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心地よい庭をつくろう~SOYぷらん越智さん~

前回から、あっという間に年が明けてしまいました。新年も例年より寒いように感じますね。
さて、皆さんの自宅の庭や家周りのチェックはできましたでしょうか。今回は、自宅の顔となる玄関周りについて考えます。

道行く人がふと足を止めたくなるような庭。尋ねてきた人が玄関で、ほっとするような、住む人の人柄がにじみ出る庭にしたいものです。
最近の住宅は道に面してブロック塀やフェンス、門扉があり、そこからすぐに玄関があり、その周りしか土の部分がない、という場合が多くなってきました。南側や東側にも庭があればとてもうらやましい環境です。

門扉から玄関周りは、ただの入口ではなく、庭としての機能も持つことになるので、よく考えてつくることをお薦めします。門扉から玄関まで一直線に見えるように作らないで、門扉と玄関の位置をすこしずらしてつくるとか、フェンスと同じならびに門扉を作らず、すこし奥に引っ込めて作るか、道路に対して、斜めか直角に、角度をつけて作るとか、ちょっとしたことで雰囲気がでます。後でやり直すのは大変な労力と無駄な費用がかかるので、新しく作られる時は、慎重に計画してください。

既にブロック塀やフェンス、門扉が道路と平行にできていて、味気ないなあ、と思うときは、ブロック塀なら、コンクリート釘を打ち付けてつるを誘引し、テイカカズラ、ムベ、スイカズラ、ヤマホロシなどのつる植物を絡ませ、緑のカーテンにします。または手入れが面倒ですが、昔ながらのツゲなどの生垣ではなく、シックなピンクの花の咲くベニバナトキワマンサク、かろやかな明るい緑のプリペット(寒い地方には向きませんが)、夏の暑さにも強い針葉樹レイランドヒノキなどの生垣もきれいです。

生垣の場合、一直線がシンプルでいいのですが、高さを変えて凸凹の生垣にすると、また違った雰囲気が出ます。あくまでも建物とのバランスを考えてプランしてください。

古くなった門扉が塀と一直線で平面的な場合、思い切って門扉に角柱を使ったパーゴラ(藤棚のようなもの)を作り、そこにつる植物を絡ませると、門周りが立体的になります。曲線のアーチですと、雰囲気が偏りますが、直線で作ったパーゴラは和風にも洋風にもなり、とても合わせやすいです。

このように、既存の塀や門扉も、ほんの小さな気配りで、立体的な、奥行き感のある庭の演出をすることができます。古いからとか、もう作ってしまったから
といってあきらめないで、いろいろ工夫してみませんか。