栽培ガイド

秋の植え替え

秋はいろいろなものの植替えや植付けの適期です。
鉢植えで夏の間に生育した植物は、土を入れ替え一回り大きな鉢に植え替えて、翌年また育つように手入れをします。宿根草の株分けや、大きな花木や果樹の植え替えにも気候がおだやかな秋が適しています。
開花中や生育中はダメージが大きいため植え替えは避けるのですが、秋ならほとんどの植物が植え替できるので、お庭や花壇のレイアウトをしなおす、といった大掛かりな作業も可能です。
とはいえ、植物にとってはストレスになる植え替えなので、コツをご紹介してみます。

まず、それぞれの植物にとって最適な時期は
  • 宿根草などの草花→9~10月
  • 常緑樹→10月
  • 落葉樹→11~12月(落葉後)

を目安にします。

どの品種も休眠期は植え替えのダメージが少ないのです。
厳冬期は根が凍結するトラブルも起きますので、真冬になる前に根が活着するよう時期をはかります。温暖な地域なら冬でも植え替えは可能です。

宿根草には晩秋に地上部がなくなるものが多いので、地上部のあるうちに株の周りにマーカーなどを立て、掘り返す時の目印にします。
落葉樹の中には12月まで葉が落ちない品種もありますが、あせらず自然に葉が落ちるまで待ちます。

鉢植えの植物は、成長が鈍ってきたり、水はけが悪くなったり、また鉢の裏側を見てみて鉢底穴から根が見えたりしたら植え替えが必要な状態です。
現在使用している鉢よりひとまわり大きなものを用意して植え替えます。植え替え前にあらかじめたっぷりと水やりし、半日ほどおきます。植物が十分に吸水するので、植え傷みを防ぐことができ、また植え土も柔らいで鉢から抜く作業が楽になります。

鉢植えも庭植えも、根を傷つけないよう丁寧に掘り上げますが、鉢植えの場合ひげ根がたくさん出ている植物は、鉢の内側に細かな根がびっしりと回っていることがあります(根づまり・サークリング)。回っている根はよくほぐして切り取り、新しい土に植えます。

掘り起こした際には根を観察します。黒くてぽろぽろくずれるような根があれば、その部分は根腐れしているのできれいに取り除きます。白くて弾力があるしっかりした根なら健康です。

観葉植物や常緑樹など、地上部のボリュームが大きい植物は、植え替えと同時に刈り込みや枝の間引きをしましょう。植え替え直後は根からの水分の吸収が少なくなるので、地上部も小さくして葉からの水分の蒸散をへらし、回復を早めます。
植え替え後はたっぷりと水やりし、新しい土と根を密着させます。大きな花木は支柱を立て、風で揺れるのを防いで根が土に早く活着できるようにします。