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2月のお手入れ~狭いスペースの活用ヒント、「おいしいミニガーデン」の作り方

春に向けて、種や苗が続々と新入荷してくると、ワクワクしてきますよね。でも、年々増えていく植物達を横目で見ながら思案される方も少なくないのでは?今月は狭いスペースの活用ヒントと、「おいしいミニガーデン」の作り方をご紹介します。


狭いスペースの活用ヒント



そろそろ春に植える品種を選ぶ時期ですね。小さな庭やプランターしかないのに、育てたいものがいっぱい、どうしよう…という方も多いのでは。そこで狭いスペースの活用ヒント。


まず寄せ植え。上手に植物を選べば沢山の品種を植え込むことができます。コツは、草丈・草姿の異なるものを選ぶこと。たとえば草花の鉢植えなら、後ろに草丈が高く上に伸びるもの、真ん中はこんもりとした形をつくるもの、そして前にトレーリング(垂れ下がる)タイプの3種を組み合わせるといいでしょう。



また、植え込む際に、根の深さを少しずつずらすと密植できます。ただし、根の成長するスペースも考えて、余裕を持って配置してください。


狭い庭や壁際にはつる性の植物がおすすめ。根元は小さいまま、上に成長するので、ボリュームが出ます。
フェンス、支柱やトレリスを使い、好みの方向に誘引できます。つる性の植物を何種類か取り合わせるのも面白い方法。クレマチス、パッションフラワー、ヒルガオ、スィートピーなど、花の形や色が異なるものを組み合わせると、壁面がフラワーアレンジメントのように美しく演出できます。



おいしいミニガーデン ~春から始めよう!~


夕食の準備をしていて、「あ、シソがない!」「ワケギがあればもっとおいしそうなのに」などという経験ってありますね。
そんなときに便利なのが、自分で育てる「おいしいミニガーデン」。味のポイントになる香りのお野菜やハーブなど、小さめで場所をとらないものをとりまぜて植えておくと重宝します。



植える入れ物と場所選び


「おいしいミニガーデン」のポイントは、使いたいときにすぐに使える場所にあることです。幸運にも広いお庭をお持ちの方は、なるべくお勝手口やキッチンから近い場所を選びましょう。マンションにお住まいの方も、キッチンの近くで手をのばしやすい場所が便利です。もちろんベランダやテラスの一角でOK。


位置を決めたら、次は入れ物選び。植物が元気いっぱい育つように、できるだけ土がたくさん入る大きめの鉢やプランターを選びます。ぜひおすすめしたいのが、「おいしいミニガーデン」専用の大きな入れ物選び。まるごと有機培養土、肥料などを使って育てます。いろんな植物を混植させるのも楽しいですよ。ミニミニ畑の気分を味わえます。



土の準備


ベランダで育てる方は、いろいろな種類の土をそろえてブレンドするのはちょっと大変ですよね。そんなとき、手軽な市販の有機培養土を使うと便利です。

庭の一角でミニガーデンを始める方は、土づくりをしておきます。ふかふかの土になるようにしっかり耕し、石ころや雑草、古い根などを取り除きます。そして完熟堆肥をたっぷり、油かすや牛ふん、鶏ふんなどの有機肥料を少し入れてよくすきこみます。おいしい健康な野菜は健康な土から生まれます。できるだけ有機質のものを使って自然に近い状態で育てたいものです。

そしてもうひとつ必要なのが酸度の調節です。雨の多い日本はどうしても土が酸性になります。そして野菜たちは酸性ぎらいが多いのです。元気に機嫌よく育つように、苦土石灰などの石灰分をすきこみます。土全体にパラパラ程度。鉢植えの場合は、直径20センチぐらいの鉢でひとつかみほど。多すぎると土がかたくなるので要注意。

用土、肥料、石灰を混ぜたら少しねかし、よくなじませてから植え付けます。植え込む2週間ほど前にはすませておくのが目安です。

種まき


自分で種まきした苗はひょろひょろで心細いから苦手という方、きっといらっしゃると思います。そういう方は、育苗グッズを利用してみましょう。ジフィーピートバンやルーツポットなら種まきして発芽した芽を間引いて、ポットごと移植ができるので根を傷つける心配もないので安心です。
小さめの鉢やビニールポットなどに種まき用の土を入れてまくのもOK。この場合は、発芽した芽を間引きながらしっかりした苗をいくつか育て、根を傷つけないよう気をつけて移植します。



ジフィーピートバンやルーツポットに種まき用の土を入れ、霧吹きなどで用土を湿らせます。手持ちの小さめの浅鉢や、お店で購入した苗が入っていたビニールポットを洗って保存しておけば、それも使えます。
発芽するまでの種たちはちょっと湿っぽいぐらいの湿度が好みなので、乾いた場所にじかおきすると乾きすぎてしまいます。


種をまく深さは、それぞれの種袋をよく読んで。小さい種は、ハガキぐらいの大きさの紙を半分に折って折り目をつけ、種の袋の中身をあけて、トントンとやさしく手をあてながら少しずつまくか、スパイスなどが入っていた小びんを使うとよいです。


品種によって、好光のものとそうでないものがあります。これは、発芽に光が必要かそうでないかという意味。好光性のものにはラップをかけ、そうでないものには湿らせた新聞紙や黒いビニールシートなどをかけます。

好光性の種類かどうかは、種の袋に書いてあります。特に記述のないときには、湿らせた新聞紙でよいでしょう。


種をまいたら、水やりは底面潅水か、霧吹きでやさしく。じょうろで元気よく水やりすると、種が流れてしまいます。