栽培ガイド

5月のクリスマスローズのお手入れ

○5月のクリスマスローズ

遅咲き種も花の盛りを過ぎ、長く楽しませてくれたクリスマスローズの花の季節もおしまい。初夏を迎えて休眠に入る時期が近づいてきました。タネのさやはふくらみを増してきます。株分けしたものは新しい葉が広がっていきいきしだします。日差しが強くなってきていますので、そろそろ日除け対策が必要です。この時期は来年に向けて株を充実させ、夏を乗り切る体力をたくわえる
のに大切です。こまやかな管理を心がけてください。

○花の茎を切り取りましょう

4月に続き、タネをとるもの以外は地際から花茎ごと切り取りましょう。花茎が黄色くなって枯れてきた有茎種も、株元から切ります。特に鉢植えではそのままおいておくと株が弱り生育が悪くなるので、早めに切り取ることを心がけましょう。


○タネとり

受粉して2ヶ月ほどたつとタネが熟します。熟すとタネは自然に落ちてしまうので、タネをとりたいなら袋をかけておきましょう。花1つ1つならティーバッグが便利です。花房ごと1度にしたいのなら、ブドウの袋かけに使われるのがちょうどいいようです。こうしておいて5月末に茎ごと切り取れば、早く熟したものは袋の中に落ちて、どこかに行ってしまったり、他のと混ざることがありません。

タネには表面にぬめりがありますので、これを水で洗い流しましょう。クリスマスローズのタネは乾くと発芽しにくくなります。すぐにまくか(とりまき)、古いストッキングなどにつつんで、日陰の 
水はけのよい土の中、20~30cmほどの深さに埋めて秋まで保存します。品種を書いたラベルを一緒に入れておくのをお忘れなく…。


○タネまき

タネとりのところで説明しましたように、乾くと芽が出にくくなるのでタネをとったらすぐにまきます(とりまき)。少量ならこれが手軽ですが、秋にまいても今とりまきしても、芽が出るのは同じ、来年1月です。

とりまきするなら親株の株元に5cm間隔でまきましょう。タネの厚みの2倍くらいの土をかけ、印をつけておきます。来年1月まで、乾き過ぎないように注意してください。


○5月の管理

鉢植えの場合

置き場所:
日差しが強くなると葉焼けしたり、鉢も乾きやすくなってきますから、風通しのよい明るい日陰へ移動させましょう。
      
水やり:
新しい葉がまだ出てくるので乾かないようにします。天気のよい日はたっぷりと。曇りや雨の日は鉢の土が乾けば十分に与えるようにします。

肥料:
株分けや植え替えをして、4月に施肥しなかったものにだけカリ分の多い緩効性化成肥料を1回(6号鉢約4g)。
      
病虫害:
アブラムシに加え、ヨトウムシが発生しやすい時期です。見つけしだい、やっつけましょう。防除はオルトラン粒剤を株元に。ただし、ヨトウムシは大きくなると薬がききにくくなります。

庭植えの場合

日よけ:
西日が当たる場所は日よけをするか、丈の高い草花を植えるなど工夫しましょう。日よけには60%程度の遮光ネットを株の上にはりますが、蒸れが苦手ですから、いずれの方法も風通しをよくするのをここらがけてください。  
 
水やり:
晴れた日が続いて特に乾燥しているときは1日1回水やりをします。とくに株分けや植え替えしたのは乾かないように。
 
その他は鉢植えの場合と同じです。