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最終更新日:2024/05/09

お手軽おうちでネットメロン「コロタン」


ころたん誕生の秘密


外皮に網目状の模様が入るネットメロンは、高級フルーツの代表としてとても人気があります。しかし、きれいなネットが入ったメロンを栽培するには、湿度や温度、それに水の管理など、プロの生産者でもきめ細やかで高度な技術が求められます。また、趣味園芸家用のハネデュータイプ(※)のミニメロンもありますが、収量が少なく甘みがのりづらいなどの課題があり、味がよく、家庭でも簡単に栽培できるメロンの登場が望まれていました。サカタのタネの「甘くておいしい」「コンテナでも簡単に栽培できる」という条件を兼ね備えたのがミニメロン・ころたんです。
※ハネデュータイプ(Honey Dew)


ころたんの特徴


その1:小さくて黄色い、ちょっと変わったメロン
コンテナでも手軽に栽培できる果重300~500g、やや偏平のミニメロン。きれいなネットが入る黄金皮と鮮やかな緑色の果肉のコントラストが美しいです。
その2:たくさん収穫できる!
収穫の目安は開花後45~50日程度で、コンテナ栽培では1株あたり2~4果、露地での地ばい栽培では8~10果収穫できます。
その3:甘くて食べごたえは十分
糖度は約15度で、ウリ科特有のクセがなくさわやかな甘みが特徴。タネの部分が少なく皮が薄いので、可食部が多いです。
その4:育てた人だけが味わえるおいしさ
家庭で収穫するので、おいしい「完熟メロン」が味わえます。
また食べごろで収穫できるので、追熟の必要がありません。収穫から10日ほどおくと、さらに風味が増します。

栽培場所


日当たり、風通し、露地の場合は水はけのよい場所で栽培して、病気が発生しないようにします。とくに、メロンは非常に日光を好む植物ですので午前から午後までしっかり日が当たる場所を用意します。直前にウリ科作物を栽培した場所・土はさけます。

ころたんの作り方


用意するもの
プランター栽培の場合:
・ころたんの苗
・容器 直径30cmの鉢(16リットル)で1株、
 長さ73cm以上のプランター(46リットル)で2株が目安
 鉢なら直径30cm以上、プランターなら深さ25センチ以上の大型容器
・野菜用培養土
・化成肥料
・支柱
・ネット(プランター栽培の場合)
・支柱を固定する支柱フレームなど
露地栽培の場合:
・ころたんの苗
・化成肥料
・完熟堆肥
・苦土石灰
・ポリマルチ
事前準備
プランター栽培の場合:野菜用培養土を容器の8割ほど入れます。植えつけ前日に、水やりをたっぷりします。容器のそこから流れ出るくらいが目安です。

露地栽培の場合:植えつけの2週間以上前に、1平方メートルあたり完熟堆肥を2~3kg、苦土石灰を2~3握り(100~150g)を散布して深く耕しておきます。1週間以上前に化成肥料(8‐8‐8など)2握り(約100g)を施し、畝をつくってポリマルチを張ります。ポリマルチを張るとことで泥はねを防ぎ、病気の予防になります。黒のポリマルチは雑草防除にも効果的です。
植え付け
プランター栽培の場合:株もとに水がたまると病気になりやすくなるので、ポット土の表面が出るように浅めに植えつけます。プランター栽培で複数株植える場合には、株間を40~60cmとります。植えつけたら、水をたっぷりとやります。

露地栽培の場合:株間90cmで、容器栽培と同様浅めに植えつけ、水をたっぷりとやります。霜が降りるおそれがある場合は、ホットキャップをかぶせて保温します。メロンは寒さに弱い植物です。下記を目安に、気温が低い場合は屋内に入れる、ホットキャップをかぶせるなどの対策をとりましょう。
気温について
定植時:地温16度以上
日中:28~30度を目標に。
夜温:10度を下回らないように。開花期~肥大期は12~13度を目安に管理します。
仕立て方
プランター栽培の場合:親づるは本葉3~6枚を残して摘みとります。摘芯後、生育のよい子づるを1~2本残し、各子づるの8~10枚めまでの葉から出た孫づるは早めに取り除き、それ以降の孫づるを伸ばして実をつけさせます。伸びたつるはそのままにしておくとつるが混み合ってしまい、病気が発生しやすくなるので、支柱に巻きつけたり(あんどん仕立て)まっすぐ上に伸びるよう誘導します。

露地栽培の場合:親づるは本葉3~6枚を残して摘みとり、生育のよい子づるを3本残します。各子づるの4枚めまでの葉から出た孫づるは早めに取り除き、それ以降の孫づるを伸ばして実をつけさせます。
管理のポイント
プランター栽培の場合:植えつけ2~3週間後に化成肥料をやります(1株あたり10g程度)。
土の表面が乾いたら、容器の底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。暖かくなるとアブラムシやウリハムシが発生しやすくなります。株が弱る原因になるので、みつけたら捕殺するか、メロンに適用のある農薬を散布します。
露地栽培の場合:暖かくなるとアブラムシやウリハムシが発生しやすくなります。株が弱る原因になるので、みつけたら捕殺するか、メロンに適用のある農薬を散布します。
交配
確実に実をつけるためには人工受粉が必要です。人工受粉は、雌花が咲いた日の午前中のできるだけ早い時間に行います。収穫時期の目安とするため、交配をした日をメモしておくとよいでしょう。容器栽培では根の領域が限られているため、果実をつけすぎると過度に負担がかかり枯れることがあります。果実がピンポン玉くらいの大きさになったら、1株あたり2~4果に絞ります。
追肥
プランター栽培の場合:果実がピンポン玉くらいの大きさになったら、1株あたり化成肥料を10g程度施し、その後は生育状況をみながら必要ならば2週間おきに肥料を施します。(各10g程度)
露地栽培の場合:果実が卵大になったら肥料をポリマルチのまわりにばらまきます。

収穫
1.色
収穫適期のころたんは、果皮が濃い黄色をしています。レモン色のような薄い黄色の果実はまだ熟しいないのでもう少し我慢!

2.果実のヘタのつけ根にひび
収穫適期になると、ヘタのつけ根に「離層」と呼ばれるひびができます。

3.今にも落ちそう!
「離層」ができるとしだいにヘタから果実が自然にとれそうな状態になります。自然に落ちれば完熟ですが、衝撃でころたんに傷がついてしまう可能性があります。ネットなどで果実を保護し、自然に落ちるのを待ってもよいでしょう。

お絵かきころたん
ころたんの表面に浮かび上がるネットの模様を利用して文字や絵を描き、自分だけのマイころたんをつくることができます。ネットの模様が出始めたころにころたんの表面に傷をつけることでころたんにお絵かきをすることが出来ます。

1.ペンで絵や文字を下書きします。
2.竹串や釘などで下書きした線をひっかくようになぞります。1mmくらいの深さで傷をつけましょう。

3.果実が熟すにつれ、傷にかさぶたができるように絵や文字が浮かび上がります!