栽培ガイド

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なぜ、硝酸イオン(NO3-)を測るのでしょう?

◎硝酸イオンってなんでしょう?

硝酸イオンは、自然界のどこにでも存在する窒素化合物です。肥料中の窒素分は、土中で硝酸イオン(NO3-)の形で野菜の根から吸収され、葉に運ばれます。野菜の育成には、硝酸イオンが不可欠ですが、育成に活用されなかった硝酸イオンはそのままの形で残留します。

◎農産物の安全規範「GAP」で採択されています。

GAPとは、Good Agricultural Practiceの略で、農産物の生産段階において食品の安全性を確保するために定められた規範です。 アメリカ、EUなど国際的にも普及が進められており、その中で硝酸イオン濃度が野菜の品質を定める項目として取り上げられています。日本でも、自治体や各地のJAがGAPに取り組んでいるほか、JGAI協会が日本版GAP(JGAP)の統一基準の普及をめざして活動しています。

◎硝酸イオンが多すぎると・・・。

(1)野菜の根が硝酸イオンで傷み水分を吸収しにくくなる。
(2)傷んだところから病原菌が入りやすくなる。
(3)生育が悪くなり、軟弱になる。
(4)病気や虫がつきやすく、農薬散布回数が増える。
という悪循環に陥るといわれています。また、作物に残留した硝酸イオンは「えぐみ」となり、作物種によってはおいしさにも影響するといわれています。

◎身体に悪影響をおよぼす事もあります。

通常、硝酸イオンを摂取してすぐに身体に悪影響を及ぼすことは少ないのですが、体内に摂取された硝酸イオンの一部は、還元され亜硝酸イオンになり、メトヘモグロビン血症を引き起こす場合があります。 また、硝酸イオンが発ガン性のある物質を生成するという報告も出ていますので、適正値であるに越したことはありません。