栽培ガイド

最終更新日:2026/11/06

冬の庭に、咲きつなぐ彩りサザンカの育て方


花の少なくなる秋から冬、つややかな緑の葉の間に、赤やピンク、白の花を咲かせるサザンカ。童謡「たきび」にも登場する、日本の暮らしになじみ深い花木です。
江戸時代初期から園芸品種の創出が始まり、現在流通するサザンカの園芸品種は数百種といわれます。一重の素朴な花から、八重・千重咲きの華やかな花まで品種が豊富。庭木や生け垣はもちろん、鉢植えでも楽しめます。咲く時期の異なる品種を組み合わせれば、秋から春先まで彩りをつなぐこともできます。

サザンカの基本情報


科・属 ツバキ科ツバキ属
学名 Camellia sasanqua
タイプ 常緑低木~小高木
原産地 日本
開花期 10~4月ごろ。品種や地域によって異なります
樹高 庭植えで2~5m程度。品種や剪定によって異なります
置き場所 日なた~明るい半日陰
用土 弱酸性で、水はけと水もちのよい土
用途 庭木、生け垣、鉢植え
※栽培時期は、関東以西の平地を目安としています。

サザンカとツバキの違い


一般に、ツバキは花がまとまって落ちるのに対し、サザンカは花びらが一枚ずつ散ります。葉はツバキより小さめのものが多く、縁の細かなギザギザや、若い枝・葉柄などの毛も見分ける手がかりです。
ただし、交雑由来の園芸品種には中間的な特徴を持つものもあり、散り方や葉だけで区別できないことがあります。

咲く時期と花姿で選ぶ、3つの品種群


サザンカの園芸品種は、大きく「サザンカ群」「カンツバキ群」「ハルサザンカ群」に分けられます。開花期は重なりますが、花姿や樹形にもそれぞれ特徴があります。
サザンカ群――秋の庭に、軽やかな花を
開花の目安:10~12月ごろ
野生のサザンカに近い性質を持ち、一重や半八重を中心に、軽やかな花を咲かせます。枝が立ち上がる品種が多く、秋から花を楽しみたい方に向きます。
・七福神 濃い桃色の半八重咲き。大輪で存在感があります
・丁字車 雄しべの一部が小さな花びら状になる、個性的な唐子咲き
・明石潟 白地に淡い紅色がぼかし状に入る、一重咲きの大輪
カンツバキ群――冬を彩る、華やかな重ね咲き
開花の目安:11~3月ごろ。秋から咲く早咲き品種もあります
「獅子頭」をもとに発達した品種群で、八重・千重咲きなど、花びらの重なりが華やかです。横に広がる品種のほか、上に伸びる品種もあります。
・富士の峰 清楚な白花の千重咲き。重なり合う花びらが美しい中輪品種
・朝倉 淡い紅色のつぼみから、白を基調とした八重~獅子咲きの花が開きます
・獅子頭 濃いピンクの八重咲き。低く横に広がりやすい品種
・勘次郎 紅~濃桃色の八重咲き。上に伸びやすく、生け垣にも利用されます
ハルサザンカ群――冬から春へ、花をつなぐ
開花の目安:12~4月ごろ。品種や地域によっては11月から
サザンカとツバキの自然交雑に由来すると考えられる品種群です。花形が豊富で、花がまとまって落ちるなど、ツバキに近い特徴を示すものもあります。
・笑顔 濃い桃色の大輪八重咲き。華やかな花と立ち性の樹形が特徴
・鎌倉絞り 赤い花に白い斑が入る、一重咲きの小輪。趣のある絞り模様を楽しめます

苗が届いたら


箱から取り出し、鉢土が乾いていればたっぷり水を与えます。明るい戸外で管理し、暖房の効いた室内に長く置かないようにしましょう。
冬に入手した苗は、根鉢の凍結や強い寒風を避けます。寒さの厳しい地域では、春まで鉢のまま管理してから植え付けると安心です。つぼみつきの株は、水切れに気をつけてください。
植える場所・置き場所
日当たりと風通しのよい場所を好みます。明るい半日陰でも育ちますが、暗すぎると花数が少なくなります。強い寒風が直接吹きつける場所は避けましょう。
鉢植えは、夏の強い西日や冬の寒風を避けられる場所に置くと管理しやすくなります。寒冷地では、地域での栽培実績や品種の耐寒性も確認してください。kincho-engei.co.jp
植え付けと用土
植え付けは3~4月ごろ、または9~10月ごろが目安です。寒冷地では春植えをおすすめします。
弱酸性で、水はけと水もちのよい土を好みます。庭植えは、掘り上げた土に腐葉土などを2~3割混ぜ、深植えにならないように植え付けます。水がたまる場所では、周囲より少し高く植えましょう。
鉢植えは、ひと回り大きな鉢と、ツバキ・サザンカ用などの弱酸性の培養土を使うと手軽です。植え付け後はたっぷり水を与えます。
水やり
庭植え
根付くまでは土の乾きに注意して水を与えます。十分に根付いた後は降雨を基本とし、夏の日照りが続くときなどに補います。
鉢植え
土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。受け皿の水は捨て、冬も断水しないでください。特に夏や、つぼみがふくらむ時期の水切れに注意します。
肥料
庭植えは2~3月ごろ、寒肥として緩効性肥料や十分に発酵した有機質肥料を施します。花後の株の状態や肥料の効く期間に応じて、春にお礼肥を与えましょう。
鉢植えは、春の生育期を中心に花木用の緩効性肥料を表示量に従って施します。必要に応じて初秋にも補いますが、与えすぎは避けます。肥料入り培養土を使っている場合は、追肥の重複にも注意してください。
剪定――毎年花を楽しむための大切なポイント
剪定は、花後から春の3~4月ごろを中心に行います。秋から冬に咲き終わる品種は、厳寒期の強剪定を避け、春を待って整えてもよいでしょう。春まで咲く品種は、花が終わり次第、早めに済ませます。
枯れ枝、内側に伸びる枝、交差した枝、混み合う枝を間引き、株の内部に光と風を通します。長く伸びた枝は、葉や脇枝を残して切り戻しましょう。
サザンカは、春に伸びた枝に初夏~夏ごろ花芽をつくります。**夏から秋に全体を刈り込むと、花芽を切り落としてしまいます。**花を楽しむ生け垣も、刈り込みは春に行い、夏以降は伸びすぎた枝を必要最小限に整える程度にします。
鉢植えの植え替え
鉢底から根が多く出る、水がしみ込みにくい、乾きが極端に早いなど、根詰まりの兆候があれば植え替えます。目安は2~3年に1回、春の3~4月ごろです。
根鉢の外側を軽くほぐし、傷んだ根を取り除いて、ひと回り大きな鉢に植えます。植え替え後は強風や強い日差しを避けて養生しましょう。
病害虫の予防
特に注意したいのはチャドクガです。春~初夏と夏~秋を中心に葉裏を確認し、幼虫の集団や食害を早めに見つけましょう。
幼虫だけでなく、抜け殻や死骸に残る毒針毛でも皮膚炎が起こります。素手で触れたり、枝を不用意に揺すったりせず、発生が多い場合は専門業者に相談してください。目黒区
カイガラムシやアブラムシ、もち病などにも注意し、混み合う枝を整理して風通しを保ちます。薬剤を使用する場合は、対象植物・病害虫への適用を確認し、ラベルの使用方法を守りましょう。

花が咲かないときは


次の点を見直してみましょう。
- 剪定の時期:夏以降に枝先を刈り込んでいませんか。
- 日当たり:周囲の木や建物で暗くなっていませんか。
- 水管理:夏やつぼみの生育期に、極端な水切れを起こしていませんか。
- 根の状態:鉢の根詰まりや、過湿による根傷みはありませんか。
- 肥料:窒素分の多い肥料を与えすぎていませんか。
花がらや落ちた花びらはこまめに片付け、春に枝を整えたら、夏以降は花芽を大切に育てましょう。

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