栽培ガイド

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3月の庭木のお手入れ

○春の花が咲き始めます

ジンチョウゲの香りが漂い出すと、春がそこまで来たことを実感しますね。
この他、春先に咲く花木には、コブシ、ハクモクレン、マンサク、ツバキ、ウメ、ロウバイ、ユキヤナギ、レンギョウ、ボケなどがあります。
この時期の花を見て、これから自宅の庭に植える花木を選ぶのもよい方法ですから、花木の多い公園などにでかけてみましょう。


○植付け、植替え

3月中旬までが、落葉花木の植付けの適期、鉢植えは植え替えの適期です。
家庭で植え付けられるのは樹高2m程度まで。それ以外はプロに頼むほうが無難です。
まず元気な病虫害のないよい苗を選ぶことです。
根が乾いているものや新芽が傷んでいるものは避けましょう。

移植する場合は、落葉樹は根鉢を作る必要はありません。大きめに掘り上げます。
常緑広葉樹や針葉樹の場合は根鉢を作ります。

植え穴の大きさは幅、深さとも根鉢の1.5~2倍程度。掘り上げた土に腐葉土や堆肥を混ぜておきます。
苗木の付け根部分が地面から少し出るくらいに高さ調節をして、調整した土を戻します。水をたっぷりと注ぎ、土がどろどろになるようにします(水ぎめ)。
土が落ち着いたら土寄せをして踏み固めます。しっかり活着するまで、苗木がぐらつかないように支柱を掛けておきましょう。 
丸太や竹を幹に3方向から斜めに少しづつずらしながら掛ける「八つ掛け」が一般的です。
株元を腐葉土などでマルチしておきましょう。乾燥や雨による土の流出や雑草が生えるのを防止します。
コデマリ、ユキヤナギ、ヤマブキ、アジサイなどは何本も出ている幹を短めに切ってから堀り上げます。株が大きいものは株分けも可能です。

移植の難しいのは落葉樹ではモクレン、コブシ、フジなどです。これらは根を切らないように注意します。
タケやササは根鉢を乾かさないこと。根が乾くと活着が難しくなります。


○常緑樹も植え替えの季節です     

暖かくなってきたので、カシやツバキ、シャクナゲ、ツツジ、クチナシ、アオキ、ヤツデなどの常緑広葉樹、ヒノキなどの針葉樹を植え替えてもよい時期になりました。芽吹きの最中の落葉樹は、植え替えは避けましょう。
常緑樹は根鉢をつくってから植え替えないといけないので、準備が必要。この時、どうしても根を切りますから、その分負担を少なくするために、枝や葉を剪定して減らしてやらないといけません。切った根はもう一度切り戻し、植えつけ後はたっぷりの水を与えます。
また、元肥は深めに入れて土をかけ、根に触れないようにします。いずれも、これから気温が高くなるので、活着するのに大切なポイント。支柱を立てることも忘れないでください。


○剪定

暖かくなったら常緑樹の剪定を。花芽がすでに出来ているものは最小限にします。
これから伸びる枝に花芽の付くキンモクセイ、キョウチクトウは、枝が込んでいたり樹冠が大きくなりすぎていたら、今のうちに剪定します。
落葉花木は多くがすでに花芽が出来ています。剪定は最小限に止めましょう。

サルスベリの剪定
サルスベリは今年伸びる枝に花が咲きます。
寒さに弱いので他の落葉花木より遅く、3月上~中旬が剪定の適期です。
前年伸びた枝の枝元まで思いきり短く切り戻します。
3、4年切り戻しを重ねて太い枝の先がコブ状になったものは、太い枝も切り詰めてコブを取り除きます。


○熱帯性の花木はまだまだ室内に

肥料は必要ありませんし、鉢土が乾いたら水やりをするだけでよいのですが、ジャスミンなどの低温性のものはそろそろ生育を始めるものがあります。生育し始めたら、室内の日当たりに置いて十分日光に当て、水を十分に与えましょう。

新芽が伸び出し葉が開いてきたら、薄い液肥を水代わりに与えます。
伸び出したばかりの枝葉にはアブラムシが発生しやすいので、見つけ次第捕殺しましょう。
ポインセチアの赤い苞葉に緑色が混ざってきたら、下葉2、3枚を残し枝を切り戻し、草姿を整えておきましょう。