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最終更新日:2024/04/23

和の植物を見直して

和風で、しかも昔から家の庭などに植えられていた下草などの植物の人気が高まっています。
新しい草花をいろいろ植えてみたけれど、花がすぐに終わったり、気候や環境になじまなかったり、きれいに保つには手がかかる…ということで、世話がいらずにきれいな状態の期間が長い、昔からある丈夫な宿根草などが見直されてきたのではないかと思います。
和風のもの、という固定観念をはずしてしまえば、現代的な住居やお庭にもしっくりなじんむ植物が、実は多いんですよね。
今回はそんな品種の中から、育てやすいものをピックアップします。

■萩
萩というと、秋の花のイメージですが、実際には7月頃から咲き始めて10月過ぎまで花が楽しめ、また洋風ガーデンの潅木としてもぴったり収まります。中には四季咲き(晩春から秋まで)の品種もあるんですよ。繊細な雰囲気で、小花がたくさん咲いて、なかなかすてきです。
中でもピンクの雲南四季萩、枝が長く枝垂れる宮城野萩はおすすめ。
白花や、2色咲きのものもあります。



■シャガ、ニオイイリス
日陰の丈夫なグランドカバーとして昔から植えられてきた品種です。
薄いブルーで、アイリスを小さくしたような花。まったく手がかからず、一度植えればどんどん殖えていきます。厳しい環境の場所にも植えられます。



■リュウノヒゲ、ノシラン、ヤブラン
リュウノヒゲにはいろいろなタイプがあります。
人が踏み込む場所の下草としてはタマリュウという草丈の低い品種が使われます。コクリュウ(黒竜)ははっとすほど印象的な黒紫葉で、欧米ではガーデニング素材として人気です。同じ仲間のノシランには黄色や白の斑が入るものがあり、明るい印象です。



■斑入りナルコユリ
ユリ科の多年草で、しっとりとした斑入りの葉に小さなスズランのような白花を咲かせます。日陰に強く、涼しげな印象です。
これも、一度植えれば毎年新芽を出して殖えていきます。



■ユキノシタ
シェードガーデンに人気のヘウケラに葉の形がよく似ています。
丈夫で湿り気のある日陰にはぴったり。
古くは子供のひきつけなどに、煎じて飲ませる民間薬としても利用されていました。



■クサソテツ(コゴミ)
山菜として有名なシダの一種ですが、お庭用にも適していることはあまり知られていないかも。明るい緑の葉が群生してたいへんきれいです。日向にも、日陰にも向いているので、和風庭園では昔から愛用されてきました。味覚も楽しんで、鑑賞もできるお得な植物。



■ツワブキ
こちらも鑑賞と食用を兼ねられます。厚く濃い緑の葉はオーナメンタルプランツとして、いろいろな植物と組み合わせられます。春先に出る柔らかな新芽を摘んで、蕗と同じく佃煮などに。蕗よりもおいしい、といわれるほどです。



■ハマナス
古くから各地の海岸に自生していたバラの一種です。皇太子殿下雅子さまのお印としても有名です。清楚なオールドローズ、といった印象ですが、とても強健な点が魅力。バラなのに手がかかりません。
花色はピンク、白、赤があり、また八重咲き種もありますが、いずれも絶え間なく花をつけ、樹高が低くこんもりまとまります。