栽培ガイド

ポインセチアの管理方法

12月の代表的な鉢花のひとつ、ポインセチア。
必ずひとつは、ほしくなります。
でも購入して1週間もしないうちにダメになってしまう、という方が多いんです。

そこで、日本ポインセチア協会の篠園芸さん、というこの道の達人に「家庭での管理のしかた」を伺いました。
 
私たちが目にする鮮やかな葉色のポインセチア。実はこれはポインの「老人の姿です」と篠さん。
生育中(夏の間)は水も肥料もたくさん吸収しますが、葉が色づく頃から徐々にほしがらなくなります。12月には老成して休眠に近い状態となり、水・肥料はほとんど不要となるそうです。

そこでまず1つ目のコツは多湿にしないこと。
水遣りは1週間~10日に1回で十分。鉢土の表面が乾いたらたっぷりと与えますが、余分な水は鉢底穴から流しきること。受け皿に水をためてはいけません。
そして2つ目のコツは、追肥しないこと。
根が養分を吸収しないので、肥料が多いと根腐れしてしまうからです。
これは植え土のタイプにもより、少量与えたほうが良い場合もありますが、篠さんのポインは土に工夫をこらし、春まで追肥不要。
3つ目は外に置かないこと!ポインは寒さが苦手です。
篠さんは出荷後の環境変化で傷まないよう、外気にあてて徐々に寒さに慣らせ、6度までは耐えられるようにしているそうですが、一般的には最低10度は必要。
戸外におくと夜間の寒さで一度に傷みます。必ず室内で楽しみましょう。
室内でも窓際は冷えるので、部屋の中ほどに置いたほうが良いそうです。
さらに置き場所は動かさない。日中は外に出し、夜は家に入れて、と温度の異なる場所に移動させると、それがストレスとなり傷みます。
つまりポインセチアの管理は、ほとんど何もしないのが正解。部屋の中に置いて10日に1回水遣りするだけ。
これさえ守ればいいので、とても管理が楽な鉢ものなんですね。
数ヶ月はきれいな葉色を保ち、株姿も乱れないので、3~4月頃まで楽しめます。

冬に見る赤い色は、炎の色を連想するのでしょうか、暖かく感じます。
篠さんの温室は真っ赤なポインセチアがいっぱいで、外の木枯らしも忘れる暖かさ。
しかも仕立てが良いのです。普通は1株から横枝を出させるので、茎が細いのですが、篠さんは1鉢に4株、5株を植え、1株1本の太い茎で株がしっかりと 立ち上がり、葉もぎっしり。とてもリッチなポインセチアでした。

そして、ポインセチアは「寄せ植え」や「切花」でも楽しめます。
休眠状態なので植え替えてもダメージが少なく、色づいてから寄せ植えにできるのです。ボリュームのない株や草姿が乱れたものでも、何色かとりあわせて寄せ植えにすると、とてもきれいな鉢花になりますよ。
切花にしても花(葉)もちがよく2週間は楽しめます。オアシスにさして、クリスマスアレンジやリースに仕立てるとすてき。ただポインは光の当たる方に向く性質があるので、リースにする場合は、花茎をできるだけ短く切って挿します。ぜひ作ってみてくださいね。