栽培ガイド

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8月の果樹のお手入れ

○8月の果樹とその管理


1年でもっとも高温で乾燥しやすい時期です。
若木や幼木、根の浅いキウイ、ブドウ、モモなどが特に被害を受けやすいので、水切れには十分注意し、1日1~2回は水をやりましょう。
果実が肥大する時期に当たるミカン類やナシなども、水分を多く必要としますので、水やりに気をつけましょう。

水やり:
1日1回、基本的には表土が乾いたらたっぷりと。
地植えでも乾燥が続くようなら水やりしてください。

肥 料:
特に必要ありません。


○高温期の乾燥防止     

高温で乾燥すると、ダメージが大きいので、十分な対策をしておかなければなりません。
株の周りに雑草が茂っていると、雑草と水分の奪い合いになりますから、いっそう干害をうけやすくなります。
まず除草をして、ワラや腐葉土などでマルチングをしましょう。
そうすれば、雑草が生えるのも防げます。
管理のところでも取り上げましたが、被害を受けやすい幼木・若木、ナシやモモ、カリン、ミカン類、キウイ、ブドウなどは必ずマルチングをし、水やりは1日1~2回たっぷりと。


○ナシ、ブドウ、イチジク(秋果)の収獲期

8月も下旬になると多くの落葉果樹が収獲期を迎えます。
気温の高い季節ですから、果実の呼吸が活発で傷みが早いのがこの時期の問題点です。収獲は必ず朝の涼しい間に済ませます。
そして、涼しい日陰で保存しておきましょう。
イチジクは果実の先がすこし色づいたら、先の窪みに食用油をすこしたらしてやると早く熟すようになります。

ナシやモモ、これからのリンゴなどの実を収穫するとき、下に引っ張ると実から果梗(実が枝についている軸)がとれてしまうことがあります。木や実を傷めずに上手にもぐには実を軽く上に引っ張りあげるようにするとよいのです。
それでもとれないようならまだ、熟していないという証拠。
無理にとらずに時期を待ちましょう。


○ウメの仲間、ミカン類の芽かき、摘心     

ウメやモモ、スモモ、ウンシュウミカンやイヨカン、キンカン、ナツミカンの、夏になって伸びた枝の芽かきや摘心をします。
摘心は枝の先端をきることです。


○害虫対策 

ハダニやアブラムシ、カイガラムシといったおなじみの害虫だけでなく、この時期はカミキリムシやコガネムシなどが飛来して葉を食べたり、幹や土の中に産卵します。
これらは成虫だけでなく、幼虫が幹や根を食い荒らすので大敵。
地際の幹に捕獲ネットを張って防御するか、成虫を捕まえて処分します。
おがくず状のふんが見つかったら、カミキリムシです。
幹に穴をあけたところをナイフで削りとっつかまえましょう。
実が熟してくるとコガネムシなどが集まるので、収獲期を外さないようにすることも大切です。
 
カキにはカキノヘタムシが発生しやすい時期です。スミチオン乳剤を散布して予防しましょう。


○台風の季節に向けて

今年は7月に日本に3つも台風が近づいたり上陸しました。
台風の当たり年かもしれませんね。
8月から9月は台風の本番。
収獲できる果実は、収獲をしてしまいましょう。
まだ十分に根を張っていない幼木や若木には支柱を添えたり、風除けのためにネットを張ったりしてやります。
鉢植えは家の中にいれてやるなどして、来襲に備えましょう。