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使用済みの土の再生

冬枯れの季節は、土の再生や来年に向けての土つくりの適期です。植物が枯れた鉢植えの土を再生してみませんか?

一度使った鉢土は、排水性・保水性が悪くなっています。また、植物の健全な生育に必要はミネラルなどの微量要素も少なくなっていますので、そのままでは次の植物を植えられません。無理に使い回すと、次に植えたものに病気が出たりうまく生育しなくなってしまうこともあります。翌春にすぐ植え付けできるよう再生させておきましょう。

まず古い土が入っている鉢を軒下など雨のかからない場所にとりこみ、土をよく乾燥させます。からからに乾いたらビニールシートなどの上に鉢の土をあけ、固まりを崩して古い植物の根や葉などを取り除きます。次に、土を黒いビニール袋などに入れて密閉し、太陽光の下に2週間ほど晒して殺菌します。あるいは、古くなったフライパンや鉄板に土を乗せ、火にかけて「焼き土」をする、または沸騰したお湯をまんべんなくかけて殺菌する、という手早い方法もあります。
最後に、10mmくらいのます目の土ふるいにかけ、鉢底土を分けます。
ふるいにかけると古土の粒を空気に晒して好気性菌の活動が活発になるという効果もあります。
最後に、ふるい落とされた土と同量の新しい培養土を混ぜれば再生完了です。
ふるい分けられた鉢底土も、ざるなどに入れて流水でよく洗い、太陽光に晒して殺菌・乾燥させればまた利用できます。

土替えや土の再生はしたいのだけれど、今植えてある植物を動かせない、という場合は、応急措置として一部の土だけを入れ替える方法があります。鉢土の上層部は植物が根を張る大切な場所、また成長した植物の根は鉢の縁に向かって伸びるのでで、この部分だけでも入れ替えてあげると、植物が生長するスペースができます。また土の表面には、化成肥料などの残滓が浮き出してくるので、これを掬い取る効果もあります。
鉢土の表面と、鉢の縁の部分の土を割り箸などで突き崩し、やわらかくほぐします。ハンドショベルなどを使ってほぐした土をかきとり、かわりに新しい培養土を足してやります。

露地植えの植物も、長く同じ場所に植えられていると樹勢が衰えてきたり、元気がない状態になることがありますが、これも土が古くなり団粒構造がくずれて、固くしまってしまったために根が成長できず起こる場合が多いのです。庭土も再生すればこうした状態を改善することができます。
株のまわりに数箇所穴を掘り、たい肥や腐葉土を混ぜ込みます。
なるべく根の先端の成長点に近いところがよいので、樹木であれば枝先から真下に下りた場所を目安に行います。

また用土類のメーカーからさまざまな「土の再生剤」が販売されていますが、こうしたものを利用するのも手軽です。
古土に混ぜ込んだり、植物が植えてある土にそのままかけるだけで再生ができる便利なものもあります。