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6月の庭木のお手入れ

○6月の庭木と管理

春に花を咲かせたのも、これから咲くものも、緑が濃く、枝葉がしげってきました。庭木がぐんぐん大きくなる季節ですが、まわりの木や陰になる樹下の植物が弱ったり、風通しが悪くなって病虫害が起こりやすくなります。枝をすかしたり、病虫害対策が必要です。

鉢植えの水やりにはとくに注意が必要です。やりすぎはいけませんが、 梅雨の晴れ間は気温が上がるので、水切れにならないよう気を付けましょう。そして水やりは朝の涼しいうちに。

鉢植えの花の終わったツツジ、ボケ、ボタンなどにはお礼肥えを。速効性の化成肥料を数粒で十分です。 


○枝をすかして風通しよく

高温多湿の今の時期は、枝葉が込み合っているとむれて、病虫害が発生しやすくなります。日当たりが悪くなるのもいけないことのひとつ。元気な樹には病虫害はつきにくいものです。樹木の健康のために、枝葉を切ってすかしておきましょう。

すかす、といっても、むやみに枝を切れば良いのではありません。時期ややり方を間違えると、花が咲かなくなったり来年もっとしげって手に負えなくなることもあります。
とりあえず、枯れた枝や傷ついた枝、ひこばえ、胴吹き(主幹から出てきた枝)、立ち枝(内側に伸びたり、まっすぐ立ちあがった枝)を切り取りましょう。


○ツツジなどは花後すぐに剪定を

ツツジの仲間やシャクナゲ、ブラシノキなどの剪定をし樹形を整えます。ツツジ類はこれから伸びる枝に花芽がつきます。花が終わったらすぐに切らないと、せっかくの花芽をつんでしまうことになり、来年は花が見られないことになりかねません。


○常緑樹、針葉樹は植え替えできます     

落葉樹はまだ葉が十分に充実していないので、植え替えは秋まで待ちましょう。常緑樹は根と土をよく密着させて根鉢をつくります。根鉢の大きさは根元の幹の太さの2倍ほどの径にします。根が浅いものは扁平な根鉢でよいのですが、まっすぐに深く伸びるタイプは深めに掘りあげましょう。この時、どうしても根を切りますから、その分負担を少なくするために、枝や葉を切り、減らしておかないといけません。切った根はもう一度切り戻し、植えつけ後はたっぷりの水を与えます。
また、元肥は深めに入れて土をかけ、根に触れないようにします。いずれも、これから気温が高くなるので、活着するのに大切なポイント。支柱を立てることも忘れないでください。


○さし木、とり木の季節です    

常緑の針葉樹や広葉樹を増やすのに一番適した季節です。さし木は先月説明しましたので、5月はとり木について…。

アジサイ、クチナシ、ボケ、ユキヤナギ、オウバイなどの枝の下側にナイフで切り傷をつけ、たわめながらこの部分を土の中に埋め込むか、土をかぶせておきます。割った竹などで押さえておくと枝がはねたりしません。こうして放置しておくだけで、この部分から根が出て、1,2ヶ月もすれば切り離すことができるのです。


○病虫害が発生しやすい季節です

ツツジ類にはグンパイムシ、ツバキ科にはチャドクガが発生しやすい季節です。サクラやカキなどにもケムシが発生し出します。とくにチャドクガはかぶれるとたいへんです。葉の裏をよく観察して、見つけ次第、枝ごと切りとって、処分してください。グンパイムシは風通しをよくすることで予防できます。