栽培ガイド

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10月の庭木のお手入れ

1. 10月の庭木・花木と管理

心地よい気候は短く、気温の低下とともに今年の成長はおしまい。
ムラサキシキブやハマミズキの実が美しく色づき、サザンカの花が咲き、紅葉が始まります。庭木の一番美しいときです。
常緑樹は移植、植え付けを上旬の内にすませ、剪定して樹形を整えましょう。落葉樹は落葉が始まれば移植、植え付けの最適期を迎えます。落葉樹も剪定できますが、紅葉の美しいものは紅葉を観賞してからでもいいでしょう。
 
水やり:
庭植えの場合、特別乾燥する場合を除き、不要ですが、植えつけ後の常緑樹は地面が乾いたら水をやります。
鉢植えは鉢の表面が乾いたら水をたっぷりやってください。

施 肥:
ボタンやマンサク、ロウバイなど来春花を咲かせる落葉樹には油かすなどの遅効性肥料を、サザンカ、ツバキなどこれから花を咲かせる常緑樹には緩効性肥料を与えておきましょう。

病虫害:
気温が下がると広葉樹の密生した枝葉などにうどんこ病が発生しやすくなります。落ちた葉は焼却処分しましょう。
防除としてはジネブ剤などを散布します。
休眠に入る下旬以降はボルドー液などを散布しましょう。
害虫は活動が鈍くなり、さなぎになりますから見つけ次第捕殺します。樹皮が浮き上がって見えるところをチェックしてみましょう。害虫を来春に持越さないことが大切です。


2. 常緑樹の整枝、剪定、もみ上げの季節

常緑広葉樹は落葉樹に比べ葉が分厚く、日が通りにくいものです。
剪定しないで数年も放置しておくと、樹下は耐陰性のある草木でも生育ができなくなります。家の日当たりにも影響しますので、適度に樹冠を透かす剪定をしましょう。
そのポイントは、上部は思いきって強く、下部は弱く、主枝の主軸を先に、次いで側枝の主軸をという順番で、枯れ枝や立ち枝などを切り詰めることです。
また、花木の樹冠から飛び出した徒長枝も切り詰めておきましょう。 

マツ類は2年以上たった古い葉を取りのぞきます(もみ上げ)。
枝の透かし剪定の要領は落葉樹と同じ。作業は樹冠の上部から下部に進むとスムースにできます。

フジ、ノウゼンカツラなどのつる性の花木も、長く伸びたつるを軽く切って整姿しておきましょう。


3 .ボタンの植えつけ、植え替えの適期

夏の暑さが苦手なボタンは、涼しくなった9月頃に新しい根を出し始めます。根の成長が落ちつく10~11月が植えつけの適期となります。鉢植えしていたものを地植えにする場合も同様。遅くなると、来春に根が動いてしっかりと根が張る前に苦手の夏が来てしまい、病気にもかかりやすいので、必ずこの時期に終えましょう。

植え場所は日当たりが必要ですが、西日が当たらない蒸れない涼しい場所を選びます。根をよく広げ、シャクヤクとつぎ木部分が3cmほど隠れるぐらいに土を盛って高植えにして、水はけをよくします。
植え付けや植え替えのあとは十分に水を与え、マルチングします。


4. 移植のための根鉢つくりと、根回し

常緑樹を移植する場合は根鉢をつけなければなりません。
根鉢の直径は根元の幹回りの6~7倍が目安で、地面に印をつけてスコップで垂直に掘り下げ、根が少なくなったところで底をえぐるように掘って、下のほうに伸びている根をハサミで切ります。
崩れやすいようならコモで包み、荒縄でくくります。根鉢がしっかりしているなら荒縄を何重にもまくだけで十分です。

移植を今すぐでなく来年に予定しているなら、根回しをしておきましょう。根元の幹回りの3倍ほどの直径で円を描き、スコップで垂直に掘り下げます。
2cm以上の太い根は残しますが、この根の皮をはいでおいて新しい根を出させておきます。
この太い根は放射状に残し、木を支える根とします。


5. 毎年花を楽しむために、摘蕾(てきらい)をしましょう

ツバキやシャクナゲの花芽が大きくなってきます。
ツバキなら枝先に1、2個、シャクナゲは蕾のない枝が半分くらいになるよう蕾を取り除いておきましょう。


6. カエデ類、ナツツバキなどのたねまき

小粒の赤玉土に。カエデは羽根を除き、ナツツバキは木づちで実を割って種を取りだし、いずれも乾かさないようにしてまきます。
乾燥しないように管理します。