栽培ガイド

ラズベリー(キイチゴ)の栽培方法



ラズベリーが健康フルーツとして注目されています。ポリフェノールが豊富(ブルーベリーの約2倍)。動脈硬化や癌の原因となる活性酸素の働きを抑え、血栓の予防にもなる成分です。高血圧や冷え性の人には特におすすめです。また、エネルギーの燃焼を促すクエン酸や肌の調子を整えるビタミンCも含んでいるので、美容にも効果的だそうです。
ラズベリーの香り成分に脂肪を分解する作用があることが発見され、ダイエット食品としても注目されはじめています。
生では傷みやすいため、店頭にはあまり出回りません。強健で耐寒性も強く、家庭での栽培は容易です。鉢植えでも栽培できます。甘酸っぱくて栄養たっぷりのラズベリーをぜひ育ててみてください。

ラズベリーは落葉小低木で、シュート(株元から出る新しい枝)やサッカー(地下茎から出る枝で、株元からは離れた位置に出てくる)で広がり、新しい枝は2年経つと枯れるため、株の位置が数年で移動します。庭植えの場合は数年元に植え替えて位置を調整します。鉢植えの場合も、1~2年に1度植え替えたほうが良いでしょう。また、枝が半直立性やほふく性の品種も多く、放任すると樹形が乱れますので、支柱を立てて枝を結束したり、垣根仕立てなどにして整えた方が扱いやすいです。

栽培適地:
夏に冷涼な気候を好みますが、非常に強健なのでどんな場所でもよく育ちます。日当たりのよい場所に植えてください。夏の強い西日は苦手なので、西日が当たらないように管理します。

植え付け:
落葉期の11~2月が最適ですが、ポット植えの苗ならいつでも植え付けできます。植え付けの際、枝を20cmほどで切り戻し、深植えにします。

剪定・整枝:
1~2月に細い枝や短い枝、枯れ枝、込みすぎた枝を株元から切り取り、残した苗は先端を3分の1くらい切り詰めます。
一季なりのラズベリーは、1年目に伸びたサッカーやシュートに翌年実をつけるので、1年目は切らないようにします。2年目に実をつけた後は枯れるので、完全に枯れる前に切り取ります。
二季なりのラズベリーは、1年目に伸びたサッカーやシュートに7月頃花を咲かせ、8~9月に結実します。実がついた部分は枯れますが枝が残り、その枝が翌年の結果母枝となるので切り取らないようにします。収穫後に枯れた枝は冬までに切り取ると良いでしょう。

肥料:2月と収穫後に速効性肥料を根元に施します。11月に元肥として腐葉土や堆肥などの有機質肥料(鉢植えの場合は固形の油かすを数個程度)を施します。また、2~3年に1度石灰を施します。

収穫:
果実が実るのは7月頃からですが、梅雨時は実が傷みやすいので、雨除けをするとよいでしょう。果実は生食のほか、ジャム、ジュース、ソースなどに利用できます。