栽培ガイド

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実ものを楽しむ

秋が近づくと、気になるのが「実もの」です。
桃やぶどう、梨など、いろいろな秋の果物がお店に並びはじめる頃、観賞用の植物でも、実ものが増えてきます。
なじみのない方もいらっしゃるかと思いますが、青い実がだんだん色づいていく様子は花よりも長く楽しめます。食用にできるなど実利もあって、育て甲斐がありますよ。

○りんご:アルプス乙女
観賞用りんごはおすすめです!
まずは春の花が美しい。カップ状になる5弁の花はたいへん優雅で桜よりもきれいかも…とうっとりします。そして夏には小さな実がたくさんついて、徐々に色づいていく様子も素敵。秋まで楽しめます。欧米ではクラブアップルと呼ばれ、庭園樹の定番だそうです。
アルプス乙女は果物としてもおなじみ、おいしい品種ですね。
観賞用にもよいのですが、果樹としても育ててみたい品種。
ほかにも、姫りんご、バレリーナツリー、ゴージャスなど、多くの品種があります。ハナカイドウもこの仲間です。
生食には向かない実はアップルサイダー(りんご酒)やジャムにすると、香り豊かでおいしい。
また、世界一、ふじ、紅玉など果物として栽培される品種も、最近わい化台木の接木苗がありますのであまり大きくならず、庭木や鉢植えにししても楽しめます。


○アケビ
秋の風情満点のアケビ。緑の楕円形の実がはじけて、中から白い果肉が現れます。郷愁を誘う素朴な甘みがあります。
また、果皮もてんぷらや味噌味の油いために利用されます。
自然の状態では山里でしか見られないので、子供は大喜びですよ。
近種のムベは実がはじけませんが、果実がやわらかくなれば同様に果肉を食べられます。


○ロウヤ柿と豆柿
観賞用の小さな柿。枝いっぱいに実がついて、見ごたえがあります。
より小さな豆柿は庭木や盆栽としても好まれます。


○紫式部
紫式部には数種がありますが、庭園用にはコムラサキという紫実の実つきのよい品種が植えられます。白実のものもあります。いずれも、弓なりになる細い枝に実がいっぱいついて、秋の風情満点。


○柑橘類
冬に収穫期を迎える柑橘類には、もう青い実がいっぱいついて日々大きくなっています。観賞用と実用をかねて、好みの品種をいくつか手元で育ててみては?
春に咲く白い花は甘い香りいっぱいです。
初めての方には、寒さに比較的強くて実がたくさんつくキンカンがおすすめ。庭植えならまったく手がかかりません。
柚子、カボス、スダチ、ダイダイなどの酢ミカン類は冬の鍋物に活躍します。太平洋側の暖かい地域なら、ミカン、甘夏、レモンなど、いろいろな品種が庭植えできます。


○サルナシ
サルナシはキウイの仲間で、日本の山野に自生していた植物。栽培はキウイよりも手がかかりません。実は小さいのですが甘酸っぱく、またビタミンなどが豊富で健康フルーツとして注目されています。


実もの栽培の注意点ですが、実がついてから熟すまでの間は水切れに特に注意してください。水を切らすと葉が落ちて、実を維持することが難しくなる場合があります。また強風や鳥害にもご注意を。