このとき急にはずすのではなく、1日目に袋を破り、3、4日たって日になれてから完全に袋を取り除きます。
果実に張りついた葉を取り除いたり、日陰のところは日がよく当たるようにしてあげると、美しく色がつきます。


3. 収穫後のお礼肥え

モモやアンズ、ウメ、ビワ、グミ、ユスラウメ、早めに収穫の終わったブドウ、ナシなどは、9月中旬頃に肥料を施します。
果実をつけ、体力消耗した木に元気を取り戻すためです。
肥料はチッソ分の多い速効性の化成肥料で、分量は年間の施肥量の二割程度が目安です。

 
4. イチジクにも肥料を

収穫を迎えるイチジクには、有機質の肥料を株のまわりにすき込んであげましょう。勢いのいい木ですから、肥料がかかせません。


5. 秋枝の剪定

かんきつ類やビワはこの時期に剪定します。
かんきつ類は前年、あるいは前々年の春に伸びた枝に花芽がついて実がなります。8月から9月にかけて幹や大きな枝から伸び出した枝は、そのまま伸ばさずに9月の中旬に先端を切り詰めて、来春に枝を出させるようにするのです。 
ビワは数年ごとに枝を更新します。植えつけた翌年は、主な枝を2本残して他の枝は切り取ります。数年、実をならせた枝は、次の主枝の勢いのよい新しい枝の上で切り詰めしょう。


6. 芽つぎ
1本の木に何種類かの品種をならせたいときや、枝を補いたいときには、接ぎ木をするのが一般的です。その方法として初心者にも簡単にできるのが、芽つぎです。
8月下旬から9月中旬頃までが適期で、ウメ、サクランボ、モモ、アンズ、ナシ、リンゴ、かんきつ類、ビワなど多くの果樹でできます。
まず、よく切れる刃で芽を葉柄とともに斜めに切り込んで、4cmほど幹から切り取り穂木にします。このとき芽から下を少し長めに。
この形に合わせて接ぐ台木に3cmほど斜めに切り込みを入れ、上部を5㎜ほど落としてポケットのようにし、穂木をさし込みテープをまいて2週間ほど置いておきます。5㎜ほどの葉柄はテープから出しておきます。
テープを外して芽が緑色をしていたら成功です。


7. 病害虫の防除

カキ、キウイ、ウンシュウミカンなどではカメムシがやってくる季節です。夕方に飛来しますから除虫菊乳剤の500倍液などを散布して防除します。
かんきつ類にはミカンハダニが増殖しやすい時期です。小さな木なら水で洗い流すなどしてできるだけ薬剤を使わないでおきたいですね。
9月の長雨の時期にはブドウにベト病、かんきつ類やナシには黒点病が発生しやすいので、ダニコール水和剤の1、000倍液などを散布して防除しましょう。