栽培ガイド

最終更新日:2026/10/14

半日陰を、美しい葉と涼やかな花で彩るギボウシ


白や黄色の斑入り葉、涼しげな青緑色の葉など、多彩な葉色が魅力のギボウシ。初夏から夏にはすらりと花茎を伸ばし、白や紫の花を咲かせます。半日陰の庭を彩る宿根草として、鉢植えから庭植えまで幅広く楽しめます。

ギボウシとは


ギボウシは、キジカクシ科ギボウシ属の多年草です。学名にちなみ「ホスタ」とも呼ばれ、欧米でも広く親しまれています。
東アジア原産で、日本にも多くの種類が自生しています。丈夫で寒さに強く、一度植えると毎年芽吹き、年々充実した株に育ちます。
品種によって葉の色や形、大きさはさまざま。小鉢で楽しめる小型種から、庭の主役になる大型種まであり、植える場所に合わせて選べます。異なる品種を組み合わせると、葉だけでも表情豊かな庭になります。

基本情報


学名:Hosta
科名・属名:キジカクシ科ギボウシ属
性質:多年草。冬は地上部が枯れて休眠
草丈:約10cm~1m。品種により異なる
開花期:主に初夏~夏。種類や品種により異なる
日当たり:半日陰
水分:適度な湿り気を好む
耐寒性:強い。鉢植えは根の凍結に注意
おすすめの育て方:鉢植え・庭植え
※強い西日や真夏の直射日光は、葉焼けの原因になります。品種の性質に合わせて植える場所を選びましょう。

ギボウシの栽培史


ギボウシは、日本で古くから庭園や鉢植えで親しまれてきました。江戸時代の植物図譜には、斑入り葉をもつものなど、さまざまなギボウシが描かれています。
18~19世紀には中国や日本からヨーロッパへ渡り、シーボルトも日本の野生種や斑入り品種を紹介しました。その後、アメリカにも広まり、庭を彩る植物として品種改良が進みました。
現在は世界各地で育種が行われ、葉色や斑の模様、葉の厚さや波打ち方など、個性豊かな品種が生まれています。

品種選びの楽しみ方


葉色で選ぶ
緑葉は落ち着いた雰囲気に、白斑や黄斑の品種は半日陰の庭を明るく見せてくれます。青みを帯びた葉や黄金葉も、植栽のアクセントになります。
大きさで選ぶ
小型種は鉢植えや花壇の縁取りに、大型種は庭の主役におすすめです。植え付けるときは、成長後の株幅を確認し、葉を広げるスペースを確保しましょう。
花で選ぶ
ギボウシは葉だけでなく、花も楽しめます。白花や紫花のほか、香りのあるもの、八重咲き、珍しい黄花などにも注目です。

人気の品種


サガエ(寒河江)
山形県寒河江市に由来する日本生まれの世界的高評価品種です。青みがかった大きな葉に、波打つような黄色〜クリーム色の覆輪(縁取り)が入ります。ダイナミックで美しい姿から、不動の人気種です。
ジューン
ホスタ・オブ・ザ・イヤー(2001年)を受賞。葉の中心が黄色〜ライムグリーン、縁がブルーグレーの美しいコントラストを描きます。春から夏にかけて徐々に色が変化していく様子も魅力です。
ハルシオン
ブルー系ホスタを代表する中型種です。白粉を帯びた深みのあるブルーグレーの葉が涼しげな印象を与えてくれます。あまり暗い場所では緑葉になるので、特に春は明るい場所が適しています。
パトリオット
濃いグリーンの中心部と、純白の幅広い覆輪が美しい品種です。コントラストが非常に鮮やかで、暗くなりがちな日陰のスペースを明るく演出します。
ステンドグラス
ゴールドからライムグリーンの葉にグリーンの縁取りが入り、その名の通りステンドグラスのような輝き。香りの良い白い花を咲かせます。
サム&サブスタンス
株幅が1.5〜1.8メートル近くにも達する超大型種。明るいライムゴールドの巨大な葉は広い庭のフォーカルポイント(視線を集める場所)に最適です。
プレイングハンズ
細い葉がねじれながら「祈る手」のように垂直に立ち上がる独特のフォルム。モダンな庭のアクセントとして注目されています。
ミラクルレモニー
日本で育成された、淡い黄色の花を咲かせる品種です。明るい緑色の葉と優しい花色がよく合い、葉も花も楽しめます。庭植えのほか、鉢植えにして身近で花を観賞するのもおすすめです。
黄連雀(キレンジャク)
ライム色から黄金色の明るい葉に、八重咲きの花を組み合わせた品種です。花のない時期も葉色が美しく、半日陰の庭や寄せ植えを明るく彩ります。

受賞品種も、選ぶときの目安になります。
「ホスタ・オブ・ザ・イヤー」は、庭での育てやすさなどを評価して選ばれる品種です。1996年にアメリカギボウシ生産者協会(AHGA)が始め、2026年からはアメリカホスタ協会(AHS)が引き継いでいます。
「サガエ」「ジューン」「ブルーマウスイヤー」なども過去の受賞品種です。好みの葉色や大きさに加え、こうした受賞歴も品種選びの参考になります。




育て方


植える場所・置き場所
明るい日陰や、午前中に日が当たり、午後は日陰になる涼しい場所が適しています。強い西日や真夏の直射日光は、葉焼けの原因になるため避けましょう。
庭植えは、アスファルトの照り返しで暑くなる場所や、極端に乾燥する場所を避けてください。
植え付け・植え替え・株分け
休眠期から春の芽出し前に行います。厳しい寒さや土の凍結を避け、地域の気候に合わせて作業しましょう。
鉢植えは根詰まりしやすいため、根の張り具合を見て植え替えます。株が大きくなりすぎたら、植え替えに合わせて株分けをしてください。
鉢と用土
根を伸ばせる、適度な深さの鉢を選びます。用土は水はけと適度な保水性のあるものが適しています。
配合する場合は、赤玉土の小粒または中粒7に、桐生砂または硬質鹿沼土3を混ぜた土などを使います。
水やり
鉢植えは、土の表面が乾き始めたら、鉢底から流れるまでたっぷり与えます。乾燥を嫌うため、特に夏は水切れに注意しましょう。
庭植えは、根付いた後は基本的に雨に任せます。ただし、晴天が続いて土が強く乾くときは、十分に水を与えてください。
肥料
植え付け時に、緩効性肥料を元肥として土に混ぜます。春から初夏と秋の生育期には、株の様子を見ながら液体肥料や置き肥を与えましょう。
肥料の量や間隔は製品の表示に従い、鉢や株の大きさに合わせて調整します。
花後・冬のお手入れ
花が終わったら花茎を株元から切り取ります。秋から冬に葉が黄色くなり、枯れて休眠に入ったら、枯れ葉も取り除きましょう。
冬に地上部がなくなっても、株が健全であれば春に再び芽吹きます。
病気・害虫
ナメクジが葉や蕾、花を食べることがあります。葉裏や鉢の周囲を確認し、見つけたら取り除きましょう。
高温多湿の時期は白絹病にも注意します。枯れ葉をこまめに取り除き、株元の風通しを保ちます。薬剤を使う場合は、ギボウシと対象の病害虫に使用できるものを選びましょう。