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おいしいミニガーデン ~梅雨時期のお手入れ~

気温の高い日がつづくようになりました。みなさんの苗のその後の成長はいかがですか?ミニ大根やラディッシュは、もう収穫を楽しんでいらっしゃるころでしょうか。早く育つものも植えておくと楽しみが増えますね。

さて、前回は苗の本植についてお送りしました。
今週は、野菜やハーブ、果樹など、おいしいミニガーデンを構成する植物のこの時期のお手入れについてお送りします。

つるも丈もどんどん伸びるこの時期は、梅雨に入ってさらに徒長しやすいのが悩み。なるべく日が当たるようにして、倒れそうなものには支柱を立て、土寄せをしてあげましょう。鉢植えの場合は、鉢ごと動かせるので便利ですね。風とおしと日当たりのよい場所に置くようにします。

どんどん生長するので、肥料をあげるべきかどうかも悩むところですね。
植えつけのときに元肥をしっかり与えておけば、それほど与える必要はありません。肥料好きのものには適宜あげるようにする程度で大丈夫です。

また雑草も元気に育つ季節。みつけたら根こそぎ抜き取るようにします。
雑草をとるときに、雨で固くなった土を細い棒でほぐすようにして、中耕するとよいです。
では、植物別にこの時期のお手入れ、注意事項をあげてみます。

○ラディッシュ
種をまいて20日ほどで収穫できるので、ハツカダイコンとも呼ばれます。
まるまるとした根が地上に頭を出している姿がかわいいです。時期をずらしながら種まきして生でパリパリとかじってフレッシュさを楽しんでください。とり忘れて根にスが入らないように気をつけて。

○ミニ大根(白雪姫)
こちらもラディッシュと同じく早く収穫が楽しめる野菜。小さなかわいいダイコンなのでピクルス用にしてもよいですね。特に何も注意せず育てて大丈夫です。

○ニンジン
なかなか芽が出ないで心配だったニンジン。でもそろそろ葉も茂って、生長してきたころですね。高温は苦手なので、収穫の適期をみきわめてちゃんと収穫しないと、せっかく育った根がいたんでしまうこともあるので気をつけます。

○トマト
種まきした苗もだいぶ大きく育っている頃ですね。これからもまだまだ大きくなるので、少し高めの支柱を立ててあげます。梅雨の時期は苦手。
込み入った葉を取って風とおしよくします。
トマトで必要なのが「芽かき」の作業。葉と茎の間に伸びてくる芽を摘み取って育てます。摘み取ったほうが実がよくつくようになり、また株も大きく乱れないので育てやすいです。摘み取るときはハサミでなく、手で。摘み取った芽をさし芽してもよいです。

○キュウリ
ひゅるひゅるとつるを伸ばしていく姿がたのもしい頃。最初はピンと伸びているつるが、巻きつき場所をみつけるとクルクルと巻き始めます。
長く伸びるので長い支柱で支えてあげます。最初の実は小さなうちに摘み取ります。どろはねを防ぐためにマルチングも。葉っぱが白くなるうどんこ病予防に木酢液をスプレーします。

○ナス
あたたかい気候が好きなナスは、この時期になるとどんどんと生長を始めるので、背丈が伸びたら支柱を立ててあげましょう。肥料が好きなので月に一度ぐらい追肥します。調子よくいけば、そろそろひとつめの実をつけた方もいらっしゃるでしょうか。ひとつめの実は、今後の株の生長のために早めに摘み取るようにします。ナスは寒いのが苦手。
おいしい味をそのまま楽しめるように冷蔵庫に保存せず、室温に置き、収穫したらできる早く食べてしまいましょう。

○ピーマン
生長が進む時期。ピーマンはそれほど背丈が高くならないので、トマトほどの高い支柱でなくても大丈夫です。ナスと同じように、最初の実は早めに摘み取ります。トウガラシも一緒に育てている方は、名札をつけておきましょう。どちらかわからなくなって、からーい思いをしないように…。
カメムシの卵をみつけるのにもよい時期。葉っぱを裏返して探して退治します。

○ズッキーニ
梅雨のじめじめで株をだめにしてしまわないように気をつけて。過湿にならないようすること、どろはねを防ぐことがポイントです。株元をマルチングすると安心。雄花と雌花があるので、ハチや蝶があまり来ない場合は受粉のお手伝いをしてあげます。

○アスパラガス
購入して1年目の苗は、今年は収穫はちょっとがまんです。どんどん芽を出しますが、そのまま育てて株を充実させ、来年に備えます。背丈が高く育つので支柱を立てて支えてあげます。

○青ジソ
去年のこぼれ種でもどんどん育つほど元気なので、特に気をつけることはありません。真夏の間は乾きすぎないようにしますが、梅雨のこの時期なら、そんな心配も無用。まだまいていない方はこれからでも大丈夫。
夏のそうめん、冷奴などにぜひ欲しい薬味なので、何株か育てておくと便利です。
  
○レタス類 ミックス・サラダなど
春まきのものはトウだちしやすいので、花をつけないように若いうちからどんどん摘み取って利用します。いつでもまけるタイプのものは時期をずらしてこまめに種まきすると、フレッシュな味をいつも楽しめます。

○ルッコラ、ロケット
こちらも花を咲かせると葉が硬くなってしまうので、若いうちに外側の葉を摘み取ってゴマ風味の味を楽しみます。花が咲いてしまったら、エディブル・フラワーとしてサラダに散らしてピリリ味をポイントに。
 

○パセリ
梅雨時期にぐんぐん生長します。土の表面がかたくなっていたらほぐしてあげます。密集してはえてきたら外側から枝をかきとって収穫しますが、とりすぎないように。少なくとも数本は枝を残すようにすると、どんどんと新しい枝を出して株が充実していきます。

○バジル
梅雨の時期はひょろひょろと徒長しやすいので、日の当たる場所に置いてしっかりした株になるようにします。できれば直接雨に当たらない場所を選んであげたほうがよいです。つぼみが見えたら摘蕾、摘芯します。そうするとわき芽が増えてこんもりとした株になり、収穫量も増えます。小さめの鉢やコンテナで育てている方は、肥料を1ケ月に一度くらい与えます。バジルの葉は香りよくおいしいので、虫たちも大好物。
私たちの食卓にあがる前に食べられてしまわないようにしっかり見張って!

○フェンネル
そろそろぐんぐんと背丈を伸ばして、あまりに大きくなってびっくりしている頃ではありませんか?2メートルほどにすぐ伸びますね。
株元を食べて楽しむフローレンス種を育てていらっしゃる方は、株元に土寄せして、白く軟化させるとさらにおいしくなります。葉っぱは適宜摘み取って使います。

○タラゴン
倒れやすいので、支柱を立てて株を支えます。日光不足にならないように注意。摘芯してわき芽を出し、株元は土寄せして支え、しっかりと株が育つ手助けをします。
 
○チャイブ
急速に育つ時期です。咲いたあとの花をつけたままにしていませんか?
咲き終えたら忘れないように刈り取ります。
<↓フェンネル、タラゴン、チャイブのセット>
 
○コリアンダー
そろそろ結実するころ。下葉が枯れてくるので、なるべく晴れた日を選んで刈り込みます。実を収穫して日陰干しして乾かして、そのまま、またはつぶして料理に使います。

○セージ
じめじめが苦手なセージは、今ががんばりどき。できるだけ風とおしよく枝を刈り込み、乾燥ぎみになるように土盛りしてあげます。刈り込んだ枝を挿し木しておけば、株が増えるのでおすすめ。肥料はあまり必要ありません。
  
○タイム
こちらも梅雨が苦手なハーブ。土を乾き気味に保ち、枝すかしをして、梅雨を元気に乗り越えてもらいましょう。刈り込んだ枝を挿し木しておいてもよいです。肥料はあまり必要ありません。
  
○ローズマリー
種から育てている方は、あまり大きくならないので心配されているでしょうか。ローズマリーは生長が遅めのハーブなので、すぐに利用して楽しみたい方は苗を購入したほうがよいかもしれません。または、香りのよいローズマリーを持っているお友だちに一枝もらって挿し木します。
このハーブも乾き気味を好むので、梅雨の時期に過湿にならないように気をつけます。肥料はあまり必要ありません。
 
○ブラックベリー、ラズベリー(木イチゴ類)
元気にシュートが伸びる時期。そのままにしておくと、どんどんまっすぐに伸びていくので、わき芽を出すために枝先を切ります。弱々しいシュートは根元で切り取ります。
伸びた枝はトレリスやラティスフェンスにとめつけて誘引します。細かいトゲがあるので気をつけて。
花も次々に咲いて、実も毎日とれるようになります。梅雨のときは、実をちゃんと収穫しないとすぐにいたんでしまうので、色づいたものを見逃さないように。
 
○ブルーベリー
もう収穫を終えていたり、そろそろ収穫だったり、品種により収穫の時期が異なります。夏の暑さに強いもの、弱いものがあるので、住んでいる場所の気候にあわせて品種選びをすることがポイントです。
挿し木の適期。
  
初めて育てるものっていろいろと心配になりますが、よく観察しながら少しずつ自分流のコツをつかんでいくのも楽しい過程ですよね。
梅雨時期をうまく乗り越えて、来月以降の収穫を楽しみましょう!