栽培ガイド

11月のクリスマスローズのお手入れ

1.  11月のクリスマスローズ
木枯らしが吹き始めるころ…。草花が枯れて落葉樹も葉を落とし始める11月ですが、クリスマスローズの生育にとっては一番適した季節なのです。根が活発に生育するので肥料や水の吸収が盛んで、ノイガーなどの早咲き種では花芽が目で確認できるようになります。 見事な花のために適切な管理を怠らないようにして、楽しみのときを待ちましょう。 11月中旬までは植え付けや植え替えができます。
2. 11月の管理:日当たりを十分に
花芽の生育をよくするために、葉を傷めないように気をつけます。また、水や肥料が不足しないようもしてください。 先月、タネをまいた苗は乾燥させないよう、また、過湿にならないように管理しましょう。
 
置き場:
鉢植えは日当たりの良い風通しの良い棚の上に。下旬には霜が降りることもあるので、日だまりに置きましょう。 庭植えでは、まわりの草花や木などの枯れた葉や枝を取り除いて日当たり、風通しをよくしましょう。
水やり:
庭植えは極端に乾燥するとき以外は特には不要です。 鉢植えは乾燥しやすいので、天気が良ければ1日1回午前中に、鉢底から出るほどたっぷりと与えます。水は切らさないようにしなくてはいけませんが、鉢皿に水はためないように。寒くなっても水は切らさないようにしましょう。
施肥:
鉢植えの場合は肥料切れしやすいので、液肥を月1~2回の割で与えます。リン酸分の多い緩効性化成肥料を6号鉢に6gを目安に。 庭植えの場合は、植え替え時に施肥していないものを除き、特に必要ありません。 植え替え時に施肥をしていないものには、1株あたり緩効性化成肥料を10gが目安です。


3. 上手な苗の選び方


一番大切なのは病虫害のないものを選ぶことです。 意外と惑わされるのが、一見立派に見える葉がたくさんついているもの。これは芽が貧弱なことが多く、花が咲かないことがあります。 葉は少なくても、太くてしっかりした葉や芽がついていること、株元がどっしりと太いこと、がポイントです。 はじめて、ならば、いま少し待って、開花株で花の色や形、模様などを確認してから購入する方がよいでしょう。 


4. 植え替え(鉢替え)、植えつけ、株分け


中旬ごろまでなら庭への植えつけ、植え替え(鉢替え)、株分けができます。 庭への植え付け方は10月にくわしく載せました。 鉢への植え替えですが、根が回ったものはできるだけ早く。 一回り大きな鉢に植え替えますが、蒸れるのが苦手ですから、鉢はやや深めの素焼鉢に。鉢の下から4分の1ぐらいの深さまで用土を入れて、苗や株を据えます。このとき、根鉢は崩さないように気を付けます。    回りに土を入れ、割り箸などでつついて用土の片寄りをなくします。 早咲き種では特に根を切らないように注意して作業しましょう。  きちんと植えつけられたら、たっぷり水を与え、1週間程は風通しのよい日陰に置いて管理します。 株分けでは、分ける株元を見やすくするために土を落としますが、このときも根は切らないように注意して、ナイフで切り分けます。このとき、芽は必ず2芽以上つけます。 ただし、根ぐされしているような場合は、できるだけ古い土を多く落としてください。


植えつけ用土の配合例:
赤玉土6、腐葉土3、もみ殻燻炭1、小粒軽石1
肥料など:
緩効性化成肥料(5号鉢あたり小匙1杯)と苦土石灰を適量


5. 病虫害の防除


気温が下がってきて、病虫害の発生もない時期ですが、観察は怠らないように。