栽培ガイド

トロピカルフルーツ

今回は手軽に育てられる南国系フルーツをご紹介します。
温室がないと無理、といったイメージがある植物群ですが、意外なことに戸外で生育・収穫できる品種がいくつもあります。冬越しも、鉢植えで室内に取り込めば大丈夫。
トロピカルフルーツは成長が早いので、栽培に時間のかかるリンゴや桃などの果樹に比べれば短期間で収穫が楽しめるんですよ。
中でも特におすすめの品種は、下記のとおり。

パパイヤ
沖縄のでは庭先に植えられていますね。暖かい地域では年中花が咲き、次々に結実していきます。
日当たりと気温が10度以上あれば成長しつづけますので、鉢植えにして春から秋は戸外で、冬は日光の差し込む室内に置けば大丈夫です。
栽培のポイントは水と光、肥料の3つを切らさないように管理すること。
小さな苗木から育てても、半年足らずで数十センチも伸びて花が咲き始めます。
2、3年もすれば、立派な木になって果実も次々に収穫できるようになります。
ただし、過湿に弱く、また気温が下がると落葉したり芽先が傷む場合がありますので、この2点は注意してください。
いろいろな品種がありますが、自家結実性のある品種を選べば1本でも収穫を楽しめます。
パパイヤは消化酵素を豊富に含んでいるので、「肉料理のあとに食べると消化を助ける」と言われます。
熟した実を果物として食べる以外にも、青い実や葉をお肉を使った煮物に入れて料理するだけでも効果があり、健康食品としても注目の素材です。
沖縄料理では、青いパパイヤの実は野菜としても利用され、千切りにして炒め物や酢の物にも利用します。おいしいですよ。栽培したらぜひ試してみてくださいね。

アセロラ
ビタミンCがレモンの28倍という、健康フルーツ。庭植えで成長させれば数mの高さになりますが、樹高1m前後でもかわいい実がいっぱいつきますので、鉢植えで育てやすい品種です。
ピンクの花、真っ赤でつややかな実、つやのある美しい葉と見た目も魅力がいっぱい。甘酸っぱくておいしく、生食は自家製ならではの楽しみ。
果汁を絞ってジュースに、また、ジャムには最適です。
自家結実性がありますので、1本でOKです。
さくらんぼよりもずっと栽培が楽で、収穫期が長い!という感じ。
栽培のポイントはよく日のあたる、水はけのよい場所に植えること。
冬は0度まで気温が下がる場所でも枯れませんが、春の花つき・実つきをよくするためには10度以上に保つ必要があります。
暖地では庭植えで、それ以外は鉢植えの方が楽です。トロピカルフルーツにもかかわらず、夏の西日は苦手なので、少し日よけをします。
初夏から秋まで、次々に開花して実をつけ、長く鑑賞・収穫を楽しめますよ。

フェイジョア
赤い花が美しいので花木としても栽培されます。小型の卵くらいの大きさの果実は表面が緑色で、果肉は甘く芳香があります。
収穫は10月ころに、熟して落ちたものを拾います。
花びらも食用や、料理に添えてご利用ください。
殆どの品種は自家結実性がありませんが、園芸ネットで扱っている「クーリッジ」
は自家結実します。
たくさん収穫するなら「トライアンフ」など他の品種を一緒に植えるのがおすすめです。
これもよく日のあたる場所で、腐植質を多く含んだ、水はけの良い土を好みます。
苗木のうちは耐寒性が弱いので、鉢植えにして冬は室内にとりこむか、寒冷紗などで覆って防寒します。
成木になれば-10度までは耐えられますので、北側に壁があり冬は寒風があたらない場所なら庭植えも十分できます。
庭木として垣根などにしてもいいですね。
春と秋に肥料を施し、水切れしないように管理します。2年枝に花芽がつくので、剪定もなるべくしないほうがよく、古い枝を間引く程度にします。
病気・害虫には強く、手間のかからない点も魅力です。