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4月のお手入れ~スペースや日向がなくてもあきらめないで!

住宅が密集していたり、マンション暮らしの方が多いこのご時世。日向やスペースがないからとガーデニングをあきらめていらっしゃる方も多いかもしれませんね。そんな、通りがかりのお宅のきれいな花たちをながめてうらやましがっている方に、狭いスペースでもガーデニングを楽しむ方法、日陰で充分育ってくれる植物、そしてとっておきの「魔法のライト」をご紹介しましょう!



日は当たるけど場所がない


ほぼ1年中日当たりもいいベランダは、壁面の輻射熱で結構暖かく、雨がかからないので花もちがよくなります。実は園芸には適した環境というところも多いはず。草花は庭植えよりも早く開花し、たくさん花をつける場合も多いです。
反面、高層マンションではビル風が強い場合もあり、下の階にも吹き降ろします。こうした場所では植物を保護する風除けが必要です。また乾燥しがちなため、うどんこ病やアブラムシ、ハダニが発生しやすいので、こまめに防除する必要もあります。
ベランダの床面は冬の凍結、夏の照り返しと寒暖の差が激しいので、鉢を置く場合はなるべく底面を直接つけないようにしましょう。



さてせっかく日当たりはいいのに、植物を置くスペースがない。という場合、一番よく見られるのは、草花をプランターに植えこんで手すりにかける状態。しかし、定番草花はだいたい上方向に伸びて花を咲かせるものが多く、リビングに座って眺めたときに、目線の高さでは花がよく見えなくて、プランターの側面とホルダーばかり目立つ…という状態になりがちです。高い場所に飾るものには、トレーリング(垂れ下がる)タイプのペチュニアやバーベナ、ネメシア、スケボラなどを縁に植えこんで容器を隠すときれいです。



また、もっと楽しいのがダウンアンダーポットという新しいコンセプトの鉢。根付くまでは普通に育て、その後付属のワイヤーで鉢をさかさまに吊り上げるというもの。草花は逆さまになりますが、光を求めて上へ上へと伸び上がり、空間をシックに演出してくれる上、「置く」場所がなくてもいいわけですから一石二鳥の楽しみです。



日当たりが悪いからガーデニングは無理!?



いいえとんでもありません。半日陰でも充分目を楽しませてくれる植物はたくさんあります。まずは手始めにギボウシはいかがでしょう? 美しい葉色はもちろん、お花だってかわいいですよ。種類も豊富なので、いろいろな葉色の種類を揃えて並べてみるのも素敵ですね。


またギボウシとの相性がいいのがアスチルベ。暑さ寒さに強く、丈夫で育てやすいので一度植え付ければ手間はかかりません。鮮やかな色の花が穂状に咲き、テラコッタなどの鉢にもよく合います。



それから星のような、かわいい花、オンファロイデス・スターリイアイや、グラウンドカバーにもなるゲラニウム・ジョンソンズブルー、スケボラ・ブルーワンダーなど、人気の青い花にも、半日陰OKのものがありますよ。


ほかにもトロリウス(西洋キンバイソウ)、ハミルトンメロディー(姫フウロ草)、ナルコユリなど…かわいい花、清楚な花など結構あります。
ただし、水遣りには注意。乾燥を好むもの、湿り気を好むものと、品種によって違いがありますので、植物に合った水遣りをしてあげてください。


魔法の(?)ライト


ベランダもない。半日陰のスペースも確保できない。やっぱりうちではガーデニングなんて絶対無理。そうおっしゃる方に、最後のとっておき。魔法のライトをご紹介しましょう。



「魔法のライト」なんて、なんとも空想的な表現ではありますが、日向がなくてガーデニングをあきらめてしまっている方には、本当に魔法とも思えるかもしれない朗報です。
さて、その魔法のライトとは?みなさん植物育成用ライトというものをご存知ですか?このライト、太陽に近い光を出すライトなんです。植物の成長にもっとも必要な色・スペクトラムの光を出し、植物の生育を助けてくれます。赤色が最も高く、中間にグリーンやブルーの波長を配し、植物に適度な刺激を与えるので、白熱電球にはない自然光に近いエネルギーを供給してくれます。主に温室、ビニールハウスでの電照促成栽培に用いられるのですが、一般のご家庭でも通常の電球のように使えるものがあり、これにより窓のないお部屋や日光があまり差し込まない玄関ホールなどでも、植物を栽培することが可能となるわけです。実はこのライト、テレビの某リフォーム番組などでも、全く陽の当たらない床の間に飾られた植物のために利用されたりしていました。


使用方法は簡単。植物の上から60~120cm位離して設置し、毎日必要な時間だけ植物に照射するだけです。ただし、この電球、すぐにとても熱くなりますので、通常のプラスチック製のソケットを利用すると、熱で溶けてしまう恐れがあり、危険ですので、陶製の専用ソケットの利用をおすすめします。専用ソケットはクリップ式になっていて、360度方向変換ができますので、とても便利です。


さぁこれでもう大丈夫。育て方などいろいろ心配はつきものですが、まずはとにかく楽しんで植物に触れ合うことが大切です。是非この春からガーデニングの楽しみを味わってみてください。