プリムラ オーリキュラ(Primula Auricula)
プリムラ オーリキュラ(Primula auricula)はアルプス、アベニン、カルパチカ山脈などの石灰岩地に生える原種です。原種の花色は黄色で中心部が白。和名では「アツバザクラ」と呼ばれています。
この原種オーリキュラ(P.auricula)と同じ地域に生息しているプリムラ ヒルスタ(P.hirsuta)の自然交雑種が変化に富んで面白いことから16世紀頃より人工的な交配が盛んに行われました。その中でこれらを原種と差別化するための約束ごとを作り、約束ごとにマッチする個体だけを「Auricula」と大文字で書き始めるものとして認められるようになりました。
<Auriculaと認められる主な約束ごと>
- 花が円形に近く花弁がフラットで波を打たない。
- 花弁に切れ込みが少ない。
- 中心の基部が円形で歪みが少ない。
- 短花柱花である(雌しべが隠れて咲く種類)。
<Auriculaの系統>
ショウ系(Shows)
個性的な系統で、花の中心部が白粉で覆われて円環があります。花弁の色により更に細かく系統が分かれます。
セルフ系
(Selfs)

エッジ系
(Edged)

ファンシー系
(Fancies)

アルパイン系
(Alpines)
葉、花、花の中心円にも白粉がなく、花弁の基部が濃く先端に向けて次第に淡い色になります。最も人気のある系統で、強健で育てやすい系統です。
ストライプ系
(Stripes)
18世紀頃の人気の系統。花色のバリエーションが豊富で、単色のセルフ系に近いが縞や絞りが入り、その絞りは緑で白粉がつくものが多いです。
ダブル系
(Doubles)
弁数が多く豪華な咲き方。花弁が多く密集するスタンダードタイプと花弁数が少なめでシンプルなクラシカルタイプに分けられます。
ボーダー系
(Borders)
上記条件以外の品種でガーデンオーリキュラも含みます。強健で育てやすく、花のバリエーションも豊富です。
<栽培方法>
直射日光の当たらない木陰くらいの半日陰で、多湿を嫌うのでできるだけ水はけの良い土(例:小粒の鹿沼土、日光砂、軽石などを等倍)で鉢植えにします。鉢はできるだけ通気が良く(山野草用の鉢など)、またやや深さのあるを選びます。置き場所もできるだけ風通しのよい場所を選び、特に梅雨時期~夏場にかけては、雨よけと遮光できるところで管理します。
水やりは、湿り具合を見ながら鉢底から水が流れ出てしばらくはたっぷりと与えます。土自体の排水性がかなりあるため、逆に水切れさせないように気をつけてください。 基本は午前中の温度が上がらないうちに水やりを行います。夏場などは特に注意し、日中には与えず、朝または夕方のできるだけ気温低いときに与えるようにします。
肥料は、春と秋に施します。春は窒素分が多めのものを、秋にはリン酸分の多いものを与えます。