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強い日差しと乾燥に負けない植物(1)

3月に日陰で花を咲かせる植物をご紹介しましたが、読者の方から逆に夏の強い日差しと乾燥にも負けない植物を紹介してほしい、というリクエストをいただきました。
よく日のあたる環境が望めない場合はうらやましく思えるのですが、日当たりがよすぎるのもまた大変。夏は朝晩水遣りしてもすぐ乾燥してしまうし、強い日差しで葉やけを起こす植物も多いのです。暑い盛りには花を咲かせるものも少なくなりますよね。

そんな環境でも、たくさん花が咲き植物が生き生きとしている庭をつくりたい、という方におすすめの植物をご紹介します。品種が多いので、2回に分けますね。

まず、日差しに強いのは、葉が小さいものや細いもので、固め、革質のものが多いのです。(オリーブやローズマリーなど)
逆にやわらかくて大きな葉の品種は強い日差しに弱いですね。(ギボウシなど)
また、葉が肉厚のものは水分をためこめるので、乾燥に強いです。(多肉植物やセダム、花スベリヒユなど)
ざっくりした傾向ですが、以上のような点をひとつの目安として植物を選んでいただくとよいかと思います。

では具体的におすすめ植物をご紹介。今回は、「寒さに強い温帯・熱帯系の潅木」です。熱帯系で寒さに強い、というのは矛盾しているようですが、関東以南の太平洋側なら庭植えのまま冬越しできる程度、それより北なら鉢植えで室内に入れれば冬越しできる程度に耐寒性のある植物、という意味。一定以上の温度があれば、絶え間なく花を咲かせ、暑さにはとても強いので、暑い季節には重宝します。

○ランタナ
小さな花が集まって咲くバーベナのような花序がカラフルで、4月下旬頃から霜が降りる頃までずっと花を咲かせてくれます。
一般的なランタナはランタナ・カマラという葉茎にとげがあるタイプ。庭木にもなる程大きくなりますが、3度以下では枯れることがあります。花色が豊富で、咲き進むにつれて変化する品種や、斑入り葉があるのも魅力です。
コバノランタナは普通のランタナよりもより寒さに強く、ほふく性で茎が細く繊細な印象です。鉢植えや壁面の上から垂らすとすてきです。

○アブチロン
ランタナ同様、小さくもある程度大きくも育てられて、花色が豊富。庭木にすれば4m位に高くなることも。春から秋まで本当に絶え間なく花がつきます。
冬の間は室内に入れても、明るい場所で室温があれば花を咲かせ続けるほど強健。つる性品種もあります。

○クフェア
小さな花をたくさん咲かせ、鉢花として大ブームとなりました。熱帯性で寒さに弱い、と思われている方が多いのですが、意外に耐寒性があり、軽い霜くらいまで大丈夫です。庭師さんによると「低い生垣におすすめ」とのこと。今後はガーデニング用花木としても用途が広がりそうです。

○ルリマツリ
熱帯系なのに、日本人好みのしっとりした雰囲気があります。半つる性で、つり鉢やトレリスに向いています。これも、10度以上なら
絶え間なく花が咲きます。きれいなブルーの花があるのも魅力です。

○ブルーハイビスカス
赤やピンクの鉢花で出回るハイビスカス。鉢花用品種は寒さに弱いのですが、この品種は耐寒性なので、庭植えできます。

○わい性キョウチクトウとわい性サルスベリ
キョウチクトウもサルスベリも昔からある庭木用花木ですが、わい性種は花壇の草花と同様、あるいは鉢植えや寄せ植え素材としても
使えて便利です。花色も豊富。

○アベリア
ビルや公園、街路樹などの植栽や生垣に使われている半常緑低木です。細かな葉でこんもりした形になり、春から秋まで絶え間なく枝の先端に次々にかわいい花を咲かせます。刈り込みにもよく耐える便利な木です。

自宅の庭や鉢植え用には、樹高の低いホプレイズがおすすめです。