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6月の草花のお手入れ

○6月の草花と管理のポイント

梅雨に入ると、5月から6月にかけてのさわやかな気候のもとでどんどん生育した草花は、一転、高温多湿と日照不足の悪条件に悩まされることになります。また、しげりすぎて姿が乱れるものも出てきますし、おおいかぶさって他の植物に被害を与えることもあります。
環境の悪化で病虫害が発生しやすくなり、また、雑草がはびこる季節ですので気を抜くことができません。

とにかく、風通しをよくし、多湿にならずドロはねを防ぐことが大切です。鉢植えなら雨に当たらない場所に移しましょう。
花がらに灰色カビ病が発生しやすいので、花がらや古い葉はこまめにとり除いてください。夏の花壇がうまくいくかどうかは、梅雨の間の管理や作業で決まるのです。
梅雨が終わらないうちにしなければならない仕事はたくさんありますから、雨の合間を縫って効率的に作業を進めましょう。  

水やり:
雨が降っているからと水やりを忘れていると、気温が高く生育もさかんですから、ひょっ と太陽が顔を出したりすると水切れになりかねません。逆に、スイートピーやイソトマ、ベゴニア、ブルーデージー、シャコバサボテンなど多湿を嫌うものは、土が乾かないうちに水やりをすると、根腐れなど病害にかかりやすくなります。鉢植えではよく観察して十分に表土が乾いてから水をやることを心がけてください。

肥 料:
日照不足はカリ分で補い、チッソ分はひかえめにします。チッソ分が多いと徒長したり病虫害が起こりやすくなります。花の終わったマーガレット、ミヤコワスレ、クジャクサボテン、プリムラマラコイデスなどには肥料は施しません。花が咲いているものには10日に1回、液肥を水代わりに与えます。


○アサガオなど、春にまいた1年草の植えつけ

アサガオ、センニチコウ、ホウセンカなど、春にまいた1年草を定植しましょう。

アサガオは本葉が5、6枚になったところで定植したり鉢あげしますが、支柱をたてないで育てるなら、6枚出たところで本葉を5枚残して摘心します。やがて腋芽がでたら、下の2本を残して上の方の芽をかきとり、さらにその2本の枝から葉が3枚出たところでもう1度摘心します。その子づるから芽が出ます。その芽、つまり孫づるに花を咲かせます。この花芽を2つにしてもう1度摘心すると、大輪が楽しめます。

また、宿根ルピナス、セイヨウオダマキなどタネまきは6月上旬が適期です。


○夏花壇の植えつけ     

上旬のうちに、夏から秋にかけ長期間咲く花を選んで植えつけましょう。6月になれば熱帯性の草花を植えつけても大丈夫です。ジニアやマリーゴールド、ニチニチソウ、ハナスベリヒユ、ニコチアナなど、夏の暑さに強いものがいいでしょう。

草花だけでなく、カラーリーフプランツを合わせて植えるとステキです。花の色と葉の色をコーディネートすると一層引き立ちます。たとえば、ブロンズ系は白やピンク、青の花をひきたてます。
シルバー系はどの色とも調和しやすく、上品な雰囲気になります。イエロー系や斑入りは全体を明るくしますが、それだけで目立つので、鮮やかな色の花とは合いにくいようです。ブロンズ系を間に入れて、縁飾りのようにすると、互いに引き立ちます。


○摘心、切りもどし、枝葉の整理    

ポットマムは新芽の先端部分を摘心して、枝数を増やします。

早めに植えつけたコリウス、インパチェンス、ペチュニア、サルビア、へメロカリスなど、枝や葉がしげりすぎたものはありませんか。秋咲きやこれから先も次々と花を咲かせていくものは、早めに思いきって切りもどし、株の形を整えます。

大きくなりすぎて倒れそうなものには支柱を添えてやります。しげりすぎてほかの草花に迷惑をかけそうなものは、生育に影響がでない程度に枝や葉を整理してやります。
このようにすると、風通しがよくなって病虫害の予防にもなるのです。


○さし芽
 
切りもどしたインパチェンス、コリウス、ペチュニアなどは切りもどしのついでにさし芽して増やしてみましょう。赤玉土やバーミキュライトなどにさして、普通に水をやるだけで、湿度の高い6月は発根しますから、かんたん。1度チャレンジしてみてください。インパチェンスはさし穂を作るとき、咲いている花は取り除きますが、つぼみはそのままでかまいません。葉は上から3~4枚は残して他は落としておきましょう。 


○除草とマルティング

5月に植えつけた草花はまだそれほど大きくなっていないので、株の間があいていることでしょう。雑草はそういうところに入り込んできます。早めに抜いてしまうことですが、あいている場所に腐葉土などをしいてマルティングをしておくと、雑草を生えにくくするだけでなく、雨や水やりによるドロはねを防いで病気を予防できるので、1石2鳥です。


○病虫害の防除

梅雨は病虫害がいちばん心配な季節です。なるだけ、薬剤は使わないようにしたいものですが、いろいろ手を打っているのに、病虫害が発生してしまったら…。

①おかしい、と思ったら、病虫害がなんであるかを特定します。それぞれに合った薬剤を使わないと効果がないからです。ウイルスによるものなら、あきらめて処分ということもあります。病虫害の本を用意しておき、症状や特徴と付き合わせてみましょう。

②病気別防除法
・うどんこ病、斑点のできる病気:
病気にかかった葉を処分します。ベノミル水和剤などを散布し、肥料を控えます。 

・灰色カビ病:
TPN水和剤などを散布します。葉や花に直接水をかけないようにし、風通しをよくします。

・白さび病 :
発病した葉を取り除き、ビテルタノール水和剤などを散布します。しげりすぎた枝葉をすかします。       

・軟腐病 :
これは上3種のカビによるのと違って細菌感染です。病気にかかった株を周辺の土と一緒に抜き去ります。他の株に感染させないよう注意しましょう。          

・モザイク病:
ウイルスによる病気です。アブラムシなどが媒介します。病気にかかった株はすぐ抜きとって処分しましょう。ハサミやナイフなども火で消毒してください。

③害虫駆除法
害虫を寄せつけないため、光を反射するシートで株元をマルティングすると効果的です。

・アブラムシ:
月1回はオルトランなどのアセフェート粒剤を株元にまきます。

・オンシツコナジラミ:
月1回はオルトランなどアセフェート粒剤を株元にまいておき、発生したらブプロフェジン水和剤などを散布します。