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7月の芝生のお手入れ

○7月のシバ

梅雨末期から真夏へ。
高温で多湿な7月は、暖地性シバには天国、寒地性シバには地獄の季節。

暖地性の代表・コウライシバは生育がさかんで、梅雨の間に発生した葉枯れ病も梅雨明けとともに消えていき、刈り込み、水やりなどをきちんとすれば、見事なグリーンのカーペットが期待でき
ます。 

一方、寒地性シバの西洋シバは雨も嫌いだし、暑さも苦手で、すっかり夏ばて状態です。病気や害虫も発生しやすく、ノックアウト寸前。十分にケアして、7,8月を乗り切りましょう。
 

○7月の管理のポイント    

シバ張りは乾燥期ですから、寒地性、暖地性とも適期ではありません。
目土入れも適しません。シバが密になっているときは砂が入りにくいからです。
芝刈りはそれぞれのタイプの生育具合に合わせて行います。

水やり:
梅雨明け前は、特に水やりはいりません。
多湿に弱い西洋シバでは、むしろ梅雨末期の長雨や大雨が生育に悪いので、排水をよくするようにしてください。
梅雨が明ければ、コウライシバは1週間に1度、西洋シバには3日に1度をめやすに、たっぷりと水やりします。
水やりは涼しい朝か夕方に。

施肥:
チッ素分が10%ほどのシバ専用の化成肥料を、コウライシバには1㎡につき30g与えます。
西洋シバは暑さで弱っていますから、10g程度とします。
オーバーシーディングしたシバでは暖地性のシバをはやく生育させるため、40gと多めに施しておきましょう。

病虫害:
コウライシバはあまり問題ありませんが、西洋シバでは多発します。
別項をごらんください。


○刈り込み

コウライシバは、生育がさかんですから月2,3回、2cm高さに、西洋シバは、月に2回、2~3cmの高さに刈りましょう。
オーバーシーディングした芝生では月3回、2cm高さに刈り込みます。
サッチ(シバの刈りかす)はすぐにクマデでかき出して処分しましょう。


○コウライシバの更新作業    

芝生の土は、毎日踏まれてかたくなるものですが、いったん張ると耕してやることができません。
また、刈り込みを続けていると、その度にきれいに除去したつもりでも、刈りカスが地際にたまって半分腐ったようになります。
このサッチ層が病気の原因になり、うまく生育しないことが多いのです。
そこで、サッチ層の除去や、かたくなった地面に穴をあけて通気をよくしてやる必要があるのです。
これが、更新作業です。1~2年に1度、芝生の生育がさかんになる夏に行うのが一番効果的で、回復もしやすいのです。

穴あけ:
ローンスパイクという専用の道具で、5cmくらいの深さの穴を10cmおきにあけます。この穴に砂を入れると少しではありますが砂を新しくしてやることができるので、より効果的です。
砂を入れるときは、あらかじめシバを低めに刈ってからにすると、作業しやすくてよいでしょう。

シバ切り:
カマなどで5cmくらいの深さでシバ面に切込みを入れます。間隔は20~30cm程度とします。
通気性がよくなり、切られたことで新しい元気な根が出ます。

サッチの除去:
金属のクマデでシバ面を強く引っかき、サッチを浮き上がらせます。しばらく放置して、サッチを乾かしてからクマデやホウキでかきあつめて捨てます。
そのあとに砂を入れてすりこむようにしておきましょう。

とくにサッチを取り除いた後は、シバが傷んだ状態になりますけれど、生育のよい季節ですからすぐに回復します。
作業後1ヵ月が大切な時期で、乾燥したり肥料が切れないように、注意してください。


○西洋シバの病害虫防除と除草

夏の間、暑さに弱い西洋シバには病虫害に加え、弱りめにたたりめの雑草がのさばります。

コインのような形で白く枯れるダラースポット病に加え、はじめリング状の症状が現れて、その外側が褐色になって枯れ込むブラウンパッチが発生し始めます。
いずれも、ベンレートなどの殺菌剤が有効です。

不定形に枯れはじめたら、シバツトガやスジキリヨトウの害虫による被害と思われます。スミチオンなどの殺虫剤を散布しましょう。

メヒシバが伸び始めます。夏ばてで生育が衰えかけると勢いづき、ほふく性(横にはって伸びる)ですから、その部分のシバがなくなることになるのでたいへんです。
早めに、元をたどるようにしてていねいに抜き去りましょう。