栽培ガイド

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7月の庭木のお手入れ

○7月の庭木と管理

7月は梅雨明けの前と後では天候が大きく変化します。常緑樹や針葉樹の移植をするのなら、初旬のうちに終わらせましょう。落葉樹についてはこれから8月にかけてが一番移植の難しい時期です。
梅雨が終わると、新しい枝の生長も一段落。風通しをよくしたり、光がまんべんなく当たるように、剪定します。

施肥:
花木にはお礼肥えを与えます。鶏ふんやカリ、リン酸分の多い有機肥料がいいでしょう。もちろん、化成肥料でも構いません。
ナツツバキにはチッソ、リン酸、カリが同じ比率の化成肥料が適しています。 

水やり:
梅雨が明けてからは、それまでよく雨が降っていたのに、急に降らなくなって水分バランスが悪くなりますから、庭木にも水やりします。水やりは必ず朝夕に行い、日中は控えましょう。


○常緑樹広葉樹、針葉樹の剪定、刈りこみ

通風、採光のための剪定
この時期は新梢が大きく伸び、一回り大きくなったように見えるほど。
しげりすぎると光が届かなくなって、樹冠の中の枝葉や、下に植えてある草花の生育が悪くなりますから、中のほうにも光が入るように込み合った部分を切り取ります。
このとき、切り取らなかった枝の先も少し切り詰めておきましょう。
切り取らなかったところが徒長して樹形を乱してしまうからです。

生垣の刈り込み
たびたび刈り込んで密に仕上げましょう。去年出た枝まで刈り込んで芽が出てきた新しい枝も先端を切りつめ、形を整えます。


○アジサイ、クチナシの剪定

クチナシは、8~9月には花の後に伸びる新梢に、もう来年の花芽をつけます。剪定は花が終わったらすぐにかかりましょう。

アジサイも同じ頃に花芽がつきますが、これから出る枝ではなく、去年出た枝に付きます。
日当たりが悪いと花芽ができないので、アジサイはあまり大株にせず、剪定するのが花をたくさんつけるコツですが、剪定には少し注意がいるのはこのためです。
花の咲いた枝は、木質化した古い枝であれば地際まで切り戻し、若い枝は葉を2、3枚付けて、花を切り取ります。
花が咲かなかった枝は花芽が確認できるまで、おいておきましょう。


○さし木、とり木など       

クチナシ、アジサイは剪定した花の咲かなかった枝をさし穂に使いましょう。ジンチョウゲはよく育った新梢を、先端から葉を5枚くらい残して他は取りのぞき、10cmほどの長さに整えてさし穂にします。
その他、キョウチクトウ、ツバキ類、モクセイ、ウツギ、ツツジ類、レンギョウ、ユキヤナギなどで、新梢を使ってさし木できます。さし穂は先端と基部を除いた中間部分を使いましょう。

株立ちするユキヤナギ、シモツケ、アジサイ、ボケなどは枝を倒して地面に押さえつけ、土をかぶせておきます。U字金具や石で固定しておくといいでしょう。
これだけで、秋には根が出ています(とり木:圧条法)から、切り離せばよいのです。簡単でしょう。
この他にツツジ類、カエデ類、ニシキギ、ウメモドキなどもとり木ができます。 


○常緑樹の移植     

初旬に植え替えをしたところ、思いがけず早く梅雨が明けてしまった、という場合、できるだけ水分が蒸散しないように、日よけをし、朝晩、木全体に水をかけてやるなどしましょう。
この時期に植え替えをせざるを得ない場合、温度や湿度が高いところでは根鉢にまいてあるこもや麻布を取り除いてから、植えつけましょう。


○病害虫の防除

新梢にはアブラムシやカイガラムシなどが発生しやすいので、気をつけましょう。 
ツバキ類にチャドクガが発生したり、ツツジ類にグンパイ虫、サクラやハナミズキなどにはアメリカンシロヒトリが出てくる季節です。
枝葉ごと切りとって処分するか、スミチオン乳剤やディプテレックス乳剤などで駆除します。

梅雨明け後になると、カミキリムシの成虫が現れます。これは木に穴をあけますので、被害が大きく、ときには木を枯らすことがありますから、要注意です。カエデ類などで一部の枝が紅葉した
みたいに色が変わったり、樹の根元に木くずが落ちていたりしたら、やられたかもしれません。
成虫は捕まえて処分し、幼虫が入り込んでいる孔があったら、そこへ注射器でスミチオン乳剤などを注入して駆除しておきましょう。