栽培ガイド

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12月の果樹のお手入れ

○12月の果樹と管理

ビワは白い可愛い花を咲かせます。
かんきつ類は果実が成熟する時期で、収獲期になります。
その他はだいたいが休眠期に入り、この間に剪定したりや寒肥を与えて、来期に備えましょう。
特に暖かい地方の梅の剪定は12月中に済ませるようにしましょう。

置場所:
鉢植えの場合、かんきつ類、ビワ、フェイジョアは霜よけのできる場所に移しましょう。 

水やり:
鉢植えは表土が乾いたら与える程度、地植えはとくに必要ありません。

植物の様子を見ながらじょうろで丁寧に。


○来年、順調に生育するためには寒肥を

キウイ、カキ、サクランボ、アンズ、カリン、ナシ、リンゴ、モモ、クリ、ブドウ、クルミ、など、落葉する果樹は、体内の養分が少なくなってしまっています。
根が成長を始める2月から3月までに、少しずつ肥料成分が効くよう、11月の中旬から1月の間に肥料を施します。
これが寒肥で、有機質を中心とした肥料が適しています。
1株当たり、堆肥または腐葉土を40~50リットルと化成肥料(チッソ・リン酸・カリ同比)1~2kgを準備します。

木の枝張りの真下くらいを輪状に20~30cmほど掘ります。この時、根を切りながら掘り、太い根ははさみやノコギリで切り取ります
(癒合剤を塗る)。掘り上げた土に、先の肥料をよく混ぜて埋め戻し、しっかり踏み固めておきます。
こうすると、肥料分を補うばかりでなく、土が団粒となり通気や排水がよくなります。また、根を切るので細い根がたくさん出て活性化するのです。


○防寒対策

暖地性のかんきつ類、ビワ、イチジクやキウイの幼木には防寒が必要です。また、寒風をさえぎる対策もしてやりましょう。
12月の寒波では、晩生のかんきつ類の実が落ちたり、常緑果樹の幼木が枯れたりするのです。木全体を厚手の布などで覆ったり、幹にビニールシートをかぶせたりしておきましょう。


○落ち葉の処分をして病虫害予防

常緑果樹でも、落ちた葉や腐った果実、枯れ枝があれば、焼却、廃棄処分にしましょう。これらには病原菌や害虫の卵がついていることがあるのです。そのままにしておくと来春病虫害に感染する元になります。
果樹の近くで越冬する病虫害をできるだけ冬の間に退治しておくことが、来春の順調な成長の大切な条件です。


○冬の剪定の適期です

かんきつ類を除き、多くの果樹が12月から2月にかけてが剪定の適期です。暖地ではウメの剪定は12月中に終えましょう。
冬の剪定は余分な枝を取り除いて、残した枝に養分を集中させ、充実したよい枝に育て、美味しい実をつけさせるために行います。
同時に樹形づくりもします。

枝を切る位置と切り方
春以来伸びた枝の剪定は、伸ばしたい芽のすぐ上を、芽が伸びる方向に合わせて45度の角度になるように切りますが、難しければまっすぐに切ってもかまいません。ただし、ブドウやイチジクのように髄が柔らかいものは、芽のすぐ上でなく芽と芽の中間で切るようにします。
枝そのものを切り落とす場合は、細い枝は選定バサミで元から切り落とし、太い枝の場合はノコギリで上部を幹にぴったりつけ、下部は少し残すようにやや斜めに切ります。太い枝を切った場合は切り口に保護剤を塗っておきしょう。


○剪定のポイント

はじめに全体を眺めてどれが主幹で、主枝はどれか見極めをつけます。

1)古い枝を切り落とす
2)残して実をならせる枝は、ふっくらと大きな芽をつけた、太く充実した枝を選び、よぶんな枝を見極める。
・細くて弱い枝や徒長した枝を切り落とす
・内側に向かって伸びている枝(ふところ枝)を切り落とす
・平行している枝や二股に分かれている枝は一方を切り落とす
3)残す枝の先端を切り詰める